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とあるグールは愛され症

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とあるグールは愛され症

23 - 第23話特待生ちゃんとゆきちゃん

♥

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2025年03月18日

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ゆき

〜〜でさぁ笑

今日は私!特待生視点でとあるお話をします!

特待生)そ、そうなんですか?!

ゆき

そだよ〜?

私達が今から向かうのはここから少し離れたショッピングモール跡地です!

ゆきさんは色んな事を教えてくれた

先ずは自身の過去…ゆきさんが何故悪魔と契約したのか…

ゆき

私さぁ、悪魔と契約した理由って結構単純なのよ

特待生)え?それってどういう意味ですか?

ゆき

神に願っても無駄だって思ったから…悪魔に願ったの

【人と同じ暮らしをしたい、 愛されたい】

ゆき

って

特待生)それって…どういう

それから彼女は口を開いた、自身の過去とその境遇を

ゆき

アタシさ、生まれた時から【悪魔】って言われてたの

ゆき

この髪は地毛なの、俗に言う「アルビノ」ってやつ

特待生)!!あ、アルビノって…その、色素異常で起こる…あれ、ですよね?

ゆき

そう、まつ毛が紫色なのは悪魔契約をしてからなの

特待生)真っ白で綺麗なのに…

特待生)肌も……髪も…

ゆき

そう、綺麗だからこそ…その美しさに嫉妬の波に飲まれる醜い人間がいるの

ゆき

私の家族がそうだったわ…

綺麗な紫色の瞳は少し下を向いた

彼女の家族は彼女のその美しさで欲に溺れ彼女を夜の世界だったり芸能界に出そうと必死だったらしい…

ゆき

醜い家族だったわ

そう呟く彼女の目は遠かった

ゆき

スタイルを良くさせるために必死で…豆乳だの牛乳だの…ダイエットだの……

ゆき

まぁ、遺伝子が良かったお陰か辺に太ったりペッタンコになったりはしなかったわ

ゆき

それに、背もこんだけ伸びたし笑それに美人ちゃんに育ったし?美人でしょ?

そう笑う彼女の顔は…どこか寂しげだった

否定も肯定も出来なかった…否定をしたら彼女の努力を傷付けることになる…肯定しても…それが彼女の望む答えか 分からなかった

ゆき

お陰でやりたいこと…特に傷が出来るものとか太ったり肌が荒れたりするものは否定されたわ

そう言ってアイスコーヒーを飲む彼女

ゆき

それが嫌で…家族の死を望んだわ

特待生)え…

普段優しい彼女からそんな言葉が出るとは思わなかった

ゆき

家族の死を神様に願ったけど…無意味だった、悪魔契約に興味を持ったのは15の頃

ゆき

家族の死を神様に願ったけど…無意味だった、悪魔契約に興味を持ったのは15の頃

ゆき

図書館でね、そういう関連の話があったの…よくある【ファンタジー】よ

ゆき

代償…自分の命だと思っていたけど…案外そうじゃないのね

腰についてるホルダーに触れて笑う彼女

特待生)あ、あの……代償って?

ゆき

私の場合は悪魔人格…
【ツクヨミ】の憑依だったわ

特待生)つく…ん?

ゆき

ツクヨミ…漢字で書くと月に夜で見る

特待生)ほ、ほう…

ゆき

ツクヨミってね、月の神様なの

特待生)???神様…なのに?

ゆき

ん〜…ちょっと厄介だから省くけど…ツクヨミの悪い部分を集めた悪魔が私の前に現れたの

ゆき

まぁ、よくある【亜種】よ

特待生)あ、亜種ってよく聞きますけど……まだ見た事ないんですよね

ゆき

あら、会うものじゃないわよ?厄介で気持ち悪いから

特待生)ま、まぁ……それもそうですよね

ゆき

で、その憑依の後…すっごい疲れちゃうのよ、眠くて…指一本動かすことが出来なくなるの

特待生)あ、あの…ゆきさんのスティグマって

ゆき

私のスティグマは憑依、ツクヨミの負の部分を力として体に宿すの

ゆき

ツクヨミその物の憑依とは違うからそこんとこの理解よろしくね♪

そういう彼女は少し清々しい笑顔を浮かべていた

私は少し…何時もの彼女と違う雰囲気を感じ、今の彼女を密かに…心の中で嫌ってしまった

ショッピングモール跡地

ゆき

いよっと!

ガンッ!!…バタッ……

特待生)うわッ…

ゆき

奥進むよ、離れちゃダメだからね

私の手を強く握りながら右手には刀を握り締めているゆきさん

ゆき

やぁねぇ…こんな所で神隠しだなんて…

特待生)そ、そうですね…

特待生)肝試しか何かでよく人が入るらしいんですけど…出て来ないって

ゆき

んも〜、困った人たちねぇ……立ち入り禁止の文字が読めない間抜けじゃないだろうに

手袋越しに彼女の体温が微かに伝わる

溜息をつきながら奥へ奥へと進む

ゆき

スンスン……血生臭くなって来たな…

特待生)わ、分かるんですか!?

ゆき

獣人だからね、敏感なの

彼女は手を離し腰に手を回してきた

特待生)あ、あの……?

ゆき

手を握ったままだと避ける時に引っ張る形になるからね、怪我しちゃうから

刀をクルッと持ち変え刃を地面に突き刺した

ゆき

ちょっと怖くするからしっかり掴まってなよ

特待生)は、はい!

ゆきさんにしがみつくとゆきさんがボソボソっと呟き…地面にヒビが入った

ガラガラッ!!

床はすぐに崩れ私達は下の階に落ちた

特待生)うわぁぁぁあ!?!?!

ゆき

気を付けてね〜笑

地下 落下中

特待生)た、高い高い高い!!!!いやぁぁぁあ!!!

ゆき

大丈夫大丈夫〜

ゆきさんは刀を空中で持ち変え落下中にも関わらず警戒態勢に入った

ゆき

…スンスン…(臭い匂い……こりゃ何人か死んでるな)

思わず私も彼女と同じように顔を顰めてしまう

特待生)なに…この臭い……

ゆき

腐敗だよ、死体が放置され続けたんだろうね

ゆきさんは刀をまるで投げる様に構える

特待生)??

ゆき

見っけた…

そうつぶやき刀を思いっきり下に向かって投げ…少しするととてつもない悲鳴が聞こえ悲鳴が聞こえた後にゆきさんに抱き抱えられ地面に着地

ゆき

っと…怪我はない?

特待生)は、はい!(女性に抱っこされたの初めて…///)

照れて居るとゆきさんがいきなり後ろに下がり先程まで立っていた場所に刃物?見たいなものが突き出た

特待生)きゃぁ!!

ゆき

っぶね…

パチンッ

指を鳴らすと私の膝の下を通っていた手に刀が現れた

特待生)な、何なんですかいきなり!

ゆき

怪異だよ、ちゃんとくっついてな

ゆきさんの首に手を回し必死に引っ付く

ゆき

(本体は……奥だな、臭いがする)

ゆきさんは物凄いスピードで走り地面から現れる色んな攻撃をアクロバティックに回避、更に奥に進んでいく

とあるグールは愛され症

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