辰哉
……

こんなこと思ってるのは
相手に失礼なのはわかってる。
弟達に……ツナシャチ、
ローズ、モコに癒されたい……
香澄
……あの…

香澄
私といるの……楽しくないですか?

辰哉
え、💦

辰哉
いやぁ💦そんな事ないですよ?💦

辰哉
少し考え事をしてしまって💦💦

香澄
実は…私……

香澄
好きな人がいるんです

辰哉
……へ?

香澄
好きな人というのは……
辰哉さんではない方です……

香澄
だけど……親からは辰哉さんと結婚しろとせがまれまして……

香澄
辰哉さんなら、私の気持ちをわかってくださると思ったのですが……

辰哉
そ、そっか……

辰哉
じゃあお互い今日のところは解散にして、

辰哉
お見合いは破棄になりましたって伝えないとねw

香澄
……辰哉さん…

香澄
最後に1ついいですか?

辰哉
あ、はい……

香澄
私との縁談を断れば……会社の存続に関わるとお聞きしました……

香澄
辰哉さんは会社の事……どのようにお考えですか?

辰哉
どのように……ねぇー……

辰哉
家族…かな

香澄
!

辰哉
俺が社長になったのはさ、

辰哉
父さんが……前社長が病気で亡くなったからなんだよね。

辰哉
でも、頼まれたからやるって決めたわけじゃなくて

辰哉
弟達のこと……守りたかったんだよね。

香澄
弟さん……を?

辰哉
俺にはさ、8人の弟がいる。

辰哉
1番下とは22歳も離れてる。

香澄
そんなに……

辰哉
父さんが亡くなったのはさ、まだ1番下の弟が1歳のときで…

辰哉
高校受験を控えてる双子の弟もいたし、

辰哉
俺が何とかするしかないって思ったんだよ。

辰哉
それで社長になることを引き受けたんだけど……

辰哉
ま、ど素人が社長になるってことは、

辰哉
それだけ社員の人達や取引先の人に迷惑かけちゃうし、舐められてしまう。

辰哉
優しくて、思いやりがあって、時に厳しく接してくれて

辰哉
俺は社長として沢山のことを学ばせてもらった。

辰哉
社員の事も、家族のように大事にしたい。

辰哉
社員の家族のことも大事にしたい。

辰哉
そうやって今の仕事をしているよ。

香澄
わかりました。ご丁寧にありがとうございます。

辰哉
正直な話、

辰哉
このお見合いには、互いの会社にとってメリットしかない。

辰哉
だけど、君には好きな人がいる。

辰哉
俺は、自分の気持ちには素直でいたいと思ってる。

辰哉
だから君にも…香澄さんにも自由に恋愛をして欲しい。

辰哉
俺なんかじゃなくて、もっと素敵な人と結婚して幸せになって欲しい。

香澄
辰哉さん……

辰哉
俺も今は弟たちのことが大事で、会社のみんなが大事。

辰哉
売上とかも大事であるけれど、まだ俺は独身でいたいよ。

辰哉
慕ってくれている大切な人もいるしね^^

香澄
ありがとうございます…

辰哉
あーあ、なんて言おうかなー

辰哉
お見合い破棄のこと…

辰哉
俺はいいけど、香澄さんのご両親……カンカンだろうな……

香澄
たしかにカンカンかもしれませんw

辰哉
頭下げ行こうかな…

辰哉
よし!香澄さん!

辰哉
ご両親の苦手なものって何かある??

香澄
苦手なものですか……

香澄
特になかったかと…

辰哉
だったらアレで機嫌とるか……ボソボソ

香澄
た…辰哉さん??

辰哉
うし!買いに行こ!

辰哉
香澄さんはちょっとまってて💦

香澄
あ、あのッ

香澄
……行ってしまいました……

その後、辰哉は
高級和菓子詰め合わせセットと
数量限定のふわとろプリンを
手土産に持ち
それから、自分の会社は
自分と、社員の力でもっと
成長させることを約束し、
衝突するかと思えた、
香澄さんとのご両親との話し合いが
済んだ。
香澄さんの父親に気にいられた辰哉は
度々飲みに誘われることになることを
この時はまだ知らない……