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恋樺
712
ユイ
188
如月 久柚⌛🍊
397
松田深緒
目を覚ますと、見慣れない天井が目に入った。
ぼんやりとした視界。 鼻につく消毒液の匂い。
松田深緒
まぶたが重い。 身体が思うように動かない。
ここはどこだろう。
そう思った瞬間、脇腹に鈍い痛みが走った。
松田深緒
そこでようやく思い出す。
海。 倉庫。 ナイフ。 それからー
松田深緒
その時。 右手が温かいことに気づいた。
誰かに握られている。
深緒は視線を落とした。
そこにいたのは。
松田深緒
降谷だった。
ベッドへ突っ伏すように眠っている。
握られたままの手。 金色の髪。 皺の入ったスーツ。 ネクタイも緩んでいる。
深緒はしばらく見つめた。
松田深緒
ゆっくり。空いている左手を持ち上げる。
腕が重い。 でも、少しだけ伸ばした。
降谷の額へ落ちていた髪に触れ、そっとどける。
降谷は起きない。
近くで見ると、目の下の隈が酷かった。
顔色も良くない。
髭まで少し伸びている。
松田深緒
掠れた声で呟く。
返事はない。当然だ。
それから、握られた右手を見下ろす。
ずっとここにいたのだろうか。
そう思い、胸の奥が少し痛んだ。
松田深緒
ゆっくり息を吐く。
そして小さく呟いた。
松田深緒
その瞬間。 降谷の肩がぴくりと震えた。
深緒が目を瞬く。
ゆっくり、降谷が顔を上げた。
まだ夢を見ているような顔だった。
ぼんやりとした視線。 そして。
深緒と目が合う。
降谷零
時間が止まる。 呼吸すら忘れたみたいに。
松田深緒
深緒は少しだけ笑った。
降谷零
返事がない。
ただ見ている。深緒を。
本当にそこにいるのか確認するみたいに。
深緒は困ったように笑う。
松田深緒
その瞬間。
降谷の目から涙が落ちた。
一滴、また一滴。
声は出ない。 でも。止まらなかった。
松田深緒
深緒は目を見開く。
降谷が泣いているとこなんて、初めて見た。
いつも余裕があって。 何でもできて。 強くて。 そんな人だと思っていた。
なのに。
今目の前にいるのは、ただ安心したみたいに泣いている人だった。
松田深緒
降谷零
ようやく出た言葉はそれだった。
深緒は少し笑う。
松田深緒
降谷零
松田深緒
降谷は目を閉じた。 震える息を吐く。
そして、握っている手へ力を込めた。
松田深緒
松田深緒
深緒は少し迷う。
それから。天井を見る。
松田深緒
降谷は静かに聞いていた。
松田深緒
少し間が空く。
松田深緒
降谷の目が揺れた。
深緒は微笑んだ。
松田深緒
降谷零
松田深緒
深緒は笑う。
松田深緒
降谷零
松田深緒
病室が静かになる。 しばらくして深緒が口を開いた。
松田深緒
松田深緒
降谷零
深緒はゆっくり目を閉じた。
松田深緒
松田深緒
降谷零
深緒は目を開け、微笑む。
松田深緒
降谷零
降谷が目を丸くした。
松田深緒
降谷零
松田深緒
少しだけ笑う。
松田深緒
降谷が目を逸らした。 その反応で嫌な予感がする。
松田深緒
降谷零
松田深緒
降谷零
松田深緒
思わず声が出た。降谷は真顔だった。
松田深緒
降谷零
松田深緒
降谷零
深緒が絶句する。
その反応を見て。 降谷はようやく、少しだけ笑った。
しばらくして、病室に静かな沈黙が落ちた。
規則的な電子音。
深緒は天井を見つめた。
ぽつりと呟く。
松田深緒
降谷が顔を上げる。
降谷零
松田深緒
深緒は少し笑った。 力のない笑みだった。
松田深緒
降谷零
松田深緒
そこで言葉が止まる。
視線を落とす。
松田深緒
松田深緒
降谷は何も言わない。深緒は続けた。
松田深緒
降谷の表情が僅かに動く。
松田深緒
松田深緒
松田深緒
降谷零
降谷はしばらく何も言わなかった。
否定もしない。慰めもしない。 ただ静かに聞いていた。
やがて降谷が小さく息を吐く。
降谷零
松田深緒
降谷零
降谷零
深緒の指先が小さく震える。
降谷零
降谷零
降谷零
そこで少しだけ苦笑する。
降谷零
深緒は俯く。
やっぱりそうだったんだ。 そう思った。
でも次の言葉は、予想と違った。
降谷零
降谷零
深緒が顔を上げる。
松田深緒
降谷零
病室の空気が止まった。 降谷は視線を逸らさない。
降谷零
降谷零
深緒の呼吸が止まる。
降谷零
降谷零
降谷零
松田深緒
降谷零
降谷は少し笑った。
降谷零
降谷零
深緒は言葉を失う。
何かを言わなきゃいけないのに、上手く出てこない。
沈黙。長い沈黙だった。
深緒は握られた右手を見つめる。
松田深緒
小さな声。
松田深緒
そこで言葉が止まる。
怖かった。 その答えを聞くのが。
でも本当は
松田深緒
松田深緒
ずっと、聞きたかった。
降谷零
返事は一拍置いてからだった。
降谷零
降谷は少しだけ笑う。
疲れたような。安心したような。 そんな笑顔だった。
深緒の目が揺れる。
降谷零
降谷零
松田深緒
深緒は何も言えなかった。 ただ、握られた右手を少しだけ握り返す。
それだけで、降谷は目を細めた。
まるで。その小さな力だけで、十分だと言うみたいに。
コメント
7件
ちょっと語尾ハート消すために(テラルレで出ちゃった☆)ハート出しまくるわ♡ ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ …ふぅ… 神過ぎん!?あの完璧ゴリラが泣くんだよ!?それでもって深緒の「兄と研二に追い返された」発言+手を握り返す描写でもう感動…!! 降谷の状態の変化に気づく深緒も9日眠ってた深緒のそばにいた降谷もお互いを大事にしようとしてるように見えて最高だった…(泣) これからも頑張れ!

よかったぁ〜無事で🥹九日も寝てたのかぁそりゃそうだよねあんな状態だったもん🥹深緒のただいまがめっちゃ泣けたよ😭深緒がお兄ちゃんと研二に会ったって話した時追い返されちゃいましたって言った後零くんがあいつららしいですねって会話好きだし泣けた😭投稿ありがとうございます🙏今回も最高でした💖続きも楽しみに待ってます👍