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一番星のキミに恋するほど切なくて。

一番星のキミに恋するほど切なくて。

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一番星のキミに恋するほど切なくて。

♥

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2021年10月29日

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宮舘涼太

ーガチャ、ガチャッ……キィィ。(開く音)

宮舘涼太

「入れ」

阿部亮平

「お、お邪魔します………」

阿部亮平

僕は涼太さんの家に居候させてもらうことになった。涼太さんに促(うな)がされるまま中に入ると、シンプルな部屋。
物が少なくて、必要最低限しか置いてないような感じだった。

阿部亮平

「わぁ……」

阿部亮平

マンションだけど、とても広い。
モノトーンで統一されているから、大人の男の部屋って感じだった。
しかも、全てが綺麗に整頓(せいとん)
されている。
涼太さんってA型なのかなぁ……。
物が少ないからだとは思うけど、男の人の家ってもっと汚いイメージがあった。

宮舘涼太

「……亮平、いつまでそこにいるつもりだ?」

阿部亮平

口を開けたままポカーンとしている僕を、涼太さんはあきれたように見ている。
また気づかれないうちに自分の世界に入り込んでいたみたい。
それより、なにより……。
涼太さん、僕のことを呼び捨てで呼んでいる。
たしかに、僕の名前しか言ってないから、必然的に名前で呼ぶことになるんだけど……。
それってなんだか…恋人同士みたい…。

宮舘涼太

「……亮平」

阿部亮平

「わっ」

阿部亮平

早くしろ、と涼太さんが訴えてきた。

阿部亮平

「ごっ…ごめんなさいっ……」

阿部亮平

僕はタタタタッと涼太さんに駆けよった。

阿部亮平

「り、涼太さんって綺麗好き?」

阿部亮平

僕は気をそらせようと、部屋を見渡しながら尋ねる。

宮舘涼太

「べつにそういうわけじゃないけど。
あまりここには帰らないからな」

阿部亮平

そう言って涼太さんは、僕の荷物を床に置いた。
ここまで涼太さんが僕の荷物を持っていてくれていたのだ。

阿部亮平

「…なんで、あまり家に帰らないの?」

阿部亮平

涼太さんの家は綺麗だけど、生活感が感じられなかった。
なんだかさびしい部屋。
それに、ひとつしかないベット……。
ひとり暮らしなのかな……?

宮舘涼太

「……いろいろ忙しくてな」

阿部亮平

涼太さんはソファに腰かける。
そしてタバコに火をつけた。
忙しいって、本当、涼太さんは何者なんだろう。
それにタバコ吸うんだ……。
居候させてもらうんだしもっと涼太さんのこと知りたいな。
僕も涼太さんの隣に座ると、ギシッと
ソファのスプリングが鳴った。
隣に腰かけた僕を、涼太さんは目を見開いて見つめている。
そして、くわえていたタバコを落とした

ージュッ(やける音)

火がついていたため、じゅうたんが少し焼けた。

阿部亮平

「えっ……あっ………じゅうたんが!!や、焼け……焼けっ……み、水〜っ!」

阿部亮平

僕は急いでキッチンに向かい、その場にあったふきんを水で濡らした。
よくしぼってから、焼けたじゅうたんに駆けより、ふきんで押さえる。

阿部亮平

「じゅ、じゅうたん家事がおこるとこ
だったぁ……」

阿部亮平

居候初日にして、家を失うとこだった!!
ホッと息をついて、額の汗をぬぐう。

宮舘涼太

「おー……手際いいな」

阿部亮平

涼太さんは感心したように言う。
涼太さん……。感心してる場合じゃないんです。
なに、のん気に見てるんですか。
涼太さん、絶対ひとり暮らしできない。
いや、しちゃいけません!
気づいたら、家と一緒に自分も燃えてる
パターンだよ。

阿部亮平

「…………………………」

阿部亮平

無言で涼太さんを見つめる。
口に出しては言えないから、目で訴えよう。
*火にさわるのはやめてください*

宮舘涼太

「……なにか言いたそうだな」

阿部亮平

以心伝心!!
僕がなにか言いたそうだって気づいてくれた。

阿部亮平

「えと、いつもタバコ吸ってるの?」

阿部亮平

毎日吸ってたら、体に悪い。
それに家にひとりでいたら危ないよ、
涼太さん。

宮舘涼太

「……あ? あぁ……ほぼ毎日吸ってるな。ないと落ちつかない」

阿部亮平

忙しいって言ってたし、ストレスたまってるのかな。
毎日吸わないと落ち着かないって、相当忙しいんだ。
涼太さんの体が心配だよ。

阿部亮平

「涼太さんは何歳なんですか?」

阿部亮平

すごく大人っぽいから、僕より歳上なのは確実なんだけど……

宮舘涼太

「18」

阿部亮平

「えっ!?」

阿部亮平

もっと歳上だと思ったのに!!
たったひとつしか変わらないなんて…
じゃあ涼太さん、高校生かもしれないってこと?

宮舘涼太

「……なんで驚く」

阿部亮平

怪訝(けげん)そうに僕を見る涼太さんの視線には気づかないふりをした。

阿部亮平

「……えーと、もっと歳上だと思ってたら」

宮舘涼太

「老けてるってことか………?」

阿部亮平

僕はあわてて「ちがう」という意味をこめて、ブンブンと首を振った。

宮舘涼太

「お前、いくつだ?」

阿部亮平

「17……」

宮舘涼太

ふーん、1個したか

阿部亮平

えっ、何も言わないんですか涼太さん
もしかして、、17と思ってないんじゃ

宮舘涼太

まぁ、多少は

阿部亮平

やっぱ高校生って思われてないんだ

宮舘涼太

まぁ、可愛いからいいんじゃない?
ぽんぽん(頭なでる)

阿部亮平

(照)やっぱりこれ、涼太さんのくせなのかな

阿部亮平

「そういう涼太さんは18に見えないよ! 高校生……ってこと?」

宮舘涼太

「……そうだ、高3」

阿部亮平

あ……やっぱり高校生なんだ。
何度見ても高校生に見えないのは、
なんでだろう。
涼太さんのこのおちつきすぎてるクールな雰囲気のせい?

宮舘涼太

「高校生が家出して平気なのか?」

阿部亮平

ドキン。
僕が考えていると、涼太さんが1番触れてほしくないことを訪ねてきた。

阿部亮平

「……えっ……と……」

阿部亮平

なんて説明しよう
一応僕は病気だから、学校は休学になっているんだけど……。

阿部亮平

「……出席……停止、みたいな……?」

阿部亮平

我ながらいい言い訳だ。
みたいなって……。

宮舘涼太

「なにか、しでかしたのか?」

阿部亮平

「う、うん……まぁそんな感じかな…」

宮舘涼太

「……そうか」

阿部亮平

あ……ごまかせたみたい

阿部亮平

「涼太さんこそ、高校生なのにひとり暮らしなの?」

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