約200年前
桜が散る時に美しい女性が村へ参った
女性は白の髪に、白色の着物を着ていた。
男達は彼女の美しく整った顔だけに、話しかけたかったが、言語の壁があったら?と思い、ただ見つめるだけだった。
だがある男が彼女に話しかけに言ったのだ
あんたどこから来たんだ?
女は驚いた顔をし、男の顔を見る。
私は、、
……分かりませぬ、気づいたらここにいたのです
ゆっくり、優しく日本語を喋る彼女。 周りにいたもの達は、話しかければよかった、と思い残念な表情をした
なんじゃあそれ、記憶がないってことかあ。
うーん、、家も分からないのか?
分かりませぬ、私の名前も、、、
そう言うと、彼女は悲しそうに帯を握りしめ、うつむいた。
全く…泣かんでもいいだろう!
あぁそうだあんた腹減ってるか?
すっ……空いてます…
よし、ならわしが作ったろう!
……え?
さぁこっちだ、姫君には似合わないような飯しか出せんが味は確かだ!
で、でも
突然の出来事に少し警戒したかのように、男を見つめる。村のもの達もジッと男を見つめる
……あぁ!大丈夫だなぁんもせん!俺は女なんざ要らんからな!飯だけ食えりゃあいいんだ!
にっこりと笑う男は彼女の心を震わせた。なんと優しい笑顔なのだろう。と
……お願いします!
よぅし、美味いもん食わせたるからな!
村のものは彼を睨む。
絶対になにかする。 体目当てだ、俺の方がいい男だ、独り占めかなどとコソコソと言われた。
だが男は何も気にしておらず、ただ飯を作るということだけに脳がいっぱいいっぱいだった。