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あの事故から気付けば1年と半年が経った夏頃。幸い怪我は軽傷で、 今も普通に暮らしている。
まぁ、何故か事故から数ヶ月ぐらいほとんど覚えてないんだけど…。
橘 玲奈
多々良 新一
玲奈も、生きてる。酷い怪我で何度も生死不明を彷徨ってたけど、 事故から数週間後、ちゃんと戻ってきてくれた。
奇跡的に後遺症もなくて…本当によかった。
橘 玲奈
思春期だなぁ…カンさん、どんまい。
カンさんというのは玲奈のお父さんのことだ。僕らは親同士の仲も良かったから、昔から多々良家と橘家で集まることも多かった。
僕は玲奈のお母さんをアミさん、お父さんをカンさんと呼び、 玲奈は僕のお母さんをハナさん、お父さんをハルさんと呼ぶ。
改めて玲奈が生きててよかったと安堵の気持ちを抱えながら、 実は事故のあとから気になることもできた。
玲奈はクラスの人気者で、いつも彼女の周りには誰かしら女の子が集っていた。男子が玲奈に話しかけてくることもあった。
でも退院後、玲奈の傍には誰も来なかった。それどころか、 何故か2人で喋っていると周りがこちらに視線を向けてくる。 僕はともかく、玲奈には誰かしら声をかけてくると思っていたのだけど。
その状態のまま季節は巡り、僕らも進級した。 でも、進級後もそれは続いた。
お父さんとお母さんも、僕に時々不思議な視線を向ける。
どうして?僕らはいつも通りなはずなのに、 何故皆、僕らを見る?
ただそれだけが分からなくて、気掛かりだった。
橘 玲奈
多々良 新一
橘 玲奈
多々良 新一
カンさん、ごめんなさい。
まぁ玲奈は何も気にしていないようだし、2人とも生きてるんだから僕も気にしないでいいだろう。2人とも生きてる、これだけでいい。
多々良 新一
いつの間にか口からこぼれていたものに気付かず、 それは空気と共に流されていってしまった。
橘 玲奈
漂流先は玲奈の耳だったらしい。 ここで僕もこぼしてしまったものに気付いた。
多々良 新一
橘 玲奈
なんということだ。玲奈は漂流してきたものをそのまま すくって持って帰る気のようだ。
多々良 新一
橘 玲奈
多々良 新一
多々良 新一
約束通り帰りに玲奈にプリンを買って帰った。
多々良 ハナ
多々良 ハル
自然と口角が上がっていたのだろうか。ちょっと恥ずかしい。
多々良 新一
多々良 ハナ
多々良 ハル
多々良 新一
多々良 ハナ
多々良 新一
カバンや買ったものを部屋の机に置いて手を洗い、食卓を囲む。 やった、今日の晩御飯はハンバーグだ。
多々良 新一
多々良 新一
多々良 新一
多々良 新一