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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

水雫が少し元気を取り戻し再び登校するようになった

そんな彼女の姿を見て安心しつつも、神風はどうしても気になることがあった

それは、彼女がいつも身につけている桜の形をしたイヤリングだ

普段はさりげなく揺れているそのイヤリングが、どこか意味深に感じられ、神風の好奇心を強く引きつけていた

天野神風

なあ、水雫

放課後、帰り支度をする彼女に話しかけると、彼女は少し驚いたようにこちらを見た

月宮水雫

…なに?

天野神風

そのイヤリング、なんか特別な意味があるのか?

月宮水雫

…ただのアクセサリーだよ

月宮水雫

かわいいと思ってつけてるだけ

彼女はそう答えたが、神風はその微笑みの裏に何か隠れているように感じた

彼女が「ただのアクセサリー」と言うには、あまりにもそれを大事にしているように見えたのだ

天野神風

でもさ、前に見たときもずっと同じイヤリングしてただろ?

天野神風

そんなに大事なもんなんじゃないのか?

月宮水雫

一瞬の沈黙が流れた

水雫は少し迷うように視線を彷徨わせたが、すぐに神風から目をそらして微笑みを浮かべた

月宮水雫

ほんとに、ただのイヤリングだから…気にしないでね

その言葉に、神風は少しムッとしながらも口を閉じた

彼女がこれ以上話すつもりがないことが、彼の目にも明らかだったからだ

天野神風

…そっか

天野神風

でもさ、もし話したくなったら、俺たちに言ってくれよな

月宮水雫

うん、ありがとう

彼女は優しく頷き、そのままカバンを肩にかけて教室を出ていった

神風は彼女の背中を見送りながら、そのイヤリングに込められた意味を思わず考えてしまう

天野神風

(桜のイヤリング…なんだろう、ただの飾りには見えねぇんだけどな)

心の奥にしまい込んでいる秘密があるように感じる神風

しかし、これ以上彼女に問いただすのはやめておこうと決めた

彼女が話したくなったときに、そっと支えられる存在でいたいと思ったからだ

桜のイヤリングの謎を心に抱えつつ、神風は教室を後にした

心優しき少女の隠された闇

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