テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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雨が降る。×も降る。

第59話 - 敬助編第59話　　私は私

2024年04月20日

#新選組

#歴史創作

#BL(？)

メンアノ！

中の人

や、やまっ、やっ

中の人

山南ｯ、さんｯ！

中の人

うわぁぁあ！

仲成

黙れ

中の人

……

中の人

何さ！

仲成

うるせぇよ

中の人

…………

中の人

明日、精神休暇します

仲成

予告するんだ…

中の人

はい

中の人

季節の変わり目です

仲成

は？

中の人

でも？この物語を休むだけなので

中の人

進んでない物語をバリバリ書きますんで！

中の人

楽しみにしてくだせぇ

中の人

ということで、始めるぞ！

次の日

道場

沖田総司

はぁ、はぁ、はぁ

沖田総司

こ、近藤さん！土方さん！

近藤勇

そ、総司！？どうしたの！？

沖田総司

あ、あの！

沖田総司

山南さんいなかった！？

土方歳三

山南さん……？

永倉新八

そういえば、今日見てないかも…

近藤勇

ってか、昨日の夜から見てなくない？

土方歳三

……

土方歳三

ま、まさか…

沖田総司

土方さん？何か心当たりが？

土方歳三

心当たりは何処にもない

土方歳三

ただ、可能性なんだが…

土方歳三

脱走した

近藤勇

と、歳三！？

近藤勇

さ、流石に山南さんがそんなことするわけ……！

近藤勇

あと、敬助は脱走したら切腹って知ってるよね！？

近藤勇

わしは信じられない！

土方歳三

私だって！
……信じたくないですよ…

土方歳三

でも、いないってことは、脱走した、ぐらいしか考えられないんです…

永倉新八

ほ、本当にそうだったとして…

永倉新八

何故脱走する必要が？

永倉新八

確かに、山南さんは移動に反対してたけど…

近藤勇

移動すると何か疚しいことが…？

沖田総司

僕はそう思わないよ！！

沖田総司

山南さんは何かを隠すような人じゃないし！

土方歳三

……

土方歳三

総司、お前が口を挟むと会話が成立しない

土方歳三

少し私語を慎んでくれ

沖田総司

っ……

近藤勇

で、でも！総司の言う通りでもある！

土方歳三

近藤さんまで…っ！

伊東甲子太郎

皆さん、騒ぎまくってますね

土方歳三

い、伊東……っ！

永倉新八

甲子太郎、何か知ってるの？

伊東甲子太郎

んー、まあ少し山南さんの部屋に行ったらこんな置き手紙があったんですよ

甲子太郎は皆に敬助が書いた手紙を見せた

『江戸に行く』

その一言だけが書かれていた

近藤勇

………

勇の顔は段々と青ざめていく

土方歳三

…近藤さん、信じたくない気持ちは誰もが同じです

土方歳三

ですが、脱走以外に何もありません

沖田総司

………

沖田総司

何で、こんなバレバレに…

沖田総司

脱走するとしても、手紙なんか書かないよ！

沖田総司

これ、これじゃ…

殺してくれって言ってるようなもんじゃん！！

土方歳三

それが山南さんの本心なんだよ！

土方歳三

総司、分かってくれ…

永倉新八

え、えっと、少し質問

土方歳三

何だ

永倉新八

江戸に行って何かを買ってきてくれてる～とかは…

土方歳三

ない

永倉新八

え、即答…

土方歳三

その可能性も否定はできないが…

土方歳三

そしたら私か近藤さんに言ってるはず

土方歳三

つまり、脱走以外に何もない

沖田総司

そ、それは違うって！

土方歳三

何が違う？

沖田総司

それ……は…

土方歳三

……

土方歳三

はぁ……

沖田総司

……

近藤勇

……トシ、どうするの？

土方歳三

どうするって、どういうことですか？

近藤勇

追っ手、放った方がいいよね？

土方歳三

……

近藤勇

とりあえず、何十人追っ手にさせる？

近藤勇

効率的に見つけるためにもさ！

土方歳三

総司に任せる

近藤勇

……

近藤勇

え、歳三？何で総司一人……

近藤勇

ねぇ、おかしいよ！？いつものトシなら何人も行かせるじゃん！

近藤勇

相手が山南さんだから！？

近藤勇

総司と一番仲良かったから！？

近藤勇

総司なら敬助が抵抗せずに着いてくるだろうから！？

土方歳三

近藤さん！察してくださいよ！

土方歳三

私だって、信じたくないんですよ…

沖田総司

……

土方歳三

総司、行ってきてくれるか？

沖田総司

……

沖田総司

自分の目で真相かどうか見てみたい

沖田総司

だから、僕は行きます！

土方歳三

そういう意気込みだ

土方歳三

それじゃあ、行け

沖田総司

はい！

総司は馬を用意して外に行った

土方歳三

……

土方歳三

少し、気分が悪いので部屋に戻ってますね

近藤勇

……………

山南敬助

………

山南敬助

誰が、私を見つけに来るのでしょうか…

外の天気は曇っていた

今にも雨が降りそうな、そんな天気だ

山南敬助

……

敬助は風に吹かれながら歩く

山南敬助

江戸に行くって書いても、江戸に行く気はないんですけど…

山南敬助

誰か見つけてくれないですかね…

地面の色が濃くなる

山南敬助

………

山南敬助

雨が、降っていますね…

敬助は自分が流してしまう雨を我慢しながら少しずつ歩いていく

すると、ガサッという音が聞こえた

山南敬助

！

山南敬助

だ、誰ですか！？

敬助は警戒する様子を見せる

沖田総司

や、山南さん……

山南敬助

お、沖田くん…ですか……

沖田総司

や、山南さん？何をしてたの？

沖田総司

何で、脱走なんか…

山南敬助

……

沖田総司

皆戸惑ってたよ！

沖田総司

信頼してた山南さんが脱走なんて…！

沖田総司

誰も予想はしないじゃん！

山南敬助

私、知ってます

山南敬助

どうせ皆さん、私の事いらないですよね

沖田総司

………え

沖田総司

な、何言ってるの……？

沖田総司

みんな、山南さんの事信頼して、尊敬してて………

沖田総司

僕は、そんな山南さんが大好きだった！

沖田総司

何で脱走なんかするんだよぉ！

沖田総司

僕が悪かったかなぁ！？

沖田総司

僕がもっと山南さんを愛していれば良かったのかなぁ！？

山南敬助

う、煩いですね！

山南敬助

本当は私の事なんか嫌いの癖に！

山南敬助

善人ぶらないでください！

沖田総司

ぜ、善人ぶってなんか…

沖田総司

何で山南さんは信じてくれないの？

沖田総司

ね、ねぇ、まだ生きようよ？

沖田総司

僕、まだ山南さんと一緒にいたい

沖田総司

ね、ねぇ、答えてよ…？

沖田総司

答えてくれないの？

沖田総司

僕、沢山山南さんに伝えたいことあったのに…

沖田総司

僕の事、嫌いだった？

山南敬助

……

山南敬助

沖田くん、団子屋に一回行きましょう

沖田総司

……

団子屋

山南敬助

私、ここの団子屋好きになったんですよね

山南敬助

最期の晩餐は、ここにさせてください

沖田総司

最期とか言わないでよ…

山南敬助

………

敬助は三色団子を買ってきた

山南敬助

食べながら話しましょう

山南敬助

まず、私は明日、死ななければならなかったんです

沖田総司

な、何で！？

沖田総司

おかしい、おかしいよ！

沖田総司

山南さんは死んじゃいけない存在だ！

山南敬助

沖田くん、感情を抑えて

沖田総司

………

山南敬助

はっきり言って、私、楽しいとか好きとか、そういう感情分からないんですよね

沖田総司

な、何で……

山南敬助

何ででしたかね…

山南敬助

もう忘れました！そんな過去の話なんて！

沖田総司

……

山南敬助

私、沖田くんとは分かり合えると思ってました

山南敬助

一番仲良くしてくれましたから

山南敬助

でも……

山南敬助

大っ嫌いだったんですよ

沖田総司

あ……

山南敬助

気付きたくなかったです

沖田総司

何………で…

山南敬助

………

沖田総司

誰かに囃し立てられた？

沖田総司

僕悪いことした？

沖田総司

何処が嫌いだった？

山南敬助

……

山南敬助

タイプが合わなかった、と言えばいいのですかね

山南敬助

沖田くん自体が嫌いだったんです

沖田総司

っ！

沖田総司

や、山南さん…

山南敬助

……

山南敬助

でも、何よりも

山南敬助

私自身が嫌いだったんですよ

沖田総司

……

沖田総司

僕自身が拒絶されても良い…

沖田総司

でも、何で自分を！

沖田総司

僕より自分を愛せなかったの！？

沖田総司

もっと僕より山南さん自身を愛してよ！

沖田総司

一番僕はそれが苦しいというのに！

山南敬助

沖田くんは優しいですね

山南敬助

こんな私を心配するなんて…

沖田総司

……

沖田総司

僕、山南さんを見逃すから

山南敬助

え？

沖田総司

ここで死なせるわけにはいかない！

沖田総司

僕が土方さんに抗議すれば切腹は免れるかもしれない！

沖田総司

土方さんだって、山南さんを死なせたくないはず！

沖田総司

それに、僕がここで山南さんを逃がすことだってできる！

沖田総司

僕はまだ山南さんを死なせようとはしない！

沖田総司

ほら、早く逃げてよ！

沖田総司

山南さんが死ぬなんて信じられない！

沖田総司

だからっ！

山南敬助

沖田くん

沖田総司

……

山南敬助

人の生死をあなたが決めないでください

山南敬助

あなたに他人の生死を決める権利はありません

山南敬助

決めるのは私自身です

山南敬助

口出ししないでください

沖田総司

っ……

総司は黙ってしまった

山南敬助

………

山南敬助

帰りましょう

敬助は死に場に戻ろうとする

沖田総司

待ってよ、山南さん…

沖田総司

何で、こんなことに…

沖田総司

………

総司は雨に打たれ、泣いた

もう自分ではどうすることもできないと言うことを知ってしまった

沖田総司

あ、あぁぁっ…

ただ、生きててほしかっただけなのに

道場

近藤勇

敬助が戻ってきたぁ？！

山南敬助

……

沖田総司

………

近藤勇

え、えっと…

近藤勇

脱走した理由、聞いても良いかな？

山南敬助

言いません

近藤勇

え

近藤勇

総司！何でか分かる？

沖田総司

言いたくない

近藤勇

えぇ？

近藤勇

でも、何ですぐに戻ってきたの？

近藤勇

もう少し抵抗しても良かったんじゃない？

永倉新八

脱走する気がなかった？

山南敬助

はい

永倉新八

………

近藤勇

とりあえず、歳三に言ってくるから

永倉新八

はい

沖田総司

……

山南敬助

………

山南敬助

皆さん、笑顔になってください

永倉新八

笑顔になれるわけないじゃん…

沖田総司

誰が山南さんが死んで笑うもんか…

山南敬助

…

山南敬助

笑ってほしいんです

山南敬助

皆の笑顔が見たい

山南敬助

泣き顔なんて見たくありません

永倉新八

……

永倉新八

何で死のうとする！？

永倉新八

生きようと思わなかった！？

沖田総司

な、永倉さん！

永倉新八

何で…

永倉新八

………

山南敬助

……

土方歳三

……山南さん？

山南敬助

土方さん

土方歳三

っ！

歳三は敬助に平手打ちをした

山南敬助

っ──

土方歳三

馬鹿野郎！

土方歳三

何で戻ってくる？！

土方歳三

戻ってきたとしても、流石に早すぎる！

山南敬助

……

土方歳三

何が言ってください！

土方歳三

何なんですか！？

土方歳三

死にたいんですか！？

山南敬助

そうですよ…

山南敬助

死にたいんですよ

山南敬助

武士らしく、ね

土方歳三

武士らしく…？

土方歳三

武士らしくなら戦死だろ！

土方歳三

何で、切腹なんか…

土方歳三

自殺は…ダメだろ…

土方歳三

誰も望まない…

土方歳三

死にたい…？

土方歳三

何で…

沖田総司

土方さん、気持ちは大いに分かります

土方歳三

っ…

土方歳三

山南敬助、明日の未明に切腹に処す

土方歳三

介錯人をつけてやろう

山南敬助

有難う御座います

土方歳三

誰でもいい

土方歳三

誰を選ぶ？

沖田総司

誰も山南さんの首なんか跳ねたくないだろうけど…

山南敬助

……

山南敬助

私は、沖田くんを指名します

沖田総司

……

山南敬助

良いですよね？沖田くん

沖田総司

………

沖田総司

分かった

土方歳三

決まりだな

土方歳三

それじゃあ、準備をしとく

土方歳三

それまで、静かに待っとけ

歳三は別の部屋へといってしまった

近藤勇

……

近藤勇

敬助、自分の部屋に行っててね

山南敬助

分かりました

敬助の部屋

山南敬助

………

永倉新八

山南さん、入りますね

新八が入ってきた

山南敬助

永倉さん

山南敬助

どうかしましたか？

永倉新八

もう一度脱走しませんか？

永倉新八

チャンスはあります

山南敬助

……

敬助は首を横に振った

永倉新八

何でですか？

山南敬助

何で、か…

山南敬助

何でですかね

永倉新八

無理にとは言いません

永倉新八

脱走しましょう！

永倉新八

別に土方さんは何も言いません！

永倉新八

だから！

山南敬助

いいんです

山南敬助

もう、いいんです

永倉新八

……

永倉新八

この世界が間違ってる

永倉新八

何で、生きてほしいひとが死んで

永倉新八

死んでほしい人が生きてるんだよ！

永倉新八

おかしい……

山南敬助

それが運命です

山南敬助

受け入れましょう

永倉新八

……

永倉新八

本気、何ですね

山南敬助

………

山南敬助

はい

永倉新八

……

永倉新八

楽に、死んでください

山南敬助

心配有難う御座います

永倉新八

…それでは

新八は部屋から出た

山南敬助

………

敬助の目から涙が零れた

山南敬助

何でだろう、涙がでてくるなぁ…

山南敬助

おかしいなぁ…

山南敬助

皆と離れるからかなぁ…

敬助は涙を拭った

山南敬助

……

山南敬助

私は死ぬ

山南敬助

明日、確実に

夜(明るいけど)

土方歳三

山南さん、起きてます？

山南敬助

土方さん？

山南敬助

勿論、起きてますよ

土方歳三

……

土方歳三

もう準備ができたので死にたければいつでも言ってほしいんですけど

土方歳三

一つ、聞きたいんです

山南敬助

何の事でしょうか？

土方歳三

さっき、総司から聞きました

土方歳三

逃がそうとしたけど、逃げようとせず、戻ろうとした、と

土方歳三

本当に貴方は何を考えてるんです？

山南敬助

………

土方歳三

それと、何故遠くへ逃げなかったんですか？

土方歳三

そんなに離れていなかったみたいですね

土方歳三

本気で脱走するなら、遠くへ逃げるのが普通でしょう？

土方歳三

逃げる気がなかったんですか？

山南敬助

逃げる気がなかったが一番近いですね

土方歳三

……

土方歳三

本心は違う、ということですか

山南敬助

そう、ですね

土方歳三

………ならなんで、相談しなかったんですか

土方歳三

相談しても、誰も嫌がんなかったんですよ？

山南敬助

……本当ですかね

山南敬助

皆さんの思ってることなど、私は分かりません

山南敬助

本当はいらない存在じゃなかったんですか？

土方歳三

そんなわけはないです！

土方歳三

皆山南さんの事を大切にして、山南さんと話すのを楽しんでいました

土方歳三

何故、そう思ってしまうんですか？

山南敬助

………

土方歳三

…答えたくなかったら良いです

土方歳三

切腹する準備ができた時、声をかけてください

土方歳三

すぐ向かいます

山南敬助

有難う御座います

土方歳三

………では

歳三は部屋から出た

山南敬助

………

山南敬助

準備、しますか

敬助が切腹する場

近藤勇

えっと、敬助、総司

近藤勇

心の準備はできてる？

山南敬助

はい、勿論できています

沖田総司

………

総司は介錯用の刀を持ちながら手を震わせている

近藤勇

総司………

山南敬助

………

後ろから涙が落ちる音が聞こえる

山南敬助

沖田くん、泣いているんですか？

沖田総司

………

総司は何も言えなかった

敬助を斬ることを想定していなかった

斬ることが怖い

彼の頭の中はそういう考えしかなかったのであろう

山南敬助

……

山南敬助

近藤さん、沖田くんと少し話させてください

近藤勇

え、あ、分かった…

山南敬助

……沖田くん、話を聞いてください

沖田総司

……

山南敬助

沖田くんは土方さんや近藤さんの言うことをよく聞く、無邪気な人ですけど

山南敬助

戦いとなると男らしくなりますよね

山南敬助

そして介錯する時

山南敬助

誰であろうと首を斬る

山南敬助

そんな沖田くんがカッコいいって思うんです

沖田総司

……

総司は言葉に表してなくとも、目で訴える

そんなこと言わないでと

山南敬助

沖田くん、一回落ち着いてください

山南敬助

私が腹を斬った時に首を斬れば良いんです

山南敬助

私の人生を、終わらせてください

沖田総司

っ…

近藤勇

………

勇は目を瞑る

だが、片目を薄目で見る

山南敬助

……沖田くん、一、二の、三で斬りますから

山南敬助

三の時に斬ってください

山南敬助

いいですか？

沖田総司

……

総司はコクりと頷いた

山南敬助

………

山南敬助

それではいきますよ

山南敬助

一、二の───

沖田総司

っ！

ザシュッ

────────────────

聖武天皇

………

聖武天皇

迎えに来たよ

山南敬助

………

山南敬助

聖武さん…？

聖武天皇

それじゃあ、逝こう

山南敬助

……

山南敬助

はい

私は触れられなかった聖武さんの手を握った

沖田総司

………

沖田総司

あ……

うわあぁぁぁｯ！！！

敬助編、END

中の人

……

仲成

中の人

………

仲成

おい

中の人

テストか…

仲成

現実逃避した先が現実じゃねぇかよ

中の人

仲成ぃ！代わりにやってぇ！

仲成

無理に決まってんだろ！？

中の人

450タップ頑張ったよ

中の人

勉強時間をこれに費やした

仲成

何してんの？

中の人

ということで、明日は休みます

仲成

はぁ？

中の人

次回、平助編、お楽しみに～！

雨が降る。×も降る。

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