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野々さくら
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コメント
1件
うわあああああ第1話からエモすぎる!!😭💕💕 「誰がお前を助けるの?」ってルカのセリフ、ここでグッときた…何も知らないはずなのにシオンのことちゃんと見てるんだね…。何度もルカを救えなくて、記憶を代償に時間を戻し続けるシオンの孤独と絶望がひしひし伝わってきて胸が痛いよ…。 でも最後の「自分を失っていたシオン自身」って伏線、めっちゃ気になる!!続きが待ちきれないよ〜!!🌸✨
王都・ルミナス暦532年
夜は静かだった
まるで世界から音だけが消えてしまったかのように
遠くで鐘の音が鳴る。
その音をシオン・ノクティスは何度聞いただろう
何度も見た光景
何度も繰り返した時間
何度願っても、何度抗っても
何度も
何度も
何度も
最後には必ず、目の前の大切な人を失う
シオン・ノクティス
小さく呟いた声は誰にも届かない
もちろんルカにも
彼は知らない
シオンが何度この世界をやり直しているのか
何度自分の名前を呼びながら泣いていたのか
何度、救えなかった未来を見てきたのか
シオン・ノクティス
シオン・ノクティス
震える手で魔法石を握る
シオン・ノクティス
それが、シオンが何度も朝を迎える理由だった
時間魔法
禁忌とされた力
代償は——自分の記憶
少しずつ消えていく
それでも
ルカを失うくらいなら…
何度だって…
一回目 ルカを失った
二回目 別の方法を試した
三回目 敵を倒した
それでも
四回目も
五回目も
何十回目も
何百回目も
救えなかった
今もまだ繰り返している
目を開ける
朝だった
窓から差し込む光が眩しい
鳥の声
人々の話し声
そして
ルカ・アステリア
聞きなれた声
振り返る
そこには
生きているルカがいた
ルカ・アステリア
いつもの笑顔
何も知らない顔
胸が締め付けられる
シオン・ノクティス
ルカ・アステリア
シオン・ノクティス
シオンは目を逸らした
また会えた
また声を聞けた
それだけで泣きそうになる
ルカは不思議そうに眉を寄せた
ルカ・アステリア
シオン・ノクティス
ルカ・アステリア
少し笑う
ルカ・アステリア
シオンの動きが止まった
覚えている筈がない
ルカは知らない
この時間が、何度も繰り返されていることを
自分が何度も死んだことも
シオンが何度も絶望したことも
全部シオンだけの記憶
シオン・ノクティス
ルカ・アステリア
シオン・ノクティス
即答すると ルカは呆れたように笑った
ルカ・アステリア
シオン・ノクティス
ルカ・アステリア
その言葉が胸に刺さった
何度も時間を戻した
何度も傷ついた
でも
誰より近くにいたルカは
何も知らないはずなのに
ずっとシオンを見ていた
シオン・ノクティス
声が震える
シオン・ノクティス
言いかけてやめた
言えるわけがない
君が死ぬ未来を何度も見たなんて
君を救えなくて 何度も絶望したなんて
ルカは静かにシオンを見る
ルカ・アステリア
シオン・ノクティス
ルカ・アステリア
優しい声だった
ルカ・アステリア
シオンは息を止める
ルカ・アステリア
ルカは続けた
ルカ・アステリア
その瞬間
ずっと閉じ込めていた感情が溢れそうになった
自分は壊れていないと思っていた
まだ大丈夫だと思っていた
でも本当は
ずっと疲れていた
何度も失うたびに
何度も朝を迎えるたびに
少しずつ、心が削れていた
シオン・ノクティス
シオンは小さく呟く
ルカ・アステリア
シオン・ノクティス
苦しくなるほど優しい
シオン・ノクティス
ルカは笑った
ルカ・アステリア
ルカ・アステリア
一歩近づく
ルカ・アステリア
ルカ・アステリア
その言葉に、シオンは顔を上げた
シオン・ノクティス
シオン・ノクティス
何度も君を救えなかったなんて
ルカ・アステリア
ルカは笑う
ルカ・アステリア
その優しさが、シオンには苦しかった
何度目の朝でも
シオンはルカを愛していた
でもこの時 まだ知らなかった
最後に変えるべき運命は
ルカの死ではなく
ルカを失うことを恐れて、 自分を失っていたシオン自身だったことを