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義父
ホソク
スンヒョンの眉毛が ぴくりと動いたのがわかった。
義父
僕を蔑んだような目で見る奴の顔は 一瞬、ナムジュンと重なって見えた。
嫉妬、? 誘ってきた? 僕が? いつ?
心当たりなんて全くない。 誘ったなんて 何のことだか、何もわからない。
ホソク
スンヒョンは僕の体の上から退くと 僕の脚を片方担ぐようにして持ち上げられ うつ伏せにさせられる。
ホソク
ナイフで突き刺すような鋭い痛みが 下半身から、全身を駆け巡った。
ホソク
痛くて、声も出ない。 奥歯を食いしばり、シーツを力いっぱい掴んで 痛みに悶えると、脂汗が滲む。
裂けた、かもしれない。
ホソク
義父
ホソク
義父
ホソク
僕の必死の懇願も意味を成さず 痛みを助長するように スンヒョンは激しく突き動かしてくる。
痛すぎて、頭が回らなくなっていく。
シーツに顔を押し付けて窒息でもしようか もしくは、舌を噛み切って 今ここで死のうかとも考えていた。
義父
ホソク
髪を引っ張られて 無理やり頭を起こされる。
義父
ホソク
義父
言われた通り、ゆっくり頭を後ろに動かすと スンヒョンの唇が僕の唇に食らいつく。
その間も腰の動きは止めてくれず 徐々に速まっていく。
僕から漏れる 喘ぎ声とも言えない悲痛な声は スンヒョンの口へと飲み込まれる。
僕 もう、 どうしよう。
よく分からないけど 悪いのは 自分なのだろうか。
何かが 壊れていく気がする。
義父
そんな声が聞こえ 腰の動きが止まった。
奥に届くように 体重をかけられる。
ずるりと抜かれると 痛みとともに、何かが垂れる感覚もある。
義父
スンヒョンの腕の中で 僕はただ
__に 助けてと、求めていた。
あの時と、同じように。
頭上から降り注ぐシャワー。
泡まみれの浴室。
空になったボディソープが 近くに転がっている。
擦りすぎて 所々が赤くなっている肌。
ホソク
何も考えれないし 何も考えたくない。
ただ、思い切り泣きたかった。
気持ち悪い。 自分が 気持ち悪くて堪らない。
いまだにジンジンと痛むそこは、 さっきのスンヒョンとの行為を思い出させてきて 気が狂いそうだ。
ホソク
べたりと浴室のタイルの上に座って 涙が出てくるままに泣いた。
ジンヒョンに、会いたい気持ちと 会いたくない気持ちが 混在している。
あの時 あいつに抱かれてた時 僕が助けを求めた相手は、 なんで、ジンヒョンじゃなかったの。
自分の心の中が、わからない。
頭の中、ぐちゃぐちゃだ。 もう、何もかも忘れて 空っぽになっちゃった方が 楽になれる気がする。
まともな思考ができない。
でも、ただ一つ、 明確に分かっていること。
キム・スンヒョン こんな奴は 死ねばいい。
ホソク
そして、そいつに 恐怖心を抱いて 言いなりになる事しか出来ない自分も 死んだ方が、いいのかも。
ホソク
取り憑かれたかのように呟いていると ふと思い出した。
あれ、僕はなんで この家に戻ってきたんだっけ。
『ホソギヒョン、今度、いつ来てくれる…?』
そうだ。
ホソク
ひとりで 病気と闘って… 寂しい想いをしてる、ジョングギの為だ。
いくら 僕が、アイツらの事を 殺したいほど憎くても
病気がわかってから今までの 約5年間、 病室の中で過ごしてきたジョングギにとっては 大好きな、家族なんだ。
『こんなに弟想いの兄がいて、ジョングクは幸せものだなぁ。』
行為中に、スンヒョンが言っていた言葉を思い出す。
僕がもし、ここから居なくなったら ジョングギはどうなるのだろうか。
僕がもし、スンヒョンを殺したら ジョングギはどう思うのだろうか。
『ヒョンに…、まかせといて…。』
そう言った時の あの子の笑った顔。
あの子の病気を治せるわけでも 代わってあげられる訳でもない僕が、 ジョングギのために出来ることなんて
これぐらいしか、ないのに。
ホソク
ジョングギのためなら 少しの苦痛にだって 耐えられると思ってたのに。
自分が思っていたより 僕の心は、臆病で弱虫で脆くて… 全然…強くなかったみたいだ。
その日も僕は ナムジュンの部屋に行って ナムジュンのベッドの上で 一緒に寝ていた。
僕より一回りも大きい体に抱き締められるのは なぜだか心地良くて
ナムジュンに背中を向けていた僕は 向かい合わせになるように寝返りを打つと 抱きつくようにナムジュンの体に腕を回した。
顔をナムジュンの胸に寄せると ナムジュンの匂いがして 心臓がドキドキした。
ナム(幼少期)
腕枕していたナムジュンは 僕の肩を抱いて もっと密着させるように引き寄せる。
ナム(幼少期)
ホソク(幼少期)
ナム(幼少期)
僕の髪を梳かすように撫でるナムジュンを ちらりと上目で見る。
感情の読めないその顔は 僕を見てはいなくて 虚空を見つめていた。
ホソク(幼少期)
ナム(幼少期)
ホソク(幼少期)
ナムジュンが僕の頬に顔を寄せた。
ちゅっとリップ音たてて ナムジュンの唇が僕の頬から離れていく。
ホソク(幼少期)
ナム(幼少期)
そう言われた時の僕は どんな顔をしていただろう。
それは、 ナムジュンに聞いてみないと 分からない。
病室に入ると ジョングギの寝ているベッドに一目散に駆け寄って その痩せ細った体を抱き締めた。
ホソク
グク
ホソク
抱き締めていた腕を緩めて ジョングギを見ると ジョングギの帽子が 初めて見る、新しい帽子に変わっていた。
着ている入院着も 高い子供服のブランドの刺繍がしてある。
枕元には クマのぬいぐるみが置いてある。
グク
ホソク
ジョングギの質問には答えず 逆に質問すると この子はニッコリと笑った。
グク
ホソク
グク
ホソク
グク
涙が、さぁっと引いていく。
それは、ジョングギが本当に嬉しそうに笑っているからなのか。
それとも、 この、力の抜けていくような 例えるなら、怒りにも 似た感情のせいなのだろうか。