亡き親友

とある小学校の話です 麗奈と美奈子というとても仲の良い女の子がいました。 2人は、学校ではもちろんのこと、放課後も毎日一緒に遊んでいました。 その日も2人は遊ぶ約束をしていたので、お互いに一旦荷物を置きに家に帰りました。

麗奈の両親は共働きで兄弟もいないので、いつも家に帰っても1人。 そんな時いつも一緒にいてくれる美奈子はとてもありがたい存在でした。 家に帰ってすぐに部屋に荷物を置き、家を出ようとすると家の電話が鳴り、電話に出ると、、、

美奈子との約束がなくなり、ガッカリする麗奈。 すると、いつもよりも仕事が早く終わったという母親が帰ってきました。 なんだか、いつもと様子が違う母親が気になって麗奈が訪ねると どうやら母親は、帰り道に近くの通りで交通事故の現場を見てしまったそうです。 その交通事故は、酷いもので被害者は大型トラックに引きずられて死亡だったそうです。

次の日学校で、その事故の被害者が美奈子だったことを麗奈は知ります。 1ヶ月経っても、麗奈は立ち直れませんでした。あんなにも元気だった麗奈は、ほとんど喋らなくなり学校も休むようになりました。

その日も麗奈は、学校を休んで1人で家で寝ていました。 お昼の13時ごろ、インターホンが鳴り麗奈は起きました。 親もいないので家には麗奈1人、誰とも話したくないので無視していましたがしつこくインターホンはなり続けます。

仕方なくリビングにあるモニターを見てみると、映っていたのは赤いフードを被った子供のようで、しかも異常に痩せ細っていました。麗奈は『だれ？』と尋ねましたが返事はありません。マイクから聞こえてくるのは、まるで喉に痰が絡んだような息の音だけ。 流石に気味が悪かったので、警察に連絡をしようと思ったその時、気づいてしまったのです。

その子供には両腕がありませんでした。 そしてフードだと思っていたものは、顎から上がびしゃげた頭だったのです。 モニターを見るとソレは、家の中に入ろうとしています。どうしていいか分からずパニックになった麗奈はその場にうずくまりそのまま気がついた時には床に倒れていました。意識を失っていたのでしょうか。

部屋の中やモニターを見回しましたが、もうソレはいませんでした。 その時になって気づきました。 あの子供が着ていた服が事故当日の美奈子と全く同じだったことを。