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イクラ
イタリア
イタリア
5分休み、僕はただ廊下の騒音を眺める。
別に羨ましいわけじゃない。
1人完璧に整った机で愚言をたれる。
ドイツ
そんなことを言いつつ目は教科書を捉えていなかった。
綺麗なままの教科書。 整えられた文字のノート。
誰に貸すわけでもないのに僕の細い字が誰かを待っているように見える。
ドイツ
周りの子は少し崩れた字を貸し借りしている。
ドイツ
ふと顔も覚えてない誰かのセリフが脳裏を掠る。
ドイツ
ほんとはもっと砕けた性格で、みんなに好かれてみたかった。
ドイツ
ふと回想から体が強制的に引き戻される
ロシア
ドイツ
ロシア
ドイツ
整った顔。透き通る白髪。消えてなくなりそうな白い肌。 小学生とは思えないほど大人びた美貌の持ち主。 知らない人はいない。いるわけない。
ドイツ
ロシア
ふにゃりと顔が緩む。 一瞬見入ってしまう。
ドイツ
意識を戻す。この人たらしめ。
ロシア
ドイツ
新品同様の教科書と便覧を渡す。
この学校は珍しく小学校から便覧が配布されるのだ。
ロシア
ドイツ
ロシア
ドイツ
僕はただ駆け足で出ていく彼の背中を見ていた。
次の日も
その次の日も
彼は毎日教科書を借りにきた。
ロシア
ドイツ
ロシア
距離が縮まる
トモダチって…こういうのなのかな…
彼はまた新品同様の教科書を僕に返して去っていく。
ドイツ
また頬が緩む。
ドイツ
また彼が教科書を借りにくる。
便覧と教科書あの日と同じセットを手渡す。
ドイツ
ロシア
チャイムがなりいつものテンションで君が来る。
ドイツ
ロシア
さて今は近代文学をやっているから便覧をよく使う。
小学生に学ばせる内容ではないと感じつつ机に向かう。
ドイツ
そこで違和感を覚える。
少し開きやすくなったページ
ドイツ
小さな紙が挟まっていると気づく
月が綺麗ですね。
ドイツ
僕よりも力強く書かれたロシアの字
ドイツ
少しおかしくて笑ってしまう。
ドイツ
ドイツ
挟まれていたページ。すぐに気づき頬が桃染色になる。
ドイツ
僕はある言葉を書き込み同じページに丁寧に挟み込む。
ドイツ
僕は頬の緩みが戻り切らないまま授業に戻った。
国語便覧 p.98 夏目漱石 日本の小説家。代表的な作品は「吾輩は猫である」「こゝろ」 英語教師をしていた頃の夏目漱石が、「I love you」を「我君を愛す」と翻訳した教え子を見て、「日本人はそんなことは言わない。月が綺麗ですねというんだ」なんて言ったという逸話がある。
これは2人がまだ恋人未満な小学生時代の話。
イタリア
イタリア
イタリア
コメント
1件
わあ、第28話読みました…!教科書の貸し借りから始まる距離の縮め方、すごく甘やかでいいですね。「月が綺麗ですね」のメモ、小学生が便覧に挟むってロマンチックすぎる…!ドイツくんが「トモダチ」って繰り返し噛みしめてるところに胸がきゅっとなりました。続きのロシア目線、楽しみにしてますね🌷