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睦月は本当に告白したのだろうか。

時刻は午後9時をまわったところだ。

「放課後に告白する」という言葉を睦月から聞いた後、未だに返信がない。

しゅん

結果、どうだったんだよ。

返信があったのは、メッセージを送ってから1時間後の午後10時だった。

睦月

ごめんごめん!お風呂入ってた

しゅん

別にそれはいいけど

しゅん

なつきに告白したんだろ?

しゅん

どうだったんだ?

睦月

うん。

睦月

あのね

睦月

振られちゃった笑

しゅん

そうか…

睦月

友達としては好きだけど、男を恋愛対象としては見れないって言ってた

睦月

まあ、なんとなく予想してた結果だから

睦月

全然平気!

睦月が強がりを言っていることは火を見るより明らかだった。

しゅんは胸を締め付けられるような思いでいっぱいになった。

しゅん

無理すんな

しゅん

お前がメンタル弱いことなんて、
俺が1番よく知ってる

しゅん

俺には嘘つく必要ないんだぞ

しゅん

通話終了

通話
00:00

しゅん

もしもーし

睦月

…もしもし

睦月の掠れた涙声には、いつものような覇気が全くない

しゅん

しっかり落ち込んでんじゃん

睦月

…うん。

睦月

…僕…どうしたらいいかな…

睦月

なつきは優しいから、友達としてこれからもよろしくって言ってくれたんだけど…

睦月

無理だよぉ…

睦月

う…ぐすっ…

睦月

…なつきと今までみたいに接することなんて絶対無理だし…

睦月

ねえ…

睦月

僕ってさ…変なのかな

しゅん

え?

睦月

だって…普通の男の子なら…男の子のこと好きになったりしないじゃん…

睦月

うぅ…やっぱり…僕って変だよね…

しゅん

そんなことねーよ

睦月

しゅん

男が好きな男なんて世界中探せばいくらでもいる。お前だけが特別変ってわけじゃない

睦月

でも…僕が普通の男の子だったら、こんな風に悩むこともなかったのに…

しゅん

たらればを言っても仕方ないだろ。睦月は睦月だ。何が普通とか関係ない。

睦月

でも…でも…うぅ…

しゅん

自分を責めても良いことないぞ。失恋して人は成長するんだ。

睦月

…彼女できたことないくせに…

しゅん

それは言うな…

睦月

睦月

…ねえ、しゅん…

しゅん

ん?

睦月

…僕のこと、まだ友達だと思ってくれる?

しゅん

なんだよ、急に

睦月

…僕って昔から女の子みたいな趣味があったり、些細なことで悩んだり落ち込んだりして

睦月

色んな人に男のくせに女みたいで気持ち悪いって言われてきたんだよね…

睦月

…それで振られたらすぐこんな風に落ち込んで、しゅんに迷惑かけちゃうし…

睦月

…こんな僕でもまだしゅんの友達でいていいのかなって…すごい…不安になっちゃって…

睦月

しゅん…僕のこと…嫌いにならないで…

しゅん

何言ってんだよ

しゅん

そんなの当たり前だろ

しゅん

それに、困った時はお互い様だ。迷惑なんてたくさんかけろ。

しゅん

お前は大事な友達だ。こんなことで嫌いになるかよ。

睦月

睦月

…ありがとう…しゅん

睦月

…大好きだよ…

しゅん

はいはい

しゅん

じゃあそろそろ切るぞ?

睦月

うん。ありがとね

睦月

おやすみ

しゅん

おやすみー

しゅん

通話終了

通話
15:26

電話を切り、訪れた静寂の中、しゅんの頭の中では睦月の言葉が反芻(はんすう)していた。

「大好きだよ」

この言葉に妙な響きを覚えたのは、果たしてただの気のせいなのか。

いつものように冗談めかして笑ったが、今になってほんの少しの違和感が喉の奥につっかえていることに気づいた。

目を瞑って、そのことに頭を巡らせている内に強烈な眠気に襲われたので、その日はそのまま眠った。

翌日

睦月

おはよ!しゅん

しゅん

あぁ、おはよ

昨日のことが嘘だったかのように、睦月は元気だった。

しゅん

お前、もう吹っ切れたのか?

睦月

まあね!落ち込んでばっかじゃ仕方ないし

にひひ、と微笑む睦月の様子に、しゅんは少しだけ安堵した。

睦月

それに、今はもっと
大事なものに気づけたんだ

睦月

もちろん、しゅんのおかげでね!

しゅん

そうか。良かったな

しゅん

なら焼きそばパン奢りで

睦月

へっ…?

しゅん

ふはは

睦月

何その笑い方…

睦月

まあ、昨日電話してきてくれたお礼もあるから全然いいよ。

しゅん

んじゃ、昼飯ん時よろしく

睦月

うん!

そう言ってはにかんだ後、睦月は踵を返して自分の席に戻った。

第三話へ続く

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