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モブ
真っ青になった女子生徒がぶつかった円城寺に謝る。
普段の円城寺なら「大ッ丈夫!美人さんに怪我無くてよかったぁーっふぅっ!」ぐらいな軽口で返せるのだが、
このときは違った
ぶつかった少女の手にあったのは水がたっぷりと入った花瓶だったのだ。
曲がり角でぶつかった衝撃で花瓶の中の水は宙を舞い、円城寺の顔面に景気よく被ったのだ。
邪視(ジジ)
こうして、円城寺は邪視になってしまったのである。しかも、運の悪いことにそこにはオカルンやモモはいなかった。
むなしく、ポタポタと円城寺の髪の毛から水滴が垂れ落ちる音だけが廊下に静かに響く
モブ
いつも陽気なジジが何も反応を返さずボーっとしているのを見てすごい怒ってると勘違いした女子生徒は焦りながらポケットをまさぐる
邪視(ジジ)
モブ
邪視(ジジ)
水ごときで負けんと呟くと、スタスタと、何もなかったかのように邪視はその場から離れた
邪視(ジジ)
不運と思われた円城寺仁だが、唯一運が良かったと言えるのは毎週約束している殺し合い(遊び)の日が今日では無かったことである。
もし今日が火曜日なら変身した途端、道ゆく障害物を破壊しながらオカルンを殺しに向かっていただろう。 邪視にとっては火曜日が待ち遠しくて仕方がないのにその前日に呼び出されても、遊べないのでフラストレーションが溜まって仕方がなかった。
モブ
さっさと帰って寝てしまおうと足早に帰ろうとする邪視を呼び止めるのは放課後教室に残っていた円城寺のクラスメイトである。 親交も知ったことでは無い邪視は無視を決め込んで帰ろうとするが、「おい、待てって、来ないと後悔するぞ!」というクラスメイトに強引に腕を引かれ教室の中へと連れ込まれた。
邪視(ジジ)
モブ
バッ!と邪視の目の前に見せられたのは一冊の漫画本だった。
邪視(ジジ)
モブ
邪視(ジジ)
邪視は気まぐれに渡された漫画本を受け取って教室のドアにドカッと座り込む。 読んでみるとは言っても長年閉じ込められていた邪視に字など読めるはずもなく絵をただ見るだけである。 大人しくペラリ、とページを捲る。 登場人物の2人の男女が鮮やかなカラーイラストで描かれたイラストが飛び込んだ。
邪視(ジジ)
モブ
確かに言われれば紙面に描かれた主人公らしき青年は円城寺である時の髪色とは違い、プラチナではあるが、その優男のような顔は正にそっくりだった。 主人公と相対す様に描かれている白髪の鋭い目つきの女は性別こそ違えど、そのダウナーな面差しは変身した時のタカクラに似ていると邪視はひっそり思った。
その漫画には、正確なジャンルは違うが、最初はバトルものと言って差し支えない血肉湧き踊る戦闘シーンが続く。 そのド派手なアクションシーンに邪視はなんだかんだでワクワクしながら絵の中の2人とタカクラと戦う自身に姿を重ねて読み進めていった。
見たこともないアクロバティックな動きに明日の遊びに取り入れようと思いながら次のページをめくった時だった。
邪視(ジジ)
そこは先ほどまで命を懸けた戦いをしていた二人による猛烈なキスシーンが繰り広げられていた
モブ
なんだこれは、という困惑を隠せないが、その手は止まることを知らない。 進めていけば行くほど内容は過激になっていく 拘束された腕に、暴れ回る足、 体をまさぐられ、跳ねる身体に、破られる服 怒張した魔羅を 快楽で濡れた股ぐらに挿し入れられ、 そこからはもう止めることのできない性衝動に突き動かされ互いに獣の如く貪り合い、 混ざり合う体液、 喜ぶ身体に、 憎しみあいながらも目が離せない2人、 邪視にはとっても刺激が強かった。
バァァァン!!!
勢いよく本を閉じた邪視は顔を真っ赤にしながらキッ、と渡した張本人を睨みつける
邪視(ジジ)
モブ
お前も男なんだし興味あるだろ、と下品にも腰を振る仕草をして笑う。
モブ
周りの女子と言われ、邪視の脳裏にモモや愛羅がぽんぽんと浮かぶが、邪視にとっては遊び相手はただ1人と決めている。
邪視(ジジ)
モブ
何も知らないクラスメイトにとって、今の発言はクラスでも人気の高いイケメン円城寺が隣のクラスにいる眼鏡陰キャのオカルトオタク高倉に恋してるという、モモが好きだろう円城寺にとっては酷い誤解になる話だがそんなことは知る由もない。
モブ
邪視(ジジ)
モブ
邪視(ジジ)
邪視の白い肌が顔に血がのぼっているのが分かるほど真っ赤に染まった。 こんなにも分かりやすく動揺する奴初めて見たぞ、クラスメイトは目の前のイケメンのガチの照れ顔という姿を見て気恥ずかしくなったって視線を彷徨わせて下を見た。
モブ
デカい 思わずガン見するのも無理もない。 体格がいいとは思っていたがイケメンはアソコも立派なのか。 主張する股間のテントを見られていることに気がついた邪視はカッ、となって本をクラスメイトへ投げ捨てた。
モブ
すぐ隣にいたはずの邪視はいつの間にかいなっていた。 いきなり1人残されたクラスメイトは誰もいなくなった教室で呆然とした。
モブ
どうりであんなに爆イケな美女に囲まれてるのに興奮で挙動不審にもならないのか、と イケメンの誰も知らない秘密を知ったクラスメイトは心の中でそう結論つけた。 投げつけられたエロ本を大切に鞄にしまい「俺も帰ろ」と教室を後にした。 誰もいなくなった教室は先ほどの喧騒とは打って変わり開けっぱなしの教室の窓から入る風でカーテンが静かに揺らめいているだけだった。