紫
さっきの子の名前は、『佐倉赤』さん。
紫
この子がどうかしたの?
青
いや、見覚えあるなって思って。
青
…
青
いや、待てよ?佐倉?!
紫
何か思い出した?
青
…
青
佐倉さんは…
青
赤さんは僕の初恋の人の弟…
青
桃くんの弟なんです!
そういえば、桃くんと遊ぶときはいつもあの子もついてきていた。
なんで今気づくんだろう…
青
紫さ
紫
明日。
青
え?
紫
だから、次いつ来るかでしょ?
紫
多分来週の火曜日。ちょうど一週間後。
青
わかりました。
青
一週間後、朝から来ます。
紫
はーい、俺も行くよ~。
紫
感動の再会に立ち会いたいし。
青
紫さん…
紫
あと、赤くん何借りたと思う?
青
わかんないです。何だったんですか?
紫
それがね、××小学校卒業生一覧だったんだよ。
青
それって…
青
まさかあの子は僕を…
紫
わからない。
紫
けど、卒業生を探していることは間違いないよ。
紫
それが青くんかもしれない。
そうだったら、正直すごく嬉しい。
けど、なんで桃くんじゃなくて赤くんなんだ?
紫
でも、なんで赤くんが探してるんだろうね。
紫
桃くんはどうしたんだろう
青
僕も同じこと考えてたんです
青
桃くんに何かあったら…
青
考えるだけでぞっとします。
紫
それも含めて話してみて。
紫
何かわかるかもしれないし。
青
そうですね。そうしてみます。
紫
あと、つい話し込んでたけど、もう閉館時間だから帰っていいよ~
青
あ、ほんとですね。
青
話に付き合わせてしまってすみません。
紫
いーえ。じゃまたね。
ひらひらと手を振る紫さんを背に、僕は帰路についた。