TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

2時間後。 予めセットしていたタイマーが鳴る。

奏斗

じゃあ、それぞれ書いた内容を話そうと思うんだけど、どっちから話す?

優菜

じゃんけんで負けたほうから

結果は優菜の負け。優菜はまさかの負けに動揺が隠せなかったが、奏斗が「早く聞きたい」と言ってきたので、早速話し始めた。

優菜

私の記憶に残っている一番古い出来事は、父の葬式。私が2歳の時に、肺がんで亡くなった

あの日の父の最後の姿。優菜は鮮明に覚えている。あの時の父は、優菜のことを一番に考えてくれていた。あんな父が好きだった。父が肺がんにさえならなければ、優菜が一人になることはならなかった。

気づけば、優菜は感傷に浸っていた。奏斗の前では決して泣くまいと、溢れそうな感情を必死にこらえる。

優菜

・・・で、それからは母と暮らすことになったの

ついさっきまで俯いていた奏斗が微かな笑みを見せる。

優菜

だけど、その母も胃がんと診断されて、今から7年前、私が小学5年の時に亡くなったの

優菜はリビングに飾ってあるドライフラワーを指さす。これは優菜が十歳の時の誕生日プレゼントだったと話すと、奏斗は明らかな笑みを浮かべた。

優菜

そして、そこから私の1人暮らしが始まって、今、奏斗に出会ったってわけ

奏斗が拍手をする。優菜の中では、聞いてくれたんだという喜びが大きかった。次は、奏斗が話す番だ。

奏斗

じゃあ、僕も話す。僕は、余命宣告を受けた数日後、交通事故で両親を亡くした

優菜はぞっとした。もし今も両親が生きていたら。視力のほとんどない両親が車を運転したら、病気ではなく事故で死ぬことになる。そのため、あまりに無惨な姿で両親を見送りたくなかった。

奏斗

僕の一人暮らしは、優菜に出会うまではとてもつまらなかった。優菜に出会ってから、すべてが変わったんだ。だから・・・、次のことを一緒にしてほしい

奏斗の素直な気持ちを受け止めようと、優菜は彼の願いを聞くことにした。

優菜

それって具体的に・・・?

奏斗

中学の時、友達同士での旅行に憧れてたんだ。まずそれに行きたいな。それから、優菜が考えてくれた事にも挑戦したいな

奏斗のやりたいことを尊重して、優菜は奏斗に旅行は具体的にどこに行きたいのか尋ねた。

奏斗

どこでもいいよ。でも、できれば2人部屋があるところがいい

優菜

わかった。じゃあ、考えとく

そんな素直に表される奏斗の願いを叶えるのに、優菜は責任が大きいと感じた。

君がいたから -chat ver-

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

37

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚