前の席にはちょっぴり気になっている橘さんの長い黒髪が揺らめく。
翼
おはよー。ルイ
ルイ
...はよー
翼
なー、お前を見るためにまた他のクラスの女子来てるぞ。ほんと勘弁してくれって感じだよなー
翼
俺だってキャーキャー言われてみてーよ。
ルイは、一人で黙々と読書をするが寂しさを表すことのない橘さんをみつめる。
ルイ
(学校ってつまんないよな。。。まぁでも橘さんのこと見るために来るけど。)
翼
おーい。ルイ。俺の話聞いてんのかー?
ルイ
(なんの本読んでんだろ。っふふ、橘さん、本読んで一人で笑ってる。楽しそう…)
翼
ルイ、さすがに1人でぼーっとしてると思ったらにやけ始めるの控えめに言ってきもいぞ。。
ルイ
ああ。ごめん。
翼
お前、毎日どこ見てんだよ…って橘さんか?
翼
美しいもんなー!
ルイ
翼なんかに分かるのか?
翼
分かるに決まってんだろ!まさか、橘さん狙ってるのか⁈
翼
っよし!俺が話しかけてくるぜ!
ルイ
いやいや、そういうわけではないって!勝手なことすんなよ!
翼
橘さーん。おはよー!俺、出席番号12番の城山 翼です!
翼
こっちは親友のルイ。イケメンだろ?
橘さん
おはよう。ふふ、よろしくね。
ルイ
(うわ///やばい。微笑みでやられる////)
橘さん
二人とも、話すの初めて…よね?
橘さん
仲が良さそうで楽しそうね。
ルイ
いや、別にこいつがついてくるだけですよ。
翼
ちょ、おいおいおい、その言い方はひでーよー。ま、いいや!それじゃあな!
橘さん
ええ。
執事
坊っちゃま、今日は何か良いことでもあったのですか?
執事
頰がゆるんでらっしゃいますが…
ルイ
べ、べ、別に気になっている人と話したとかそんなことねーよ///
執事
(ふふ、ついに坊っちゃまも好きな人が…)
執事
そうですか。失礼いたしました。
メイド
おかえりなさいませ。ルイお坊っちゃm…
ルイ
あ、今日のディナーはもっと遅くていいから!
ルイ
あと、部屋に用もないのにくるなよ!
ルイ
僕は、大切なことを今からするからな!
メイド
かしこまりました。
ルイ
ふー、今日は良い日だったなー
ルイ
あの橘さんと話せたし間近で笑ってるとこ見たし///
ルイ
この勢いでLINEとかおくってみるか?いや、さすがにきもいか…
ルイ
いや、でも今日逃したら多分ずっと話せないままだ!
ルイ
えーい!僕は送るぞ!
覚悟を決め、橘さんにLINEを送ることにしたルイ。
ルイ
こんばんは。いきなり話しかけてごめんね、これからよろしく!っと。