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私の従姉妹は、小さい頃から身体が弱くて、ずっと家に閉じこもって看病されていた。
私は彼女と滅多に会えなかったが
よく文通でやり取りをしていた
︎︎
ある時、手紙の中に
「好きな人ができました」
そう、書いてあったので
私は心から嬉しく思い、どこで知り合ったのか、どんな人なのか、色々知りたくて また一通送った
でも
帰ってきたのは、彼女からの手紙では無かった
︎︎
井戸に毒を盛られて死んでしまったらしい。
︎︎
私は涙さえ出なかった
唯一の友達だったのに。
まだまだあいつだって、
もしかしたら病気が治って
その好きな人と一緒に幸せになれたかもしれないのに
︎︎
私はすぐには彼女の元へ行けなかった
電車に乗るお金もないし、 私には両親がいない
10歳の時に、両親は旅行に出かけた
私は祖母の家に泊まっていた
2人は、旅行先か、帰り道かで何者かに殺された
私は知ってる
殺ったのは人じゃないってことを。
︎︎
その時からだろう
私が剣士を目指し始めたのは。
︎︎
従姉妹が死んだ時、丁度私は鬼殺隊として初めての任務に出ていた。
︎︎
その途中、鎹鴉から文を受け取った
従姉妹が死んだのは、多分鬼のせいではない
だけど何か、何か凄く嫌な感じがして堪らなかった
あの子達にも、鬼が関係してるような気がしてならなかった
︎︎
そして3年経った今、私は上弦の鬼と出会った
︎︎
猗窩座
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猗窩座
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猗窩座
︎︎
猗窩座
彼は何かを思い出すような素振りを一瞬見せた
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猗窩座
︎︎
︎︎
猗窩座
猗窩座
猗窩座
︎︎
私は馬鹿にされているような気がして怒りに満ちた
︎︎
︎︎
猗窩座
猗窩座
こんなに喋る鬼は初めてだ
︎︎
︎︎
︎︎
猗窩座
猗窩座
︎︎
猗窩座
そしてそいつは、後ろを向き走り去ろうとしたが動きを止めて私に尋ねた
猗窩座
︎︎
猗窩座
︎︎
︎︎
猗窩座
︎︎
猗窩座
猗窩座
猗窩座
猗窩座
︎︎
︎︎
猗窩座
何だこの鬼は、何故そんな質問をする
何を考えている?
猗窩座
︎︎
猗窩座
彼はそう言った後、目で追えないほどの速さで私の前から消えた
︎︎
︎︎
︎︎
数ヶ月後、私は川沿いの岩に腰掛けて空を見ていた
鬼殺隊に入ってもう数年経つ。
仲間も増えた
……
でもなんか
何かが欠けている気がする
ずっと。
︎︎
すると、後ろから視線を感じて
素早く起き上がって身構えた
︎︎
そこには誰もいなかった
最近よく、こんな事がある
︎︎
︎︎
その場を去ろうとした時、影から1匹の鬼が出てきて、私は戦った
幸い十二鬼月でもない鬼だった
が、
勝ったと同時に足を滑らせて川に落ち、頭を打って気絶してしまった
︎︎
︎︎
︎︎
落ちたはずの川ではなく、岸に横たわっていた
︎︎
すると、また上の方から気配を感じて目をやったが、その姿を見ることは出来なかった
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