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アタシは、崇拝されている

席に座って小説を読んでいるだけでざわつかれる

吹嵐 咲希

あっ!緋芽お姉様が本を読んでる!

月影 澪彩

何読んでるんだろ〜!

吹嵐 咲希

推理小説とかかな!

月影 澪彩

さすが緋芽お姉様だ!

嵐諷 緋芽

……

嵐諷 緋芽

(普通に恋愛小説なのよね…)

2年前、吹奏楽部に所属しているアタシは、クラリネットでソロを演奏した

当日アタシは中学2年生だったが、中学3年生のクラリネットの先輩がおらず、代わりにすることとなった

その演奏以来、同級生や後輩から「緋芽お姉様」と慕われるようになった

どうやら噂によると親衛隊もあるらしい…

中高一貫であるこの学校で、高校生になってもまだお姉様と慕われていた

そんなアタシには秘密がある

それは……

吹雨希 悠穂

ねぇー!悠斗〜!!

吹雨希 悠穂

この飴味無理ー!食べてー!

鏡狂 悠斗

捨てればいいだろ!!

吹雨希 悠穂

勿体ないじゃん!

鏡狂 悠斗

1度舐めたもの人にあげる方がやばいだろ!

嵐諷 緋芽

(あの2人距離感相変わらずね…)

嵐諷 緋芽

(デキてるのかしら…いやデキてて欲しいわね…)

嵐諷 緋芽

(それか悠穂くんの片想いというのも……)

秘密とは、BLが好きな腐女子であることだ

吹嵐 咲希

ちょっとそこの2人!

月影 澪彩

そういうのはそれぞれのお家でやってください!

吹嵐 咲希

緋芽お姉様の目を汚すな!

鏡狂 悠斗

え、俺らが話してるのそんな不快か?

吹雨希 悠穂

ねぇ悠斗飴!

鏡狂 悠斗

だから捨てろって…

吹嵐 咲希

とりあえずお姉様の目のつかないところで!

鏡狂 悠斗

よく分からないけど…わかった…?

吹雨希 悠穂

ねぇ飴…

嵐諷 緋芽

(あぁ…あの2人が離れていく…)

嵐諷 緋芽

(アタシの癒しが…)

嵐諷 緋芽

(仕方ない、本でも読みましょう)

アタシはさっきまで読んでいた恋愛小説を読む

ちなみにこれもBLものである

苗穂 すうあ

それから数日後の放課後

アタシは本屋でBL漫画を探していた

嵐諷 緋芽

(確か今日が発売日だったはずなのだけど…)

嵐諷 緋芽

(あ、あった)

BL漫画を手に取った瞬間、誰かに声をかけられる

苗穂 すうあ

緋芽さん

嵐諷 緋芽

っ……?!

クラスメイトの苗穂すうあだ

休み時間は隅で本を読んでいるような人

嵐諷 緋芽

(まずい…見られた…)

幻滅されてお姉様と呼ばれなくなるのはどうでもいいが、腐女子であることだけは何としても隠し通したい

だが漫画を手に持ってしまってる以上、誤魔化しても苦しいだけである

苗穂 すうあ

緋芽さん“も”BLお好きなんですね

嵐諷 緋芽

(やっぱりバレる…!)

嵐諷 緋芽

(……あれ?「も」?)

嵐諷 緋芽

「も」って…

嵐諷 緋芽

まさかあなたも…?

苗穂 すうあ

はい!

すうあは手に持っていた袋からBL漫画を取り出した

しかもアタシが買おうとしていたもの

嵐諷 緋芽

……!

苗穂 すうあ

同じです!

そのまま、アタシはすうあと意気投合して、すうあの家にお邪魔した

嵐諷 緋芽

ごめんなさいね、突然押しかけてしまって

苗穂 すうあ

大丈夫です!

苗穂 すうあ

緋芽さんと話してみたいって思ってたので!

嵐諷 緋芽

…あなた、いつからアタシを腐女子だって知ってたの?

苗穂 すうあ

うーん、先月くらいですかね

苗穂 すうあ

本屋で見かけました!

嵐諷 緋芽

そうだったのね

それから1時間ほど、すうあとBLトークを楽しんだ

嵐諷 緋芽

…あら、もうこんな時間ね

苗穂 すうあ

あっ…遅くまですみません

嵐諷 緋芽

いいのよ、沢山お話できて楽しかったわ

苗穂 すうあ

あの…

嵐諷 緋芽

苗穂 すうあ

また、お話したいです

苗穂 すうあ

お友達に、なってくださいませんか?

嵐諷 緋芽

…!

アタシは、お姉様と慕われることはあっても、行動を共にする友達は居なかった

だから、すうあのこの誘いはとても嬉しかった

嵐諷 緋芽

ええ、もちろんよ

苗穂 すうあ

…!ありがとうございます!

次の日、アタシはカタンと音を立てて席に座る

するとすうあがやってくる

苗穂 すうあ

おはようございます!緋芽さん!

嵐諷 緋芽

えぇ、おはよう、すうあさん

吹嵐 咲希

緋芽お姉様が…お話してる…!

月影 澪彩

お声も美しい…

吹雨希 悠穂

悠斗ポッキーゲームしよ

鏡狂 悠斗

なんで?!

苗穂 すうあ

…緋芽さん、今日の放課後、沢山お話しましょう

苗穂 すうあ

あの二人の話も一緒に

嵐諷 緋芽

…えぇ、そうね

アタシは、同級生や後輩からお姉様と慕われ、親衛隊まで存在するらしい

そんなアタシの秘密は、同じ趣味を持つすうあと2人の秘密になった──

──fin.

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こちらは、『革命家テルちゃん』という方が企画している【みんなおいでよコンテスト】に参加させていただいた作品です。 思いつきでかけせて頂いた作品をフリースタイルとして企画を支援出来たらなという形で参加させていただきました。 このコンテストは一次創作の読み切り小説でしたらどんな作品でも参加可能ですので、みなさんも是非テルさんの投稿から概要をチェックしてみてください! 一次創作民に希望を!

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