気づいたらそう。
俺は暗いとこにいた。
何も思い出せなくて…
怖いとか…そんな感情なくて…
ただ、
泣いていた。
そしてまた目が覚めたとき。
俺は夜の街に立っていた。
よくわからないまま彷徨い始める。
少年
ふと目に入ったのは…
見覚えのある男と女。
少年
女性
男性
少年
目の前にいる2人が、 俺を無視して遠ざかる。
これが自分が死者なんだと 気づいた瞬間。
最初は戸惑った。
でも気づいたんだ。
俺は何回も死んで、何回も生きたんだって。
そこらじゅう歩く人…みんな見覚えがあって…
きっとこの世界を知り尽くしている 存在。それが自分なんだって…
死者はたまに未練を残す。
それを晴らす為に死んだ後も生きる。
輪廻転生っていうかな…
少年
そんな独り言も誰にも届かない。
虚しく消えていくばかり。
俺が生きた時は 全部思い出せない。
リセットされて、また始まって。
俺はたくさん未練を残したけど、
きっと晴らすことができたんだ。
それに気づいたのもその日。
1人の女性に出会ったからだ。
洋子
街中で1人、彼女は泣いていた。
黒いスーツを着た、可愛い女性。
少年
やっぱり見覚えがあった。
この人にも出会ったことある。
何回も生きた記憶の中で 何かがそういった。
もう生きられないのならせめて…
いつしか同じときを過ごしたはずの 彼女が…
なぜ泣いているのかを知りたい。
終着点にたどり着いた俺の…
最期の思いだった。
洋子
彼女は泣くばかりだった。
大切な誰かを失ったのか………
俺がただ見つめていた矢先…。
ふと彼女の視線が俺に向けられる
洋子
少年
彼女は俺が見えたのだ。
腫れた目で確かにこちらを見つめている。
少年
少年
少年
洋子
少年
洋子
少年
洋子
洋子
洋子
洋子
少年
少年
少年
洋子
洋子
洋子
洋子
少年
洋子
少年
洋子
彼女は笑った。
名も知らない自分に笑顔をみせた。
それが暖かかった。
少年
洋子
洋子
少年
少年
少年
少年
少年
きっと俺の人生は… いいものではなかった。
死んで、生きて、また死んで。
それをいい人生とはいえない。
俺は何を掴みたかったのか…
きっと答えは……
終着点であるこの 死後にあるのだから…。
洋子
彼女は笑った。
洋子
洋子
少年
洋子
やっぱり懐かしい
俺はこの人と…どう関っていたのだろう
前世で…この人の笑顔を向けられていたのだろうか…。
何もわからない。
でも…彼女にいっときの幸せでも 見せてあげたい
自然とそう思えたから。
洋子
彼女は朗らかに語る
洋子
洋子
洋子
洋子
優しい口調だった。
洋子
洋子
少年
彼女は本当に嬉しそうに語った。
洋子
洋子
少年
少年
洋子
洋子
洋子
洋子
少年
少年
洋子
少年
少年
少年
洋子
少年
洋子
少年
少年
少年
少年
少年
少年
洋子
洋子
洋子
少年
洋子
洋子
少年
少年
少年
少年
少年
洋子
洋子
洋子
洋子
少年
洋子
洋子
洋子
洋子
洋子
少年
洋子
洋子
洋子
少年
俺はようやく気づいた。
瓜ふたつなんかじゃない。
俺は…
少年
俺は裕太そのものだった。
でも前世のことは何一つ思い出せない。
そんな虚しい現実を。
洋子
少年
洋子
少年
少年
少年
少年
洋子
洋子
少年
洋子
洋子
洋子
洋子
少年
洋子
少年
そんなときだった。
記憶が蘇ったのは…
裕太
七海
その小さな体を抱きしめた日。
自分の分まで幸せになってほしいと 願った日。
後悔することなく人生を歩んでほしいと思った日。
そして………。
洋子
その笑顔を…幸せを…
彼女を……
守ると誓った日。
幸せを願った日のことを。
洋子
洋子
洋子
洋子
洋子
裕太
ようやく見つけられた幸せを…
手にした幸せを……
俺は実感することができたんだ。
洋子
洋子
洋子
裕太
もう悔いはなかった。
長い長い旅路……
辛い辛い世界……
その最後がこんなにも満たされていたこと…
幸せを見つけられたこと…
生きててよかったなって…
人生の終着点で…
俺は実感できたのだから。
次に目が覚めると、
俺は空の上を歩いていた。
fin。
コメント
7件
やばい…そんなことが…。もう本当に感動しました
何か凄く良かった♥グッとくるところもあり~人間は~生まれて死を迎えまた生まれ変わって 人生というレールの上をまた 歩いて行く
最高❣️^_^あ