蘭は淡々と話し始めた。
蘭
蘭
蘭
蘭
BARの店主
蘭
蘭
BARの店主
BARの店主
BARの店主
蘭
BARの店主
BARの店主
そう言って彼は俺に一封の手紙を手渡した。
その時のじいさんは、酷く塞ぎ込んでいるように見えた。
蘭
BARの店主
蘭
異変に気づいていながらも、何も声をかけなかった。
あんなことになっているとは、思ってもいなかった。
じいさんが店を出ていった後、俺は急いで手紙を開封した。
無垢な白い封筒は、糊でしっかりと閉じられていた。
雑に破り、中身を取り出す。
手紙は、全部で2枚だった。
柄の何もない、線だけが入っている地味な便箋。
そこには、達筆な文字が敷き詰められていた。
その題を読んだ瞬間、思わず、 「え」 と心の声が外に出た。
題は、「遺書」 だった。
そこには、ある男に脅されていること、その男の全貌などが淡々と書き詰められていた。
果てには、自ら死を迎えようとしていることが綴られていた。
蘭
手紙を読み終え、慌てて店を出た。
彼を探した。
もっと落ち着いていれば、見つかったのかもしれない。
いや、彼は既に夜の人混みに飲まれていたのかもしれない。
それから、毎日毎日探したが、見つからなかった。
そして、「稲見琉音」という男も探した。
じいさんの手紙の中の彼は、冷徹で非人的な人柄だった。
そして、俺を果てしなく愛しているらしい。
ある時、突然店にやって来て、脅されたのだという。
あの店は、俺たちのアジトだった他、闇取引の中継役などをしていたのだ。
それを掴まれ、脅されたらしい。
じいさんはいつしか彼に金を渡すようになり、心をもぼろぼろになっていった。
彼に心を操られていたのだ。
そして、あの日は来た。
いつものように都内を探し回っていた時だった。
その悲報をネットのニュースで知った。
蘭
蘭
しかし、「放火」 という文字に違和感を覚えた。
よりによってあんな店に。
俺は、じいさんが自ら火を放ったのだ、と悟った。
蘭は、悔しそうな表情で語った。
そして、話し終えると、私にじっと目を向けた。
蘭
波華
蘭
蘭
波華
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
波華
蘭
蘭
律都
波華
蘭
蘭
蘭
波華
蘭
蘭
蘭
律都
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
律都
突然、青木さんが蘭の胸ぐらを掴んだ。
波華
波華
律都
蘭
律都
律都
律都
波華
波華
蘭
蘭
私が青木さんの手を無理矢理離した。
蘭は、がくっとベッドにもたれる。
そして、声を殺してすすり泣く。
蘭
律都
波華
波華
そして、私たちは部屋の扉を開けた。
その時、後ろから声が飛んできた。
蘭
蘭
波華
律都
私と青木さんは目を合わせた。
思っていることは、同じだったようだ。
互いに、こくり、と頷いた。
扉の先で、竜胆は待っていたのだ。
そして、全ての話を聞いていた。
波華
竜胆
5か月ぶりの兄は、少し痩せていた。
竜胆
蘭
蘭
兄は、戯言を呟きながら、ぼろぼろと涙を零していた。
俺は、兄のベッドの横の椅子に腰をかけて、経緯を話した。
その間、兄は相槌を打ちながら、涙が止まることなく溢れていた。
竜胆
竜胆
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
竜胆
まさか、そんな理由があったなんて、思いつきもしなかった。
喉の奥がぎゅうっと痛くなる。
視界がぼやけ、頬に雫が蔦る。
竜胆
竜胆
蘭
蘭
兄がその名前を呼んだ時、はっとした。
だめだ。だめだ、だめだ。
竜胆
竜胆
竜胆
蘭
蘭
竜胆
竜胆
竜胆
蘭
蘭
その声を聞こえぬ振りをして、席を立った。
体が重かった。
その重い身体が、心の奥底を物語っていた。
それでも行かなければ。
心を無にして、いや、実際は無ではなかったのかもしれない。
ただ、
部屋を出た。
扉を閉じた瞬間、堪えていたものが全て溢れた。
ドアにもたれ掛かるようにしてうずくまった。
苦しい、辛い、重い。
こうするしかなかったのだ。
そうでもしなければ、俺が持たない。
ここから居なくなるのが、怖くなってしまう。
そして、兄のために自身が与えられる、せめてもの罰だった。
竜胆
竜胆
自身への罪滅ぼしでもあったのかもしれない。
冷たく、固い床の上で最後に見た兄の目と、最後に聞いた声を反芻していた。
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
コメント
1件
終わりに近いてるのか、、、。 今日も今日とて最高でした💘