歪んだ愛

突然だけど私は 両親を亡くした。

母は私を産んだときに 大量出血で死んだ。

父は母を失ったショックで ほぼ廃人も同然になった。

外に出てフラフラしていた時に 車に轢かれて死んだ。

私を引き取った祖父母。

彼らは私を憎んだ。 私のせいで両親が死んだのだと。

私が産まれたから。

環境に恵まれず、 友達も出来なかった。

気味悪がられていた。

私はこの世界に必要とされていなかった。

祝福されていなかった。

なのに……唯一貴方は 私を

愛した。

鳳凰 郁音 ﾎｳｵｳ ｱﾔﾈ

彼は環境に恵まれ、 友人も多く優しい家族に 囲まれていた。

醜い私は嫉妬した。

郁音も。

私を気味悪がり距離を置いた皆も。

私を育てた祖父母も。

私を産んだ両親も。

私を見放したこの世も。

私は大嫌いで

憎くて。

美しかった。

学校の屋上

憎い。あなたが憎いの。

大嫌いだ。へらへら 笑って私に話しかける。

どうせ貴方も善人ぶってる。

そして私を知った途端 離れていく。それが当たり前だから。

なのに貴方は私を好きだと言ってくれる。

私は醜く、この世界に 執着しているのに。

憎いほど恨んでるのに。

何故か貴方をみたらそれすらも 薄れてくる。

だから殺す。 そしたら本性見せてくれるでしょ？

なんて歪んだ思考。

実行せずにはいられない。 だから貴方を突き落とそうと。 手を差し出す。

思わず 手を引っこめた。

優しすぎる。

私が貴方の事を嫌いだと 知っていてもなお、私に 優しく接し、愛してるよと囁く。

ああ、頭が痛い。 好き、と言われる度に頭痛がする。

いつになったら治まるの？この頭痛は。

……ごめんなさい。 私はやっぱりこの世に存在しちゃ ダメなんだ。

だから……ごめん、 私を許してよ郁音。

郁音は私の事が好きだから きっと許してくれるよね？

次の瞬間 、彼女の体は 屋上から落ちた。

あ い し て る

それを最後に意識を落とした。

あの日、君は手を離した瞬間… 屋上から落ちた。

僕を苦しませようと、 後悔させようと。

でも僕は君が大好きだから。

君の思いどおりには行かない。

何度でも君を愛し、 君を思い出す。

大好きで、僕だけの和奏。

独り占めをしたい。

あの瞬間を見たのは僕だけ。

あの表情。あの言葉。

それらもぜーんぶ、僕のモノ。

BADEND…？