タバコ越しのキス

私は○○ 今、相方の大和とネタ作り中だ

私はここが好きだ 街が見渡せて 青空の日は空も空気も 澄んでいる気がするから

ここの空気に私は 浄化されてる ……気がするだけかもしれないけど

そしたら相方が言った

そんなに澄んだ空気 煙草なんか吸わずに ここの空気吸ってればええやん って

青空も、空気も綺麗だけど

九条が

細長い指先で 支える煙草から出る煙を 吸ってしまう彼が 煙に肺がおかされている彼が それでも、 いや、だからこそ、 儚くて美しい そう感じるようになったのは いつからだろうか

乾いた笑い 思ってないの否定しないんだ

今日こそって 期待したのに

カチッ

グッ

そう言って九条は、 私が咥える煙草の先端に 自分が咥える煙草の先端を くっつけて

鼻先が触れそうなくらい 顔を近づけて

火をつけた

ボゥッ

あぁ、ダメだ そんな寂しい顔して私を見ないで またのまれていく。九条のペースに

手の上で転がされてるって わかってても、 もう逃げられない

いつからだろう

私はあなた無しでは 成立しなくなったのは

九条が悪いんだ 私の事好きになってくれないから それなのにこんなことしてくるから

どうせ他の女の子にも こうしてきたんでしょ？ 私だけじゃないんでしょ？ わかってるよ、 わかってるけど

やめられない

叶わない恋なのに

また好きが加速してしまった

私には甘すぎたシガレットキス

九条's side

やっぱり、今日もいた

たまに、ほんのたまに、 ○○は屋上にいる

僕だけが知っている 羽を休めた天使

その姿はずっと見ていたくなる 惹き込まれそうになる でも、ずっと見ている訳にも いかないか

正直、ちょっとびっくりした いつもみたいに

って 言ってくると思ったから

このいじりに飽きたんかな、 それとも僕に冷め…… いや、もしかしたら …………男

男やったら笑えへんな 僕は困ったように笑うしかなかった

今日はまだ ､ ○○に何もできてない

イタズラされて はにかんでる○○が見れてない

僕がほしいのはライターじゃない

グッ

○○、 君(の煙草に灯る火)だよ

僕は○○にキュンとした数だけ 嫉妬する

いつもそう思ってしまうから

君に他の男がいたとしても

僕には君しかいないんだ

どれだけ近くにいても

欲張りな僕のこと、 満たすことができるのは 君だけなんだよ

僕が我儘を言っても

ほら、そうやって微笑むから

君のその顔をもう、 他の誰にも見せたくない

僕にだけ魅せて

僕には苦すぎたシガレットキス