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相澤桜子
蒼、怪我の具合はどう？
成瀬蒼
あ、桜子…
放課後、私は翡翠に内緒で病院にきていた
相澤桜子
(元気ないな…)
相澤桜子
(心配で今日も来ちゃったけど、蒼の怪我を見ると申し訳なくなる…)
成瀬蒼
…今日はアイツ、一緒じゃないんだな
私が考え込んでいると蒼がそう口を開いた
相澤桜子
え？…あ、うん
相澤桜子
今日は翡翠、用事があるみたいで…
成瀬蒼
そっか…、なぁ桜子
成瀬蒼
お見舞い、もう来なくていいから
相澤桜子
え…
相澤桜子
なんで…ッ
成瀬蒼
いや、俺あと一週間ぐらいで退院できるしさ、
成瀬蒼
彼氏できたばっかなのに俺に気を使わなくていいよ
相澤桜子
…ッでも、
成瀬蒼
それに、悪いけどしばらく会いたくないんだ
ズキンと胸が痛くなる
相澤桜子
(どうして…)
蒼とはずっと仲が良く、拒絶されたことなんてなかった
相澤桜子
…わ、私何かした…？
成瀬蒼
……
震える声で何とか尋ねたが蒼は答えてはくれなかった
相澤桜子
(もしかして…ッ)
相澤桜子
気づいたの…？
成瀬蒼
え？
相澤桜子
ごめんなさいッ！
成瀬蒼
？！
成瀬蒼
なんで桜子があやま…、
相澤桜子
自分を怪我させたのが翡翠だってわかったんだよね？
相澤桜子
私と関わったせいで怪我させられたってことも…
相澤桜子
それなのに…ッ、側にいようとして、怪我させちゃって本当にごめんなさい…ッ！
成瀬蒼
…どういうことだよ？
成瀬蒼
俺に怪我を負わせたやつがアイツで…、桜子に関わったせいで…？
相澤桜子
えっ、
相澤桜子
(ウソでしょ…蒼は知らなかったの？)
相澤桜子
(じゃあなんであんなこと…)
成瀬蒼
どういうことなんだよ桜子…
相澤桜子
あ…、いや、えっと…
私は躊躇った。
相澤桜子
(蒼にこの事を教えたら、また翡翠に狙われるかも知れない…)
相澤桜子
(どうしたらッ…)
成瀬蒼
桜子ッ！
うつむいていた私の顔を蒼が上げた
相澤桜子
蒼…
成瀬蒼
桜子、何か事情があるんだろ？一人で抱え込もうとするな…
成瀬蒼
…俺がついてるからッ！
相澤桜子
…ッ！
彼の色素の薄い瞳が私を捉える
相澤桜子
(そうだ…小学生の時も、翡翠に襲われたこと、お母さんにも言えなくてとても不安だったけど、)
相澤桜子
(蒼が話を聞いてくれて、守ってくれるって言ってくれて心強かったな…)
相澤桜子
でっ、でもさっき『会いたくない』って…
成瀬蒼
…ッ俺、怖かったんだ…
相澤桜子
えっ？
成瀬蒼
いつも側にいて、桜子の事を守ってきたはずなのに、
成瀬蒼
桜子が選んだのはアイツだった…
成瀬蒼
正直、凄いショックだった。何でアイツなんだってね…
成瀬蒼
それで、いつか嫉妬にかられて桜子を傷つけるんじゃないかって…
成瀬蒼
だからって、あんな一方的に突き放すようなこと言って本当にごめん…！
相澤桜子
蒼、それってもしかして…
今にも消え入りそうな声で彼が呟く
成瀬蒼
そうだよ…好きなんだ、桜子のこと…ッ
相澤桜子
/////…ッ！
相澤桜子
(…蒼が、わ、私の事を好き？)
相澤桜子
(夢みたい…)
蒼にはただの幼馴染みとしか見られてないと思っていたから、予想外の告白に胸が高鳴る
成瀬蒼
…なぁ桜子、教えて欲しい
成瀬蒼
どうして俺がアイツに危害を加えられたのか…
相澤桜子
…ッ
成瀬蒼
頼りないかも知れないけど、じ、自分の好きな人ぐらい守りたいから…ッ！
照れながらも蒼ははっきりそう言ってくれた
相澤桜子
(あぁ、私バカだ)
相澤桜子
(蒼はこんなにも私の事思っててくれたのに、一人で抱え込もうとして…)
相澤桜子
(いつもみたいに頼ってよかったんだ)
相澤桜子
ありがとう…、蒼…
私は蒼に説明することを決めた
二人でこの試練を乗り越えるために…
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