テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

高野 いろは

これと…これを…入力するってことだよね

メモに丁寧に記載されていたログインIDやパスワードで、その掲示板にログインを試みる

すると、案の定すんなり入れた

高野 いろは

高野 いろは

(…入れちゃった)

心のどこかでは思っていた

この掲示板のIDやパスワードじゃなかったらいいのに…って

そんな思いもむなしく、するりとログインできてしまった

高野 いろは

(こんな分かりやすいとこにメモしとくとか、単純すぎるんだけど)

自分の夫ながら、セキュリティもなにもあったもんじゃないなと改めて思った

スクロールしていくと、そこには、色んな書き込みが見えた

本名の人もいれば、分かる人にだけ分かるような名前で書き込みしている人もいた

あいこ

今日は誰とも約束していないので、誰か遊びませんか~?

ゆうた

今夜嫁いないんで、俺んち誰か来ない?ワンナイト限りで!

みゆ

バレちゃいけない身なので、スリルを味わいたい人募集中~♪

さとし

嫁もここで相手探してるみたいだし、俺も~。愛人募集させて~

高野 いろは

(うわ…なにこれ)

高野 いろは

(このマンション、おかしいよ…)

高野 いろは

(本当にそういうことが横行してるんだ…)

すると、仁香ちゃんママの書き込みも見つけてしまった

ひなの

刺激が欲しい~~!誰か私と不倫しましょ♪

高野 いろは

…!

高野 いろは

(桔平ももしかしてここで…仁香ちゃんママとつながったの!?)

色んな住人の書き込みをスクロールしながら見ていたら、気持ち悪くなってきた

高野 いろは

…っ

高野 いろは

(ダメだ…ログアウトしよう)

『ログアウト』タップをして、掲示板を閉じた

40分後

莉緒と夫がお風呂から出てリビングへと戻ってきた

もちろん、スマホはちゃんと元の位置に戻した

高野 いろは

(見たことがバレるわけにはいかない)

高野 莉緒

ママ~!パパね、おうたうたうのじょうずなんだよ~♪

高野 いろは

ふふっ、そうなのね~笑

莉緒はパパが大好きだ

その大好きなパパが、友達のママとイケナイことしてるなんて知ったら、絶対に悲しませてしまう

高野 いろは

(今は小さいから意味が分からないだろうけど)

もう少し大きくなれば、何となくでも意味も分かってくる

高野 いろは

(ほんと、莉緒を悲しませることはしないでほしい!)

高野 桔平

よし、莉緒~テレビ観るか~!?

高野 莉緒

みる~♪なにみる~?

高野 桔平

莉緒が好きなやつ観ていいぞ

高野 莉緒

う~んとねぇ…でかまるこちゃんみる~!

高野 桔平

おっ、いいな♪パパも観ようっと

高野 桔平

ほら、莉緒…パパの前に座っていいよ

高野 莉緒

は~い♪

ぴょこんと、夫の前に座る莉緒

この様子だけ見ると、いかにも仲睦まじい親子にしか見えない

高野 いろは

(毎日これだったら文句ないんだけどね)

もう私は、夫のことを今までと同じ目では見れない

完全に見る目が変わってしまった──

午後11時

私が寝室に向かうと、莉緒は既にぐっすり眠っていて、夫は横になっていた

高野 桔平

いろは、莉緒のためにももう少し、こうさ…なんていうか

高野 桔平

俺たちの会話も──

高野 いろは

…………

無言で夫を見つめる

高野 桔平

…!

高野 桔平

(やっぱり、少し前から様子がおかしい)

高野 桔平

(陽菜乃さんとのことは…バレてないはずだよな?)

高野 桔平

(いろはのほうから何も言ってこねぇし)

高野 いろは

莉緒の前でだけは気を付けるね。おやすみ

高野 桔平

…っ

私は莉緒や旦那のほうは向かず、そっぽを向いて眠りについた

数日後

莉緒が通っている保育園で親子遠足が行われた

遠足といっても、各自お弁当を持参してバスで自然豊かな場所へ行き

親子の触れ合いや、レクリエーションをしたりする遠足なのだ

高野 莉緒

ママ、たのしみだね♪

高野 いろは

そうね!

高野 いろは

あっ、そうだ…莉緒。これだけは約束してくれるかな?

高野 莉緒

なに~?

高野 いろは

知らない人とかにはついていっちゃだめよ?

高野 莉緒

うん、わかった!ママのそばにいるね

高野 いろは

うん

高野 いろは

(この子は誰に似たのか…聞き分けがいいのは助かる)

高野 いろは

(今までもほとんど手のかからない子だった)

高野 いろは

(小学生になったら、色々反抗期とかもあったりするんだろうけど)

目的地に着いてからは、その自然の中で親子でゲームをしたり、

他の親子とペアになったりして、レクリエーションを楽しんでいた

そして、お昼時になり…

保育園の先生

はい、みなさ~ん!ランチタイムにしましょう!

保育園の先生

目の行き届く範囲で、ご自由にお食事してくださいね

先生の言葉を合図に、各々ランチタイムに入った

私は、来人くん親子や澪ちゃん親子といるようにした

高野 いろは

(できるだけ仁香ちゃんママとは離れていなきゃ…)

高野 いろは

(考えないようにしてても、色々ちらつくんだよね)

澪ちゃんママ

高野さん、こっちで食べましょ?

高野 いろは

はい!

来人くんママ

ここ広くていいですね!

子どもたちは子どもたちで座り、親がお弁当の準備をしていた

するとそこへやって来たのは、仁香ちゃんママたちのグループだった

片岡 陽菜乃

わぁ~いいなぁ~

高野 いろは

…!?

澪ちゃんママ

あれ?片岡さんたちは別の場所で食べるんじゃ?

片岡 陽菜乃

そうだったんですけど~場所取られちゃいまして…

片岡 陽菜乃

私たち二組なんで、一緒にここで食べてもいいですか~?

来人くんママ

私はいいけど…

澪ちゃんママ

私もいいわよ

高野 いろは

(そんな私だけがダメなんて言えないじゃん…)

高野 いろは

どうぞ…

片岡 陽菜乃

ありがとうございま~す♪

片岡 陽菜乃

あっ、そうだ~!せっかくですし、連絡先とか交換しません?

片岡 陽菜乃

今までお茶会とかも、偶然会ったりしたときに声かけたりしてたじゃないですか~?

片岡 陽菜乃

連絡先を知ってれば、いつでも連絡することできますし!

来人くんママ

そういえば、まだ交換してなかったですね笑

澪ちゃんママ

そうね。知ってるほうが便利だし、ぜひ…

5人のママがそれぞれスマホを出して、チャットのID交換をした

もう逃げられない

瞬時に私はそう悟ってしまった

澪ちゃんママ

さぁ、食べましょうか

高野 いろは

そうですね

片岡 仁香

いただきま~す

高野 莉緒

いただきます!

子どもたちもそれぞれ、ワイワイ話しながらお弁当を食べている

親も親で談笑しながら食べていた

30分後

私は食べ終わったため、お手洗いに行こうと

隣に座っている澪ちゃんママにだけ伝えて、少しだけ席を離れた

高野 いろは

(莉緒も他の子どもたちも、まだお弁当を食べてるし…)

高野 いろは

(ほんの数分離れるくらい大丈夫だよね?)

10分後

元の場所に戻ってくると、皆は片付けを始めていた

澪ちゃんママ

澪ちゃんママ

高野さん、莉緒ちゃんもお手洗いに行ったの?

高野 いろは

えっ?来てませんでしたけど

澪ちゃんママ

さっき子どもたちも食べ終えて、そこで遊び始めたんだけど

澪ちゃんママ

莉緒ちゃんだけいないのよ…

高野 いろは

えっ!?

片岡 陽菜乃

…………

来人くんママ

どこいっちゃったんでしょう!?

片岡 陽菜乃

探しましょ!

周りには他の親子グループがいくつもあるため、誰かと遊んでいるのかもしれない

高野 いろは

(そうよ…きっとそうだわ!)

そう思いつつも、胸騒ぎがしていた

5分後

一緒にいたママ友たちも一緒に探してくれたけど、莉緒はなかなか見つからない

高野 いろは

(どうしよう…莉緒!!どこに行っちゃったの!?)

この作品はいかがでしたか?

11,022

コメント

6

ユーザー

シリアスな場面だけど、でかまるこちゃんで笑った

ユーザー
ユーザー

3話目を読んでいただき、ありがとうございます🙏 いろはの娘ちゃんである莉緒が行方不明に⁉️ どこへ行ったのでしょう…💦

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚