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賢者の涙 4話

賢者の涙 4話

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賢者の涙 4話

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2022年02月06日

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私は霊夢達と別れた後スキマの中にとどまっていた

それは自分の式神達に涙を見せたくなかったから

幻想郷は現世に帰ると記憶がなくなる

彼も例外ではなかった

実は彼は幻想郷に来たことがある

しかも彼はその当時最大の異変を解決していった

だから私は彼ととても仲が良かった

...私は彼が好きだった

いつもはふんわりしているのに仲間のことは一番に大事にする

一人が嫌いで何かと理由をつけては私のところに来てた

人懐っこくてみんなに好かれていた彼が...

私は、大好きだった

もうあの時の彼はいない

もうあの彼の笑顔は見れない

たとえ同じ容姿でも一番違いが分かってしまうのは私

そんな中いつも通りを演じるのはつらかった

どうしても涙が流れてしまう

賢者が涙を流すなど笑われてしまうだろう

それでも私にも血は流れている

立派な人間である

涙も流れる

だから一人の時くらい泣いても...

私は膝から床に崩れた

涙が止まらなかった

彼がいなくなった時に涙は枯らしたはずだった

彼がいなくなったのはちょうど100年前

ここで100年経っても外の世界では時間が進まない

しかも彼は妖怪という種族まで付与されていた

だから彼はいなくならないと思っていた

しかし、それは違った

彼はいなくなってしまった

涙をのんだのは私だけではなかった

一緒に戦った鬼や他の妖怪なども

その中には霊華もいた

霊華は霊夢の母親だ

彼女は特に悲しんでいた

私と同じように彼に恋をしていたからだ

彼女は好きなことを誰にも知られないようにしていた

「 博麗の巫女が恋をするなど...」 と言っていたからだ

「霊華、あんた思い伝えなくていいの??」

「 彼のこと好きなんでしょ?」

霊華

「 私は博麗の巫女だ」

霊華

「 博麗の巫女としてやることをやらないと恋などできない」

霊華

「 中途半端は嫌いなもんでね」

霊華

「 それに彼も中途半端な女なんて好きじゃないだろう」

「 霊華は本当に真面目ねぇ」

「 好きなら好きって伝えればいいのに」

「 じゃないと彼はどっか行っちゃうかもよ?」

霊華

「 彼は妖怪兼人間だ」

霊華

「 死ぬことなどないだろう」

霊華

「 ましてや私たちから離れるなんてことも...」

「 それもそうね」

あの時の会話は今でも鮮明に思い出せる

あの会話をした翌日、彼がいなくなったのだ

彼がいなくなった後、霊華は病で倒れた

そして17年前、霊華は亡くなった

彼女は彼に何も答えないままこの世を去ることになってしまった

私はスキマの中で泣き続けた

戻ってこない彼と彼女

私は最愛の二人を失ってこれからどうして行けばいいのだろう

それでも前に進まないといけない

それこそ、こんな姿を彼と彼女に見られては

二人に心配されてしまうだろう

だから泣くのはこれで最後にしよう

これからはあの二人に心配されないためにも

「 あの彼」にも私は普通に振る舞わなくてはいけない

だから私は泣いた

これから泣くことのないように

今ある涙を出し切るために

声を出し膝をついて

子供のように、泣いた...

霊夢

「ん?あれって」

魔理沙

「 秦こころじゃないか」

魔理沙

「 あいつを見かけるのは珍しいな」

霊夢

「 そうね」

霊夢

「 あの子が人里に降りてくるのは何か用があるからかしら」

魔理沙

「 おーい!こころ〜!」

こころ

「 霊夢と魔理沙じゃん」

こころ

「 どうしたの?」

霊夢

「 私達は紅魔館に行くところよ」

こころ

「ねぇ...その人...誰?」

霊夢

「 こいつは外から来た住民よ」

莉桜

「こいつって...」

こころ

「 彼を...少し借りてもいい?」

霊夢

「 別にいいけど...」

霊夢

「 結構時間かかりそう?」

こころ

「 そんなことない」

こころ

「 すぐ終わると思う」

霊夢

「 じゃあいいわよ」

こころ

「 ありがとう」

こころ

「名前は?」

莉桜

「り、莉桜です」

こころ

「 わかった」

莉桜

「あ、あなたは...?」

こころ

「 私は秦こころ」

こころ

「 気軽にこころって呼んでくれて構わないわ」

こころ

「 それであなたはここに選んだ理由はね...」

こころ

「 あなた、何か隠してない?」

莉桜

「 特には隠してないです...」

こころ

( 自覚がない...)

こころ

( 彼の中からもう一つの感情が見える)

こころ

( 彼と似た、別の感情が...)

こころ

「 教えてくれてありがとう」

莉桜

「 それだけですか...?」

こころ

「 それだけよ」

こころ

「 あ、あと一つ」

ガサゴソガサゴソガサゴソ

こころ

「 これを受け取って」

莉桜

「 これは...?」

こころ

「 これはあなたを守ってくれる」

こころ

「 もしピンチになったり命の危機になったりしたら」

こころ

「 これを身につけてみて」

莉桜

「 わ、分かった...」

こころ

「それだけ」

こころ

「 聞いてくれてありがとね」

こころ

「 それじゃあ行っていいよ」

こころ

「 あ、待って!」

こころ

「 一つ言うの忘れてた」

こころ

「 それをもらったことは誰にも言わないこと」

こころ

「 守ってね」

莉桜

「 わ、わかった...」

莉桜が去った後...

こころ

( 彼の中の感情はとても強い)

こころ

( 強いっていうのは実力的なこと)

こころ

( 多分誰にも負けないほど強い)

こころ

( だけど、何か嫌な予感がする...)

こころ

( 気をつけて...)

夢主

ご視聴ありがとうございました!

夢主

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また次回会いましょう!

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