コメント
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お〜‼︎面白いです‼️続き待ってます‼︎
ハラム
ハラム
ハラム
俺は、今、城へ忍び込んでいる。 警備を掻い潜り、ここまで来た。 目的はここの殿様を殺す。 そして、殿様の刀を奪う。 殿様の刀は珍しい鋼で作られており、鬼の首もたちまち切れるのだと言う。 そんな迷信があるわけない。 だけど、親父からの命令だ。 従うしかない。 俺は忍だ。 家は、忍の家系で、九人の兄弟がいたが、もう六人が死んでしまった。 今日は俺と、もう一人の弟と城へ忍び込んでる。 殿様の部屋の天井まで来た。 屋根裏の隙間から覗くと、殿様がすやすやと寝息をたてて寝ていた。 俺は毒を塗ったくないを殿様の頭めがけて投げた。 殿様の頭が揺れ、黒いアンテナが刺さった。 俺はすぐに、屋根を脇差しで人が一人通り抜けられる穴を作った。 部屋に忍び込み、立てかけてあった、刀を見た。 不思議な形だった。 まるで、包丁のような形をして、ちょうど刃の真ん中に、ぽっかりと穴が空いてあった。 それが二本。 二刀流なのか?こいつは。 俺は刀を手に取り、穴を覗いてる弟に合図をして投げた。 弟が刀をつかみとったはずだった。 ガシャァ! 刀が大きな音を立てた。 弟が落としてしまったのだ。 「どうされましたか!?」 ドタドタと音がする。 クソ! 俺は刀を持って隠れた。 弟が焦っているらしく、遠くでドタバタ音をたてていた。 「上にいるぞ!」 誰かが言った。 「突けー!!!」 ドス!ドス! 弟のドタバタ音は、消えてなくなった。 「うわ!血じゃねえか!気持ちわりぃ!」 その言葉で察した。 「殿!!大丈夫ですか!?」 一人が部屋の戸を開けた。 「死んでるぞ!」 男が言った後、すぐ、男は出ていき、仲間に知らせに行こうとしてた。 幸い、上の穴に気づかなかった。 俺はすぐに、上に上った。 ツンと血の臭いがした。 そこいたのは弟だった。 指先に血がついていて、「兄ちゃんごめん」 血で書かれた文字があった。 屋根裏は埃まみれで、血を吸って、重くなり、舞わなくなった埃がそこらじゅうに散らばっていた。 もう兄弟が二人になってしまった。 俺は弟を置いて、城を出た。 城にはやはり、叫び声が聞こえる。 隠れ家にむかい、親父に報告した。 弟の事も、任務成功の事も。 刀を渡すと、親父は「形が不細工だ。これでは売れない。」 俺は心の中で怒った。 そんなことのために弟が死んでいったのだ。 刀を俺に投げてきて、「お前にやる。」と言って、酒を飲んだ。 俺はなんのために弟を置いてきたのか分からなくなった。 翌日 兄弟が二人になった事により、いっそう訓練が厳しくなった。 そのお陰で俺は握力は、林檎を握り潰せるほどに成長した。 けれど、問題は俺の二つ下の弟だ。 弟は、親父の複写だ。親父と全く同じ考え、言動。 部下は駒。 妻も、跡継ぎを産むためなら死んでもいい。 本人の意志は尊重しない。 ひたすら無機質。 俺は絶対にこいつらのようになりたくはなかった。 数週間後 俺は町に買い物に出掛けた。 町を歩くと、きらびやかで、派手な衣装を着てる女がたくさんいた。 俺らは忍だ。 闇に隠れなきゃいけないため、いつも黒い服を着させられている。 だから、俺は、派手に一層執着があったのだろう。 派手な服と、可愛い嫁さん。 一緒に手を繋いで、出掛けて・・・ けれど、忍にはそれはできない。 俺らの家系は代々くの一を嫁に貰っている。 だから、俺も、弟も、嫁さんが勝手に嫁いでくる。 彼女たちにも、好きな人くらいいるだろうに。 俺は食材と、雑貨を積めた鞄を持ち、帰りの道のりを歩いていた。 「こら!須磨!あんた、また皿を割ったね!」 「ごめんなさーい!許して!ねぇ!」 「そんなんで立派なお嫁さんになれんの?」 「まぁまぁまきをさん。そんなに怒らない。怒らない。」 「雛鶴さん!それじゃあこの子どうすんのよ!」 彼女たちが家の前で喧嘩をしていた。 とても綺麗な三人組だった。 心拍数が上がった。 顔も熱い。 彼女たちから目が離せない。 昔、死んだ兄弟から聞いたことがある。 「なぁー天元、知ってる?人ってさ一目惚れをすると、急に体が熱くなって、胸がドキドキして、不思議な感覚になるそうだぜ。不思議だよなー。」 これが一目惚れなのか? 俺は三人に話しかけてみた。 今まさに、敵の牙が彼女達を狙っていることに。 俺は知るよしもなかった。 祭りの神が奏でたい音 前編 完