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トコトコトコトコ

小さい頃から森で暮らしていた 週に1回町に出て 必要なものだけ買って すぐ帰る 何十年もずっと俺は こうやって暮らして行くんだと 思っていた

あ、じいちゃんニコッ

おじいちゃん

お〜秋か〜ニコッ

じいちゃんまた釣りに
行ってたのかよ
しっかり気をつけろよ?
ほら荷物持つよニコッ

おじいちゃん

お前も木切ってきたばっかで
疲れてるだろうに…

じいちゃん腰いわしたらだめだろ?

おじいちゃん

秋は優しいなぁニコッ

じいちゃんに似たんだなニコッ

両親は居ない 居るのはじいちゃんだけ すごく楽しかったし 幸せだった じいちゃんは優しい人だった

おじいちゃん

いいかい?秋ニコッ
人種が違えど人間じゃなかろうと
動物でも優しくしろ
良いことも悪いことも全部全部
自分に返ってくるんだぞ?

分かってるよじいちゃん

じゃあ行ってくるニコッ

おじいちゃん

気をつけてなニコッ

おじいちゃん

日が暮れるまでには
帰ってくるんだそ?

は〜い

トコトコトコトコ

今日は町に出る日 前まではじいちゃんと行っていたが 最近は一人で行っている

げほっげほっげほっ…

こんな所に人が居るのはめずらしい ひどい咳だ大丈夫かな…

…大丈夫か?

げほっげほっ…誰…?

あ、俺ここら辺に住んでるんやニコッ

咳…大丈夫?どこから来たん?

うん…町の方から…迷子に
なっちゃって…

そっか…あ、名前なんで言うん?

僕は…

海月

海月だよ

そっかニコッ

俺は秋ニコッ

海月

げほっげほっ

ちょうど俺今から町行くんやニコッ

よいしょっ…

海月

え?

連れてくよニコッ

海月

ありがとう

海月

ホントにありがとう

よかったニコッ
またなニコッ

タッタッタ

夕日がもう落ちかけている 時間が意外とたっていて こんな時間 じいちゃんが心配する 早く帰らないと…

おやぁいませんか…?

そこのご老人?
秋さんという方を知りませんか?

おじいちゃん

知らん…

ならあなたはもう用済みですね…

攻撃魔法

おじいちゃん

じい…ちゃん?

帰った時には遅かった 知らねぇ奴らが家に居て じいちゃんは有無を言う前に 殺された

秋さんですか?

…じいちゃん

私たちはあなたを探していたんです

…じいちゃんを殺す必要は
あったのかよ…

今まで湧いたこともない怒りが こみ上げた じいちゃんを殺された 俺のために体を張ってくれたんだ 居場所をいえば こんなことにならなかったのに なんて優しい人なんだろう そんなじいちゃんお前らは…

一緒に来ていただいたら
何もしませんほら…

グサッ

シュッグサッ

!お前…人間だろ!…

どうしてこんな…

グサッ

死ねよ…なんで…なんで!じいちゃんが死んでお前らが!ポロポロ

そこにあった剣で俺は 知らねぇやつを滅多刺しにした 気づいたらそいつはもう 塵になって消えてて 俺はこの日何もかもを失った

…ポロポロ

私の部下が一人やられましたか…
人間が一人で…強いですねそして
それ以上の強い心を感じる
人間独特の思いやりの心だ

攻撃魔法

!げほっげほっ

死にはしません
私たちの実験に付き合って
もらいます

離…せ

それは無理ですね

そうだ実験のどうたらこうたら 言っていたわ この記憶が無いのも 都合よくされてたんだな

どんどん自分を見失って 気づいた時には 冷酷で冷たい俺が出来ていた

トコトコトコトコ

何も思い出せず これが俺なんだと 何十年も暮らしてきた

全部…全部思い出した

魔族は俺らから全て奪った 許せない 海月だって被害者だ 許せない

許さない

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