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神歴2019年 3月 1日

岩場の多い荒地を馬車で当てなく彷徨う。

ティリス

…ねぇルゥ

ティリス

お腹すいた

ルゥ

ルゥ

我慢してくれ

ルゥ

もう馬車の荷の中の保存食は食い尽くしたんだ

ルゥ

次の集落か国で補給する

ティリス

それ3日前も言ってたじゃん

素っ気ない物言いが気に食わなかったのかティリスはむくれてしまった。

ティリス

道中の食用植物で凌ぐのも限界なんだけど

ルゥ

贅沢言うな

ルゥ

こんな痩せ細った土地にはろくに動物もいない

ルゥ

(…だがしかし、そんな土地の集落に食料が潤沢にあるわけもない…)

ルゥ

(今回ばかりは少々キツイかもな…)

ティリス

ティリス

…?

ティリス

ルゥ…あれ!

ルゥ

む?

ティリスが指差す先に立派な建物が見えた。

ティリス

集落だ!

ティリス

…いや、あの規模は国!?

ルゥ

(驚いた…)

ルゥ

(こんな地であれほどに栄えている国があるとはな…)

ルゥ

向かって補給とするか

ティリス

いぇーい!!

入国の手続きを取ろうとすると…

入国審査官

いらっしゃい旅人さん!

入国審査官

ようこそおいでなさいました!

入国審査官

さあさあ我が国へ!

入国審査官

案内係がご案内いたします!

ティリス

ごっはん、ごっはん!!

ティリス

後お風呂!!

ルゥ

…おい

ティリス

どうしたのよルゥ

ルゥ

そんな簡単な入国審査でいいのか?

ルゥ

手配書と旅人の照合くらいどこの国でもやってるぞ

入国審査官

構いません構いません

入国審査官

我が国が歓迎する旅人さんには差別を致しません!!

ティリス

素敵!!

ルゥ

ルゥ

そういうものか…?

二人で大衆浴場に行き、汗と汚れを落とす。

ティリス

いやー、気持ちよかった!

ルゥ

地下からの熱い湯を用いて風呂に使うとはな

ルゥ

確かに地の利を生かした産業だな

ルゥ

(ひょっとすると観光業で栄えているのか…?)

ティリス

…もぐもぐ

ルゥ

いつの間に何を食っているんだお前は

ティリス

蒸気で蒸した卵だって

ティリス

ルゥも食べる?

ルゥ

ルゥ

一つくれ

その後、街中で補給を行った。

国民

あ!旅人さんだ!

国民

補給品かい?安くしとくよ!

国民

なんてったって旅人さんだもの!

ティリス

みんな優しくて素敵な国!

ルゥ

(…行き交う人がジロジロ見てくるが、そんなに旅人が物珍しいのか…?)

ルゥ

(栄えているのは観光業のお陰ではない…?)

案内人

さあ、宿に着く前に…

案内人

ここは絶対行った方がいいですよ!

案内人

我が国の教会にご案内します!

ティリス

教会?

案内人

ええ

案内人

我が国の国民はみな熱心な神の信者

案内人

この国の栄え様はその信心があっての事です

ルゥ

(ほお…神国だったのか)

ルゥ

(神の奇跡で栄える…)

ルゥ

(興味深い)

ティリス

(ルゥ、この神様のこと知ってたりする?)コソコソ

ルゥ

(我は知らん)

ルゥ

(人智外の事ならなんでも知ってる訳ではないからな)コソコソ

案内人

…?

ルゥ

ああすまんすまん

ティリス

どんな神様なんですか?

案内人

世間一般で布教されている十字神ほどの力はないものの

案内人

この国の人たちを暖かく見守る神様ですよ

ルゥ

ほお、土着の神か

案内人

百聞は一見にしかず

案内人

立ち話もなんですしどうぞお入りください

案内人に誘われるがまま、教会へ向かう。

ティリス

…なんだか不思議な教会

ティリス

ステンドグラスに大きな石像

ルゥ

独特の神楽も流れているな

案内人

我が神様は差別を致しません故

案内人

様々な文化を受け入れるのです

ティリス

…なるほど?

案内人

さあ、今回の観光の大目玉

案内人

教会の特別な部屋にご案内してお終いです!

ティリス

わーわーぱちぱち!

ルゥ

ルゥ

ティリス、帰るぞ

ティリス

えー、なんで?

ティリス

1番の目玉なんでしょ?

ルゥ

いいから!

案内人

(…1人は無理そうだな…)

案内人

(せめてこの世間知らずのガキだけでも…)

案内人

じゃあお嬢さん、走りますけれど付いてきてください

ティリス

はーい!

ルゥ

馬鹿!行くな!

我の制止を無視してティリスは案内人に手を引かれついて行ってしまった。

ルゥ

…はあ…

ルゥ

そうやってすぐに人を信じる…

ルゥ

ティリス!!

当然ティリスを追いかけていく。

ティリス

うわー、真っ暗!!

案内人

ささ、どうぞ部屋の中心へ

ティリス

案内人

じゃあ、明かりをつけますよ

案内人

ティリス

ティリス

これって…

案内人のランプが照らしたのは…

鎖で繋がれた人骨

古い血痕

直視もはばかられるほどおぞましいものに満たされた部屋だったという。

案内人

この国の国民たちは差別を致しません

案内人

どんな思想、経歴、人種の旅人も

案内人

等しく我が神に捧げられるのです

ティリス

ティリス

嫌あっ!!

刃物を持った案内人がティリスに摑みかかる。

案内人

さあ、我が神の元へと向かい

案内人

我が国の民に恵みをもたらしてください

案内人

案内人

「旅人さん」

ルゥ

ルゥ

「pyro」!

詠唱は炎を産み、案内人を包む。

案内人

あああああ!!!

ティリス

あっつ…!

ティリス

ルゥ!!!

のたうち回る案内人から逃れたティリスが駆け寄ってきた。

ルゥ

間一髪だったな

ルゥ

さ、とっととこの狂信者たちの国から出て行くぞ

ティリス

…うん…

教会から脱出すると…

国民

旅人が逃げるぞ!!!

国民

追え追え!!

国民

大人しく神の贄となれ!!

ティリス

みんな追いかけてくる…!

ルゥ

どこからともなくゾロゾロと…

ルゥ

鬱陶しい連中だ

ルゥ

(目を瞑れ)コソコソ

ティリス

…うん…!

ルゥ

「delsole」

魔力が光球を作り出し、宙で弾けて閃光を放つ。

国民

うわあっ!

国民

くっそ、何も見えない!!

ルゥ

今のうちに

ルゥ

馬車まで走るぞ!!!

なんとか追っ手を撒き、国外へと脱出した。

ルゥ

…危なかったな

ティリス

…ガタガタ

ルゥ

…そういつまでも震えるな

ティリス

…あの国は

ティリス

あの国は…なんだったの?

ルゥ

「人身御供(ひとみごくう)」

ルゥ

恵みを受ける、災いを遠ざけるなどの為に人間を神に捧げる事だ。

ルゥ

それ自体は様々な時代、地方である話だが

ルゥ

国民を失いたくないがあまりに

ルゥ

旅人を騙して殺害していた様だな

ルゥ

あの厚遇っぷりも頷ける

ルゥ

何てったって国を豊かにしてくれる

ルゥ

「神さま」みたいなものだからな

ティリス

ティリス

ありがとう、助けてくれて

ルゥ

今更何を言う

ルゥ

あの立派なお屋敷の一番陽の当たらない暗い部屋から救い出した日から…

オレ

…「この大悪魔」

オレ

「ルシフェル・ヴェノムクロスはお前の後見人だ」

オレ

…ねえ、自分でこんな仰々しく書いてて恥ずかしくないの?

悪魔

我の昔の日記を勝手に読むでない!!!

反響が良かったら続きを書きます

悪魔と少女の旅行録

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