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獣たちと契約せし日
8話:主の来訪
魔導巡回車の揺れは、規則的だった。
一定の振動。
窓の外に、黒い城壁が見えてくる。
高い。
継ぎ目の見えない黒石。
その表面を、球体上の監視魔導機構が 静かに飛んでいる。
淡い光が、車体をなぞった。
レオ・ティグリス
レオが窓越しに目を細める。
レン・フォクシア
余裕のある声音。
レン・フォクシア
こつ。
肩にやわらかい重み。
ユイ・ラビエル
ユイが、そっと頭を預けている。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
ユイ・ラビエル
ユイ・ラビエル
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
ユイ・ラビエル
小さく息を吐く音。
しばらくして。
車体が減速する。
ごとり、と重い振動。
運転手が告げる。
運転手
ユイがゆっくり体を起こす。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
ユイ・ラビエル
扉が開く。
冷たい空気。
整列する兵。
黒と金の鎧。
その視線が、一瞬こちらを測る。
レンが一歩前へ出た。
兵士
兵の声は事務的だった。
レンは黒い封筒を取り出す。
レン・フォクシア
軽い言い方。
けれど視線は鋭い。
兵が封蝋を確認する。
沈黙。
兵士
低い号令。
巨大な門が軋みながら開く。
重い振動が足元に伝わる。
レン・フォクシア
レンが自然に歩き出す。
俺たちは続いた。
門の先は広い中庭だった。
黒石の敷石。
中央に王紋の刻まれた円形広場。
その奥に、本棟。
棟が幾重にも重なる。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
見上げそうになる。
レオ・ティグリス
レオの声が静かに響く。
階段が現れる。
長い黒石の大階段。
五人で、間隔を保ったまま上る。
足音が揃う。
ユイが横から小さく言った。
ユイ・ラビエル
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
ユイ・ラビエル
くす、と小さく笑う。
やわらかい声。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
ユイ・ラビエル
階段を登りきる。
巨大な正面扉──
は通らない。
案内の兵が横へ逸れる。
兵士
側廊へと入る。
長い廊下。
高い天井。
深い藍色の絨毯。
細長い窓から指す光が、 床に細い線を落とす。
歩く。
ゆったりと。
誰も無駄口を叩かない。
曲がり角を二つ。
さらに奥へ。
空気が、変わる。
兵が足を止める。
最後の門。
黒と金の装飾。
重厚な両開き。
兵士
兵が淡々と話す。
扉に手がかかる。
軋む音。
ゆっくりと開く。
暗い。
奥が見えない。
俺は一歩、踏み出す。
その瞬間。
何もない空間から──
ばあああああああああああ!!