蓮
…また俺と付き合ってほしい
ゆきほ
…目黒くんのことは…好きだよ。でも、付き合うのは……ごめん
蓮
何で…?
ゆきほ
…目黒くんと私じゃ釣り合わないよ
蓮
そんなこと…?
ゆきほ
目黒くんにとってはどうでもいいことかもしれないけど、私はすごく悩んでるの…!
ゆきほ
目黒くんとは釣り合わないって他の子に言われてる私の気持ち…分かる?分かんないでしょ…?
蓮
それは…気づけなくてごめん
ゆきほ
…ううん。私こそ…怒ってごめん。感じ悪いよね…。目黒くんは何も悪くないのに…
ゆきほ
…だから、友達に戻ろ?
蓮
えっ…?
ゆきほ
前みたいに一緒に勉強したり、たくさん喋ったり…友達として仲良くしよ?
蓮
何で…そんな1人で決めるの?俺の意見は聞いてくれないの?
ゆきほ
違っ…、そんなんじゃなくて…!
蓮
じゃあ、どういうこと?俺は…別れたいとか友達に戻りたいとか思ってない
蓮
全部ゆきほさんが勝手に決めて、俺に押しつけてるだけ…
蓮
俺の意見なんか聞いてくれてない…
ゆきほ
…じゃあどうすればいいの?
ゆきほ
このまま付き合い続けてもお互いしんどいだけだよ…。きっと…
蓮
そんなこと…ないよ。俺は、ゆきほさんと居るの楽しい…。一緒に出かけたり、勉強したりする時間もすごく好き…
ゆきほ
そんなの…私だって…同じだよ
蓮
じゃあ……
ゆきほ
でもね…、それ以上に今は目黒くんと一緒に居るの辛い…
ゆきほ
だから…、ごめん。別れよ…
そう言って、ゆきほさんは教室から出て行った。
それから数年後、 俺は高校、大学を卒業し、社会人になった。
そして、今日は高校の同窓会で久しぶりに同級生に会って、談笑していた。
すると、俺の近くで同級生が話しているのが耳に入った。
同級生
なぁ、あそこにいるすげぇ美人って誰?
同級生
えっ、あぁ…、あれってゆきほさんじゃないの?ほら、目黒と付き合ってた…
同級生
えっ、マジ?めっちゃ可愛くなってんじゃん!
同級生
ゆきほさんって目黒と別れたんだよな?じゃあ今フリー?
同級生
さぁ、それは分かんないけど…
同級生
俺、声かけてみよっかなぁ笑
同級生
いいんじゃない?行ってきなよ
同級生
おう!行ってくる!
俺はゆきほに声をかけようとしている同級生の腕を掴んだ。
同級生
目黒?…何か用?
蓮
ごめん。ゆきほは俺のだから
同級生
は…?えっ…だって、お前ら別れたんじゃ…
蓮
うん。別れたよ
蓮
でも、俺らまた付き合うことになったんだよ
同級生
えっ?どういうこと…?
蓮
実はさ……
俺が大学生の時、アルバイトを始めた店で偶然ゆきほと再会したのだ。
それから、一緒に遊んだり、大学の勉強を一緒にするようになって、また付き合うことになったのだ。
蓮
だから、ごめん。ゆきほは渡せない
同級生
…わかったよ。幸せにな
蓮
うん。ありがとう
そんな話をしていると、ゆきほがこっちにやって来た。
ゆきほ
蓮、何話してるの?
蓮
ん、何でもない。帰ろっか?
ゆきほ
えっ、もう帰るの?
蓮
うん。早く2人で過ごしたいからね
ゆきほ
…まぁ、たしかに…
蓮
あはは、ゆきほ顔真っ赤だよ
ゆきほ
だって…、みんな居るのにそんなこと言われるの…恥ずかしい
蓮
何それ…、めっちゃ可愛い笑
ゆきほ
もう…!からかわないで…!
ゆきほ
早く帰るよ…!
そう言って、俺の服を引っ張る彼女はすごく可愛い。
蓮
はいはい笑
俺は今、すごく幸せだ。
終わり