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手紙を見た私は思わず便箋を持つ手に力を入れる。
顔に身体中の熱が集中していき、サウナにいるのかというほど 全身が熱くて熱くてたまらない。
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一番、それも“生きてきた中で”。
私のの文通が一番というのか…
もっと学校行事とか旅行とか遊びとか他にもあるはずなのに。
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私がもっと男子と積極的に関わるタイプだったら 佐藤くんの気持ちのあと何十パーセントなら読み取れたのだろうか…
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手紙にもう一度視線を落とすと、ボールペンで書かれた文字がいつもより 弱々しく感じる。
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またまた顔が熱くなってきた。
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男心は難しすぎる。 くだらない内容だったらすぐに返事を書けるが、どうもこの手の内容は苦手だ。
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窓からわずかに見える昇降口から、見覚えのあるシルエットが現れた。
人目を引く照り輝く茶髪は、遠く離れた図書室からでも一発で分かる。
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その鋭い眼光を見て私は一瞬怯む。
そうだ、この人不良だった。
校内で話しかけようとする人はほぼいない、 一匹狼状態の黒木くんに咄嗟に話しかけてしまった。
イチョウ並木は左右にグラウンドがあり、 右側でサッカー部、左側で野球部が活動しているため、私と黒木くんの姿は簡単に見られる。
このツーショットは異様な光景として、もしかしたら私まで恐れるべき存在として 認知されることもあるかもしれない。
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私は慌てて肩にかけていたバックのファスナーを開き、 内ポケットから絆創膏を取り出した。
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絆創膏を渡すと彼は形整った美しい目を少し見開き、 そして柔らかく細めて言った。
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絶対に早歩きしないとついていけないと思っていたが 私たちは適度な距離を保ちながら並んで歩いている。
脚の長い黒木くんが、歩幅を調節して私の歩調に 合わせてくれているのだ。
第一印象は最悪だった黒木くんだが、関わっていくうえで怖いイメージは 取り払われていた。
根は優しくて普通の人と変わらない。
不良と言うよりはただの遅刻魔、加えてサボリ魔という枠組みのほうが 相応しい気がする。
おそらく黒木くんは喧嘩も薬物もやっていない。
しかし、黒木くんといることで周囲の関心を集めるのは避けたかった。
ただでさえ、rnという目立つ親友の隣りにいるのに、 これ以上周囲の目を引くようなことは嫌だった。
なるべく、私は平和に過ごしたいのに。
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私は可愛らしい女子じゃないんだから。
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見ると、私のスカートのポケットからオレンジのハンカチが顔を覗かせていた。
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恥ずかしすぎる。いつからでていたのだろうか。
どうせお手洗いでしか使わないのだ。
ハンカチくらいは可愛らしいデザインのものを持ちたくて、 レースやフリルがあしらわれていたり、 小花やリボンが刺繍されているハンカチを常日頃使っている。
一番気に入っていた、白いレースのものはどこかに行ってしまったが。
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駅まで1人で行くと、この数分がどことなく気分が下がる。 誰かと話しながら帰るのは気が紛れるので確かにいい。
私が普段とぼとぼと帰っているこの数分を rnとyaくんはさぞ楽しくて貴重な時間に感じているのだろう。
同じ時間を過ごしていても、rnと私の充実感は全く違うのだと 改めて実感した。
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そこまで言いかけた私はあることにピンと思いつき 恐る恐る尋ねてみる。
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yaくんに聞けないなら黒木くんに聞いてしまえ。
彼ならおそらく他言しない(他言する相手が居ない)だろうし 一応男子だし、建設的なアドバイスがもらえるかもしれない。
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駄目だ。全く役に立たなかった。
せっかく勇気出して訊いたのに。
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手のひらを不意に大きな手で包まれる感触があった。
驚いて見上げると、私の手を握っている黒木くんが 優しい目を向けている。
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コメント
12件
やばい最高過ぎてカルパス喰ってたんですけど詰まりそうになりました
初コメ失礼します〜! urrnカッコよすぎん…?佐藤くん全く誰だか分からん…。 明日も投稿って神すぎません??フォロ失礼します!!
佐 藤 裙 っ て ま さ か urrn っ ?! い や 、et 彡 が 言 っ た から そ の 言 葉 を 使 っ た の か ? わ ぁ ~ も う 誰 な ん だ ぁ ~ ! 明 日 ま で 待 て な い 、 、 笑 ( る り 彡 に 負 担 を か け る な