僕が先生

授業中

今は数学の授業だ

自分の最も嫌いな科目で、勉強嫌いな僕にとって人生最悪の時間

眠いし早く終わって欲しい

キーンコーンカーンコーン

ガラガラガラ ガシャンｯ

生憎僕にはこのクラスに友達が居ないため、1人で考えなければならない

前にもこの時間があったが、前のはすぐ解けた(ラッキー)

放課後

徐々に問題が解ける人が増えていく中僕はまだその仲間に入れない

分からなさすぎて考え方が病んできた

そして時が過ぎ、解けてない人が僕だけとなった

今日はお泊まりかな…泣

ガラガラガラｯ

驚いた表情をしつつ、少し笑い気がある顔で教室に入ってきた1人のクラスメイト

そう言うと彼は僕の席の前の人の椅子を借りて座る

クラスメイトが分かりやすく教えてくれたため、僕は無事問題を解き終える事が出来た

ポンｯ

頭を撫でられ、顔が赤くなる自分

それに対して茶化してくる彼

彼には感謝しきれないほどのありがたさを込めた

返ってきた返事は爽やか笑顔

ガラガラガラｯ

バックを持って帰る準備をし始める

トンｯ(デコピン)

おっしゃる通りです

真剣な顔で教えてくれている

コツンｯ

おでこがぶつかる

そのまま何も気にせず進めていく

…気づいてないのか？

弟にいつもしているせいか、悪戯心が芽生える

ギュｯ

目の前には顔を真っ赤に染めている彼がいた

少し調子乗っちゃったかも

あまり友達も作ってこなかったから分かんなかった

難しいな…友達って

無事に合格は貰えた

やっとか笑…と、笑われたけど

ガララｯ

…なんで。

ギュｯ

彼の何気ない優しさに少し泣きそうになってしまった

さっきの雰囲気、帰ってると思ったのに…

ギュｯ

ちゅｯ

小さなリップ音が教室に響く

ガラガラガラｯ

…

ガラランｯ

カーテンの中

ちゅｯ

これはたった1つの青春。

友達の作り方も、勉強も、恋愛も分からない僕を、きっとリードしてくれるのは僕だけの先生。