水雫が少し元気を取り戻し再び登校するようになった
そんな彼女の姿を見て安心しつつも、神風はどうしても気になることがあった
それは、彼女がいつも身につけている桜の形をしたイヤリングだ
普段はさりげなく揺れているそのイヤリングが、どこか意味深に感じられ、神風の好奇心を強く引きつけていた
天野神風
放課後、帰り支度をする彼女に話しかけると、彼女は少し驚いたようにこちらを見た
月宮水雫
天野神風
月宮水雫
月宮水雫
彼女はそう答えたが、神風はその微笑みの裏に何か隠れているように感じた
彼女が「ただのアクセサリー」と言うには、あまりにもそれを大事にしているように見えたのだ
天野神風
天野神風
月宮水雫
一瞬の沈黙が流れた
水雫は少し迷うように視線を彷徨わせたが、すぐに神風から目をそらして微笑みを浮かべた
月宮水雫
その言葉に、神風は少しムッとしながらも口を閉じた
彼女がこれ以上話すつもりがないことが、彼の目にも明らかだったからだ
天野神風
天野神風
月宮水雫
彼女は優しく頷き、そのままカバンを肩にかけて教室を出ていった
神風は彼女の背中を見送りながら、そのイヤリングに込められた意味を思わず考えてしまう
天野神風
心の奥にしまい込んでいる秘密があるように感じる神風
しかし、これ以上彼女に問いただすのはやめておこうと決めた
彼女が話したくなったときに、そっと支えられる存在でいたいと思ったからだ
桜のイヤリングの謎を心に抱えつつ、神風は教室を後にした
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