youside
倒れた後、保健室にて
意識が戻り、はっとして目を開けた。 消毒のツンと鼻を付く匂い。 私は、演習の時倒れたんだ… その後の記憶は… ない。
怜
誰がここまで運んでくれたんだろう… 叫ぶ先生の声が聞こえて… 誰かがおぶってくれた…
スー、スー、
誰が寝てる…? ていうか、沈んでる気が…
瀬呂
いや、お前かよ!? もしかして運んだのは、瀬呂…?
怜
いや、今は寝かせて置こう…
リカバリーガール
怜
リカバリーガール
私を… 大事にしてくれている…?
怜
今まで、ずっと… ずっとずっとずっと… 助けられる事なんて無かった。大事にされる事なんて無かったのに…
瀬呂
助けてくれなかった。 ヒーローなんて上っ面だけの名前だと思ってた。 けど、瀬呂は助けてくれた。 瀬呂は、私の…
怜
あれ、何で泣いてるんだろ… 悲しくなんて、無かった。 悲しいなんて言ってられなかったのに… 心があったかい気がして… 溢れ出す涙を止めれない…
ガバッ
瀬呂
起こしちゃった、 かな… 泣き止め、泣き止め、止まれ、止まれ、止まれ!! 涙… 止まってよ…
怜
瀬呂
怜を抱きしめて
怜
何で… 何で、素直になれないんだろう… 同情なんか、されたく無かった。どうせ。 " どうせ "助けてくれない… はずだった。
瀬呂
五月蝿い、 聞こえの良い事ばっかり言って… 助ける素振りだけで… 本当は、助けてくれない… 助けようなんて思ってない… 名義だけの " 偽善者 "。 その… そのはず… だった。
怜
困っている人を助けるどころか、更に困らしてしまう… それが、私。ヒーローになんてなれっこないんだ。
瀬呂
怜
ずっと、否定され続けてきた。 辛かった。同情してくれて、嬉しかったのに。 ある日突然、否定して来るようになった。 私は、"出来損"だって。 本当は居なくても良い… なのに、瀬呂は受け入れてくれた。こんな私でも…
怜
瀬呂side
眠りに付いた瀬呂
夢の中
離れていく悲鳴と手の甲に付く涙の1粒。 すり抜けて行く手。必死に助けを求める君は、俺に手を伸ばしていた。 けれど… 俺は掴めなかった。怖かった。怖くて、身体が思うように動かなくて、君の手を離してしまった。 「怜!!怜!!」 やっと動いた時には、君がもう力尽きた時… けれど… 君のその一言が俺の心に傷を入れた。 『裏切り者!!』 辛かった。 君にそんな事を言われるなんて、心の底から憎むような眼力で俺を睨みつける君。 俺は!! 怜を裏切ってなんか… ない… のか? 裏切ったのか…? 俺は、どうしたら… どうしたら、どうしたら…
怜
ガバッ
瀬呂
何で、怜が泣いてる…? また、俺が傷つけた…? 俺のせい…? 全部…俺のせい… 全部全部…
俺のせい、なんだ。
創作者
瀬呂
怜
Plus ultra!!
コメント
2件
見るの遅れてしまった、、、