その辺に座っといてくれ
は、はい
粗末なもんしか出せんがな、ほれい
ありがとう…ございます
うめえか?
出された食べ物は全て冷たい。 だけどどこか温かさを感じる。
美味しいです…!
そりゃあ良かった!
そうだそうだ、寝床がないな
ハッとした顔をして、うーんと唸る彼。
いえいえ私床で寝ますゆえ…!!
それでは体が痛くなるだろう!羽織るもんどっかにあった気がするんだがな
おぉあった、これ寝る時に羽織るんだ
貴方様は…?
着ているのがあるからいい!
そんじゃあそれ食ったら今敷いたここで寝てくれ
はい!
彼女は彼と出会ってからは 飯を食べては寝ての生活を繰り返していた
だがそれは彼女が望んだことでは無い。
彼が望んだことだ。
それはなぜだか分からない。
そうしてまた次の夜が来る。
なあ
どうしたのですか?
あんたのことすきになっちまったんだ
夜を感じるような風が部屋に入る。
……
いきなり…ですね
分かってる、けど好きなんだ。
……
なんとも言えない感情になってしまった。 この感情に名はないだろう。 ただただ、なんとも言えない。そんな感情が彼女の心に渦巻いた。
……私でよければ
彼女は彼の目に毒されたのかもしれない。 彼女を真剣に見つめるその目に。
本当かあ!
よぅし!!今日は特別な日だ!少ないが酒を用意しよう!
私は彼の喜ぶ姿を見て、もうどうでも良くなった。 なんとも可愛らしいのか。
少し待ってておくれ!すぐに用意する!
……えぇ、待っています
彼となら、私は人生を歩んでも━━━。