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憧れた瞳はいつか

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憧れた瞳はいつか

5 - 第5話 迎えに行くと誓う

♥

30

2021年10月12日

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なおきり

はぁ…はぁ…

逃げ出して走り続けた。

彼女が着いてきていないのは知っていたが、ずっとずっと走っていた。

そうしないと、自分の感情が抑えられる気がしなかったから。

歩き出すと後悔の悲しみが溢れだしそうで僕らしくないから。

いや、泣いて忘れた方が、僕的には軽いのかもしれない。

でも、忘れられるか?あの子の事を。

帰路をそれて走り続けた。

急に静かになった公園に一人。

ただ立ち尽くすだけで何も出来ない私は、忘れようにも忘れられない姿に浸っていた。

帰りたくなかった。お話していたかった。

いなくなった彼にもう告げられない後悔の言葉が少しずつ溢れてくる。

『ああ、そうだ…もう今は話せないんだ…』

忘れて欲しいと自分から言ったくせに忘れられない。

どうしても蘇る彼の姿に、少しだけ涙を流した。

帰ろう。そう思ってやっと帰路に立った。

その日から、何度もその公園を覗いた。

たまに見かけることもあったが、声をかけたりはしなかった。

なおきり

ッシ!
翔!

楽しそうに取り組む姿。

最後に交した忘れるという約束。

忘れられないのは私だけなのだろうか。

周りが秋に染るころ、私たちはもう一度話した。

なおきり

シオンちゃん!

木々が赤く秋になりかけていた頃、僕はもう一度だけ彼女を見つけることが出来た。

本当は毎回のように見つけていたが、タイミングが分からず、話しかけていいのかも分からず躊躇していた。

シオン

……なんで?

恐る恐ると言った感じで振り向いた彼女の第一声はこれだった。

シオン

忘れてくれなかったんですか…?

なおきり

シオンちゃんも覚えてんじゃん?

シオン

……っあ

やっちゃったと言いたげに口元を塞ぐ彼女。

僕の一目惚れはまだ冷めていなかった。

シオン

……なんか、ごめんなさい

なおきり

なにが?

シオン

私が忘れられなくて…

なおきり

いや、逆に嬉しいよ
……覚えててくれて

なおきり

僕が夜に最後に言った言葉覚えてる?

シオン

『ごめんね?』

なおきり

……んー、合ってるけど…
好きだなって言ったこと覚えてない?

シオン

……撫でてくれた時ですね

なおきり

正解♪

大きく息を吸って、伝えるんだ。

なおきり

僕さ、今でも好きなんだ。シオンちゃんのこと。

なおきり

でも、あと数ヶ月で他の県の高校に行くから…さ……?

なおきり

3年後、戻ってきてまた絶対シオンちゃんのこと見つけるから!

なおきり

……付き合ってくれませんか…?

シオン

……3年後、本当にまたもう一度見つけてくれるなら、

シオン

また好きだと言ってくれますか…?

なおきり

言う!ちゃんと言う!

なおきり

それまで誰にも奪われないでよ?

シオン

時と場合によります

なおきり

シオンちゃん!?

冗談ですよと言いたげにクスクス笑う彼女。

絶対に戻る。そう誓って約半年後、その県を後にした。

はい、どうもこんにちは。
あともう1話くらいですかね。

なおきり

付き合って終わりじゃないの?

番外編にするのも考えたんですけど、切りよく終わらせた方がいいかなと

なおきり

なるほど?

シオンちゃんが『はい、よろしくお願いします』とも言ってませんし。

皆様、毎度♡とコメントありがとうございます
これからも自分のペースで頑張ります

それではまたどこかで

おつぴち

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おお!

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