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やっと…目が覚めた…
今日はなんだか…変な夢だったな
…あの男の子は誰なんだろうか
そんな事を考えながら、時計を見る
4:35
起きるにはまだ早いような時間
ふと枕元のスマホに目を落とす
すると、「緊急」という言葉が目に入った
すぐにメンバーのチャットを開く
すると、俺を含めた二人以外の四人のメンバー以外が通話に上がっていた
どうしたのだろう、と通話に上がる
端末の音量を上げていた事もあるが、 メンバーの今まで聞いたことないような焦った声が一気に聞こえてくる
俺が通話に上がった事に気づかないメンバー
それほど焦っているのだろう
俺は声をかけて良いのか迷っていると
ある一人のメンバーが俺の存在に気づいてくれた
こさめ
LAN
暇72
すち
LAN
LAN
LAN
いるま
その時初めて、俺は
みことが交通事故に遭った事を聞いた
通行人曰く、子供が轢かれそうになったのを助けたんだと。
いるまは今病院に着いて、メンバーが着くのを待っているらしい
医者からの説明はみことの親の代わりに俺達が受ける
みことには親が居ない
過去に、そう本人から聞いたことがあった
そもそも、こんな時間にみことは何をしていたのだろう
勿論、その子供も…
子供が出歩くような時間ではない
親と一緒だったのだろうか ならその親は助けようとしなかったのか…?
そんな事を考えていると、こさめに話しかけられた
こさめ
LAN
冷静…ね
すち
すち…庇ってくれてんのかな
なんか…申し訳ないな
我慢…してるわけじゃないんだけどな
暇72
LAN
寝た気がしないとはいえ、眠っていた事に変わりはない
いるま
LAN
すち
LAN
暇72
いるま
いるま
こさめ
そう言って、いるまは通話から落ちた
俺は服を着替え、財布とスマホを持って外に出た
外はまだ暗く、月が際立って光ってた
通行人
LAN
見知らぬ人から急に声をかけられた
なんだろうと思い首を傾げる
通行人
LAN
女性から見せられたのは、シクフォニ六人が写った写真だった
LAN
みんなでグループを組んで…その記念に撮った写真
あいつらにとっては、宝物同然の写真だろう
でも俺は…
LAN
通行人
通行人
通行人
LAN
女性から受け取った写真をポケットに突っ込み、みことの病院に向かう
病院に着くと、俺とみことを除いた四人のメンバーが揃っていた
こさめ
いるま
LAN
医者
医者からみことの事故の原因や、車の走行者について話された
子供はそんなに大きな怪我はしなかったらしいが、ショックが大きく休んでいるそう
みことも打ち所がまだ良かったから致命傷にはならなかったと。
こさめとなつは泣いていて、いるまとすちは溢れる涙を堪えていた
俺はと言うと…
LAN
特に何かを考えているわけでもなかった
悲しいとか、辛いとか
正直そんなに…って感じ
感じていない訳では無いけど…
今後の活動の事にしか頭が行かなくなってしまう
結構辛辣かもしれないけど…正直な俺の感想
どうでもいい
こんな事を言ってしまったら…俺は終わりだろうね
メンバーから、リスナーさんから嫌われ、軽蔑される
"人間じゃない"と。
俺だってこんな事思いたくて思っているわけじゃない
そう…思うしかないだけ。
説明が終わり、みことの病室に通される事になった
こさめ
すち
暇72
いるま
みんなこの現実に耐えきれていない
なんで"みこと"がって
そもそも、何故こんな時間に外にいたのか
なんで子供を助けるという善い行いをしておいてこの仕打ちなんだと。
…あぁ
俺も…
大事になっていれば…心配されていたのかな…
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