差し伸べる手

夢を見た。

暗くて

不安で

とても寒い場所

その中に

差し伸べる手があった。

掴もうとした瞬間

目が覚めた

父が階段を降りていった。

こいつは1週間前くらいから現れた。

誰かはわからない

周りはこいつが見えていないらしい。

黒い影はすっとどこかへ消えた。

昼飯を食べるため俺は1階へ降りた。

今日は土曜日だ

遅くまで寝ていても焦る心配はない。

【1階】

正直父親は嫌いだ

いつもなにかあれば俺を殴る

酒や薬を飲む

母親はこいつのせいで

俺をおいて夜逃げしやがった

母とはたまに連絡を取り合っている。

数分後

翌日

バタンとドアのあいた音がし

俺はパジャマのままゆっくり下の様子を見に行った。

俺は銃を持っている3人組の男を見て1歩下がった。

数分後

俺はクローゼットの中でうずくまっていた。

布団で隠しながら

ドクン……ドクン…

泥棒はクローゼットを見つめた

トガッとドアを開けた。

布団がめくられ見つかってしまった。

【1階】

バンッ！！

目の前光景に目がくらんだ

父は大量に血を流し倒れている。

打った泥棒は銃を下ろし俺に向けた

俺はなにかもっている

なんだこれ

あ

こいつから奪った銃か…

バンッ✕3

数分後

俺は力尽きて銃を手からはなした。

父は完全に息をしていなかった。

ねちょっとした泥棒達から流れる血に触れた

俺は叫びながら狂ったように走り出た。

いつのまにか

朝なのに薄暗い不気味な神社へ来てしまった。俺は地面にぺたんとすわりこんだ

生きていても

父さんも母さんもいないんだ

おまけに人も

3人殺した。

逃げても

いつか絶対捕まる

だから

黒い人影は手を俺に差し伸べた。