David memory

昔の彼女は，とにかく運が悪かった

肥沃ゆえ，多くの国々の侵略を受け，ついに

散り散りになった

その後も，大変だった

あいつさえいなければ

あいつを消せ

暖炉が冷たい

少女の感覚はだんだんと消えていった

どこに行っても蔑まれる

そんなの耐えられなかった

新大陸

とうとうここまで散ってきた

やめろよ

輝かしい光だった

まるで一番星みたいで

堰を切ったように，淡い空色の目が曇り，雨が降り出した

静かだった

声も出さず，ただ雨は滴った

お前のせいだろ！ いい加減にしろ！ ずるがしこいやつね

今にも泣きそうな顔して立っている，キミがいた

ずっと，なにを言うわけでもなく，ただそこにいた

すりガラスみたいに曇って半透明になった，キミ

わからないし，言葉にできないけど，苦しみが伝わってきた

そう言った時

驚いた目に，輝く魚眼石のようなものを感じた

力なく灯った光に，釘付けになってしまった

なんて言えない

この空色が曇らないように

ずっと守りたい