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コメント
1件
めっちゃ好きです、!!! 続き楽しみにしてますっ!
⚠︎yaur
na
サークルの部室で、 ひとつ年上の na さんが珍しく必死な顔をしていた
ur
na
na
naさんは手に持っていたスマホを俺の方に向ける。画面にはライブのチケット
na
言い訳のようにつらつらと言葉が出てくる
ur
na
ur
na
ur
na
ur
正直、アイドルに興味はなかった
アイドルはもちろんバンドのライブにすら行ったことがないし、人が集まる場所も得意ではない
でも、ここまで困った顔で懇願されると、断るのも少し気まずい。それに、naさんには三年間お世話になってるし行くだけなら、と思い
ur
na
勢いよく頭を下げられ、感謝される。良いことをした気分になった
ur
ur
na
そう言われても、特別なことをするつもりはなかった
ただ行くのは、 ファンにもアイドルたちにも失礼だと思ったから
それに、何も知らないままは落ち着かないから
その日の夜、とりあえずグループ名を検索する
ur
グループ名だけでも、ライブ映像や切り抜き動画が山ほど出てきた
何となく目に留まった動画を再生する
派手な照明、揃ったダンス、 黄色い歓声
第一印象は遠い世界の人間だと思った。自分とは縁のない場所
一通り動画を漁っていると、 途中で指が止まった
一人のメンバーが客席に向かって手を振っていた。歌っていない瞬間もファンをちゃんと見ている
笑い方が柔らかく、自然と目がいく。動画の概要欄に名前が表示されていた
──jpp
気づけばその人の動画ばかり見ていた。ファンサ集、 トークシーン、 切り抜き動画、 同じ動画を何回も見直して、ようやく気づく
ur
声に出した瞬間、 少しだけ恥ずかしくなった
ライブ当日、新幹線の中でまた動画を見る。誘われた日から毎日動画を漁っていたからか、メンバーの名前や性格、年齢、グループの掛け声など一通り覚えてしまった
『after peach』 有名アイドルや歌手が多い、事務所からデビューした五人組グループ。 グループ名に込められた想いは、“桃のあと“=一番甘い瞬間のあと 桃は熟した瞬間が一番甘いがその期間は短い。でも、このグループはそれで終わらせたくない。「一番輝く瞬間の“そのあと”まで愛してほしい」これが、掲げられている グループのリーダー、jppさん。俺が一番気になっている人で、まさかの同い年。圧倒的なファンサ力やおちゃらけた性格に惹かれるファンが多い。安心感の塊でメンバーから一番信頼されているともファンページで見た グループの長男、 nokrさん。抜けてるけど、兄貴ポジで歳上のお姉さん方から人気があるようだ。グループの中でもかなり変人らしく“ネジ外れ“と言えばnokrさんという方程式まで成立しているほど。それでも、長男らしくグループをまとめる姿は流石としか言えない
グループのムードメーカー、ttnさん。グループで一番明るい彼は、after peachの輝く星としも呼ばれているらしい。歌番組のMCを務めたりと、コミュ力がバケモノ級。メンバー曰く、うるさすぎるのが最大の長所であり短所でもあるそう グループの王子様的存在のhrくん。王子様と言われるのが納得できるほど、とにかく顔面が強い。そして、物凄くカッコいい声で曲を歌う姿にファンは魅了されている。ひとつ年下なのに落ち着いている子だなって思ったのが第一印象
そして、最後にオールラウンダーな末っ子、yanくん。わずか17歳にして、グループの顔的存在。年齢関係なくファンが一番多い、 らしい。ステージの上ではyanくんを見ない者はいないと言われるほどだ。好奇心旺盛で自信家らしく、これからの姿に期待されている
我ながら、after peach を知りすぎた
na
隣から覗き込んできたnaさんが笑いながら言う
na
ur
画面を閉じながらそっけなく返す。でも、否定しきれない自分もいる
会場に着くと、人の多さに一瞬立ち止まる
女性ファンばかりだった。カラフルなペンライト、 名前が書かれたうちわ、高い声の歓声
自分だけ、 場違いな気がする
ur
na
席に着くと、 ステージがよく見えた
なぜか少しだけ胸が高鳴る。その瞬間、会場が揺れ歓声が爆発する。 五人が現れる。自然と目で追っていたのは、真ん中に立つ人、 jppさん。
画面越しとは全然違う。存在感があるのに、どこか優しく会場全体を包み込むような空気。 笑った瞬間、俺の心の中で決まった
ur
自分でも驚くほどあっさりと
さらに歓声が大きくなる瞬間があった。センターでファンサをするグループの顔。 周りの反応で分かる。yanくんか、と
パフォーマンスは確かに凄かった。空気を持っていくほど
ur
素直にそう思う。でも、見てしまうのはjppさんだった
その時、ふと視線を感じた
ur
顔を上げるとセンターの人と目が合った。一瞬、 ほんの一瞬、何故か驚いた顔をしていた
ur
特に意味はなく、普通に目を逸らした。またステージを見るが、 何度か同じ視線を感じた気がした
ライブが終わっても、 しばらく耳の奥に歓声が残っていた
na
ur
率直な感想。アイドルなんて遠い存在だと思っていたのに、 思ったよりも近くて、 ちゃんと人間だった
ur
気づけば名前が口から出ていた
na
ur
na
ur
na
ur
na
ur
スマホを取り出して検索する。さっきまで目の前にいたのに、もう一度見たくなる
そのとき
?
後ろから声がした。後ろを振り向くと、 帽子を深く被りマスクをした男がいた
目で分かる。after peachの顔的存在
yan
低くて静かな声。ライブ時の爽やかな声とは違う
ur
マスクを取ったyanくんは、 口角をあげていた
口元は笑っているのに、 目は笑っていなかった。 何かを試しているような笑顔
その違和感に、 思わず眉を寄せる
ur
少しツンとした声になってしまった。yanくんは一瞬だけ驚いたような顔をしたあと、さらに笑みを深くした
yan
yan
少し間を空けて、 静かに続ける
yan
ur
胸の奥が、なぜかざわついた。笑っているのに、どこか寂しそうなこの人
ur
そう思ったのに。なぜか、その目から視線を外せなかった。
気が向いたら続きを投稿しようと思います