ジーナ
?(な、何だコイツ…)
?
あの…僕…何がなんだか…
ジーナ
(…こいつ羽がないぞ?)
ジーナはハッとした
ジーナ
お前、黒羽か…!
?
え、?
ジーナ
羽を隠してるんだろう?
ジーナ
黒羽の妖精は良くすることだ…
羽が黒い妖精は社会的な地位も低く、よく差別された。
ジーナ
しかし自分以外の黒羽に
初めて会ったな
初めて会ったな
?
黒い…羽?
…みんな羽がはえてるの?
…みんな羽がはえてるの?
ジーナ
なにも知らないってことは
隔離妖精児か…
隔離妖精児か…
由緒ある家庭に生まれた黒羽の子供は隔離されて育つことが多い
隔離妖精児は外部からの情報が完全にシャットアウトされる。
ジーナ
(そしていなかったことにされるんだ…)
ジーナ
逃げてきたのか?
?
逃げてきた…?う、うん
ジーナ
お前、名前は?
ルイ
…名前……えっと、ルイ
ジーナ
ルイ?
ルイ
う、うん
ルイは不安げにジーナを見上げた
ジーナ
ん、俺はジーナ
ルイ
ジーナ…
ジーナ
ところでルイ、行くあてはあるか?
ルイ
え?
ルイ
わからない…
ジーナはニヤッと笑った
ジーナ
ま、どちらにせよ追われの身だろ?
ルイ
うん、でも、どういうこと?
ジーナ
俺が、かくまってやるよってことさ
ジーナ
ここが俺の部屋
ジーナ
(母さんがいなくて助かった)
ルイ
……ぐちゃぐちゃ
ジーナ
う、、、、
ルイ
本がいっぱいある…
ルイ
ガサゴソ
ジーナ
こ、こら漁るんじゃねえ!
ルイ
みんな難しくてよめない…
ジーナ
そりゃそうだ
ジーナ
お前まだ10つだっていってたろ?
ジーナ
その本は上級生用の参考書だよ
ルイ
へー
ルイ
ガサゴソ
ジーナ
ちょ、ちょ、ちょっとまった
ジーナ
そんな泥だらけの格好で歩き回るな
ルイ
…?
ジーナ
ほれ
バサッ
ジーナはタオルを渡した
ジーナ
風呂いくぞ
ジーナ
はい、風呂はここ
ルイ
広い…!
ルイ
風呂なんていつぶりだろう…
ルイは目を輝かせた
ジーナ
(げ、こいつ相当ひどい扱い受けてたんだな……)
ジーナ
…俺が洗ってやるよ
ジーナ
わかんないだろ?
ルイ
え、いや、、えっと
ジーナ
(周りに頼る方法も知らないんだな…)
ジーナ
ほら、いいから脱げよ
ルイ
あ、、
バサッ
ジーナはルイのボロボロのシャツを脱がせた
ジーナ
、、、、
ジーナ
え?
そこにはジーナの想像した 真っ黒な羽はなかった。
ジーナ
ルイ、お前、まさか…
ジーナ
人間、なのか?