夕暮れの商店街を、私たちは並んで歩いた。
緑 。
唐突に緑が言う。
橙 。
緑 。
無邪気に笑う彼に、思わず苦笑してしまう。
この人は、きっと私の"理屈"の外にいる。
緑 。
緑 。
橙 。
その言葉に、足が止まりかける。
今、"好き"って言った?
緑 。
緑 。
慌てて両手を振る彼。
まるで図星を突かれた子供みたいに。
私は自分の鼓動がうるさいのを誤魔化すため、無理やり口角を上げた。
橙 。
緑 。
それはつまり……
私には期待してないってこと?
"女の子として意識してない"ってこと?
たしかに、私は恋愛に疎い。
誰かにときめいたり、夢中になったりすることなんてなかった。
だから今も、これはただの好奇心だと思いたい。
でも、こうして彼の隣を歩いていると、どうしようもなく_
橙 。
小さく呟いた声は、きっと彼には届かなかった。
緑 。
橙 。
空はすっかり藍色に染まり始めていて、彼の横顔がやけに静かに見えた。
理屈で恋は消せる、と思ってた。
でも緑という存在は、私の"証明式"の中にうまく収まってくれない。
まるで、計算できない"未知数"みたいに。
コメント
2件
おおお久しぶりの続き!! やっぱあいちゃん天才すぎるよね🫵🏻💗 めっちゃやばい好きすぎる🙌