ゆみ
ねぇ、まだ?
ゆきこ
うーん、あと2分で・・・
ゆみ
あのさ、
ゆみ
飲み物選ぶだけだよ!?
ゆきこ
は、はい。
ゆみ
しかも、10種類ぐらいのなかから。
ゆみ
普通、15分もかかる?
優柔不断すぎない???
優柔不断すぎない???
ゆきこ
ご、ごめん。
ゆみ
いや、別にいいけど逆に
ゆみ
ここまでの優柔不断は1周回って清々しいわ。笑
ゆきこ
(なんで、いつも私って)
ゆきこ
(人に迷惑ばかりかけて、)
きっと、あの時のせいだ。
あの時は
ものすごく、いい天気だった。
お母さん
家族そろっておでかけなんて、本当。久しぶりねぇ。
お父さん
そうだな!
家から徒歩20分ぐらいの 動物園へ向かっている途中。
ゆきこ
はやく、はやくぅ。
お母さん
危ない!
お父さん
ゆきこ!
ゆきこ
え?
ゆきこ
お父さん?
ゆきこ
お母さん?
目の前は、血のついたトラックと
血まみれの両親、
ゆきこ
(本当は全部、私が悪いんだ。)
ゆきこ
(あの時、)
飛び出したりしなければ、
両親は、死ななくてすんで、
ゆきこ
(それから何もかもが怖くなった。)
もし。これを選んだら?
この道に進んだら?
友達が
大切な人が
いなくなるのかもしれない。
ゆきこ
(なんて、考えすぎか。)
朝、学校にて
ゆみ
ちょ、ゆきこ!
ゆきこ
どうしたの?あ、おはよう。
ゆみ
うん!おはよ。
ゆみ
あんた大変だよ!
ゆきこ
なにが。
ゆみ
2組の──
後悔ばかりのあの時を、#1 fin.