この作品はいかがでしたか?
603
この作品はいかがでしたか?
603
コメント
3件
一体何があったと言うのですか… 彼氏君の身に何が…:(´◦ω◦`): ストーリーの雰囲気全体が どこか静かで切なく漠然と謎に 満ちていましたが…とても 綺麗で素敵なお話でした! ゚+.゚(´▽`人)゚+.゚素晴らしいお話を 有難うございました!(♡´艸`)
なんていうか...凄いです!(語彙力ないんです...)
綺麗な話ですね
棘の道の先にあったのは__
◇
" ~触れたそれは~ "
◇
日曜日の夕日の射し込む部屋は
静かで、言い様のない
切ない気持ちになる.
ソファに座る私の膝の上に
頭を乗せた彼はスヤスヤと
寝息をたてている.
その寝顔は、とても綺麗で.
愛しい彼の頬に
そっと触れてみる.
久野 琳花
そんな言葉を投げ掛けても
彼は起きない.
久野 琳花
起きない彼の寝顔を見ては
ふと思う.
このまま、目覚めることなく
ずっとずっと私の側に
いればいいのに、と.
久野 琳花
吉田 玲
吉田 玲
そう言って
彼は起き上がった.
久野 琳花
思わず聞けば
彼は困ったように笑う.
吉田 玲
吉田 玲
久野 琳花
ただ、謝ることしかできなくて.
そうすれば彼は静かに
首を横に振ると
"それより"と言葉を紡ぐ.
吉田 玲
そう落ち着いた声で
問い掛けてくる彼に
やっぱり涙はとまらなくて.
そんな私を見つめる彼の手が
そっと私の頬に伸びる.
久野 琳花
そんな私の言葉に、彼は
少しだけ驚いたようにして
それから、優しく
目を細めて微笑む.
そして、そのまま
彼の手は私の頬に触れた.
吉田 玲
吉田 玲
温かい彼の掌の体温に混じる
冷たいもの. 私はそれが
いつも、嫌だった.
どうしようもなく
泣きたくなって.
"それでもいいから"と
手を伸ばしたのは、私.
"やめて"と耐えきれず
手を振り払ったのも、私.
吉田 玲
吉田 玲
そんな彼の言葉に
私は静かに頷いた.
吉田 玲
と握った彼の
左手の薬指には、嫌に
輝いて見える
綺麗な指環がある.
傷だらけになって、すすんだ
棘の道の先にあったのは
ほんの刹那の幸せと
耐えることのできない
傷みだった.
end.
ぜひ他のも 見てみてください!!⸜❤︎⸝