夏油傑
ヒュッヒュッ

乙骨憂太
ザッバガッ

攻撃を受けた乙骨を里香が夏油から少し距離をとった
場所まで一時的に避難させる。
夏油傑
私が望むのは"啓蒙"ではない

夏油傑
"選民"だよ

夏油傑
数が多いというだけで強者が弱者に埋もれ、

夏油傑
虐げられることもある

夏油傑
そういう猿共の厚顔ぶりが吐き気を催す程不快だと

夏油傑
私は言っているんだ

祈本里香
憂太、憂太ぁ"

乙骨憂太
大丈夫、慣れてきた

夏油傑
問答は終わりかい?

里香の腕の中から降りた乙骨が
その場で何度かジャンプして、一気に加速する。
夏油傑
( 更に速い!!)

乙骨憂太
ボッ

夏油傑
ズバッ

乙骨が振りかざした刀が、夏油に当たるギリギリで
粉々になってしまった。
急速に大量の呪力をこめたせいで
刀の方がそれに耐えきれず、壊れたのだ。
夏油傑
駄目じゃないか、急にそんな呪いを込めちゃ

夏油傑
器がもたない

夏油傑
悟に教わらなかったかい?

夏油傑
呪いは少しずつ───

乙骨憂太
バゴッ

話している途中の夏油を構わず殴り飛ばす。
黒閃が放たれ、夏油は地面に転がり込んだ。
夏油傑
……やるじゃないか

乙骨憂太
分かんないよ!

乙骨憂太
高専以外の呪術師のことなんか知らないし!

乙骨憂太
お前が正しいかどうかなんて僕には分かんない!!

乙骨憂太
でも僕が、皆の友達でいるために

乙骨憂太
僕が!僕を!生きてていいって思えるように

乙骨憂太
オマエは殺さなきゃいけないんだ!!

夏油傑
自己中心的だね

夏油傑
だが自己肯定か

夏油傑
生きていく上でこれ以上に大事なこともないだろう

夏油傑
ならばこちらも全霊をもって君を殺す

夏油傑
もう質も量も妥協しない

夏油傑
知っているかい?

夏油傑
特級を冠する人間は4人

夏油傑
呪いだと16体存在する

夏油傑
これはその内の一体 ズズズ…

夏油傑
特級仮想怨霊「化身玉藻前」

夏油傑
更に私が今所持している4461体の呪いを1つにして

夏油傑
君にぶつける

夏油傑
呪霊操術極ノ番『うずまき』
