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【参加型】酷く青い空だった。

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【参加型】酷く青い空だった。

第6話 - 6.大切なもの

210

2025年09月10日

#創作

#うちの子

#うちよそ

#ピンクメッシュ

#参加型

#コラボ

雪みかん@9月病なう

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210

雪みかん@9月病なう

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第六話. 「大切なもの」

ツァイル

！………ぉ、わ…

次に出た所は、どこかの教会のようだった。

神や仏に疎い自分には分からないが、きっと、信仰心の強い人ならば馴染みのある光景なのだろう。

先程までの喧騒はとうに消え失せ、ピアノが静かに優しい音色を奏でていた。

揺籃ｰYurikagoｰ

……凄いな、教会なんて初めて来たぞ

雪ｰYukiｰ

なんか
祈っといた方が良い？頭が良くなりますように！

新鮮な空気に興奮しているのか、皆キョロキョロと辺りを見渡している。

消愿さんも落ち着いた表情で、眠たそうに目を擦っていた。

海人ｰKaitoｰ

先程までと、随分様子が違いますね……

フレア

そうだネェ、何だか眠くなって来た……ヨォ

打って変わった雰囲気に思わず拍子抜けしてしまうが、慌てて首を振って眠気を吹っ飛ばす。

こんな所で眠っている場合ではないのだ。

小山ｰOyamaｰ

……この教会は広いから……探索が大変そうだね

花楓ｰKaedeｰ

そうだね、また手分けして探索した方がいいかも！

パフ

じゃあ、
私とツァイルは壁に何か書かれていないか探すわね

ラミラ

じゃあ俺とカシアは床を重点的に見てみるよ

カシア

（えっ……可愛い女の子と一緒にいたかった……）

勧奈ｰKannaｰ

じゃあ、
私とフレアさんはあっちの方を見てきますね！

フレア

バルッて呼んでネェ！

勧奈ｰKannaｰ

……バルさん！

小山ｰOyamaｰ

（じゃあ、僕も探してみるとするか………）

……とは言っても、自分は何処で何を探せば良いのだろうか。

今回も、謎解きの紙を探すのなら目的が分かっていて簡単かもしれないが、必ずしも紙に書かれているとは限らないし、

そもそも今回は暗証番号じゃないから、前回と同じようには行かないかもしれない。

教会の扉は押しても開かなかったし、近くに謎の空洞があったから、きっとそこに入れる何かがあるのだろう。今回は、それを探せば良いのだろうか。

小山ｰOyamaｰ

（とりあえず、
椅子に何か手掛かりが無いか探してみよう………）

僕は、一番近くのチャーチベンチに近付き、手で優しく撫でてみた。

……何も分からない。

小山ｰOyamaｰ

（……僕は、何を
しているんだろう………）

小山ｰOyamaｰ

………ん？

ふと、長椅子の裏側に何やら彫られた形跡があるのを発見した。手で触れると、ボコボコしている。

小山ｰOyamaｰ

（何だろう……これ）

床に手を付き、椅子の裏側を覗いてみる。暗くて読みにくいが、こう書いてあるようだ。

この世界で一番大切なものってなあに？

小山ｰOyamaｰ

……大切な…もの？

取り敢えず、僕一人では何も出来ないだろう。誰かを呼んで、皆で考えよう。

◆　◆　◆

消愿ｰSyogenｰ

ふぅむ……、
“この世界で一番大切なもの”、ですか

向葵ｰHimariｰ

何だろうね……。命とか？

彼らと情報を交換すると、僕らはすぐさま謎解きに取り掛かった。

まず、全員で「この世界で一番大切なもの」を考えてみる事にしたのだ。

夏希ｰNatukiｰ

私にとっての大切なものは研究道具……とかだけど、
流石に違うわよねえ

ツァイル

この世界だから……
やはり命かそこら辺の類だろうが……。

勧奈ｰKannaｰ

でも多分、物体ですよね。きっと、あそこの空洞に入れたら扉が開くんですよ！

それぞれ自身の大切なものを発表するが、イマイチピンと来ず、皆で頭を捻らせていた。

雪ｰYukiｰ

うーん……物体？
現金とか？

揺籃ｰYurikagoｰ

いや、赤ちゃんグッズだろう！そうに決まってる！

ピンクチャン

ウウム…裏をかいて、青い物でしょう！

小山ｰOyamaｰ

えっと……、美味しいご飯は大切だと思う、よ

ピンククン

ウーン……。どれもピンと来ませんね

皆、頭を悩ませる。

いくら考えても答えは出ず、良いとは言えない状況だった。

そもそも、人によって「大切なもの」は異なるのだ。自分達の大切なものと、この問題（？）を考えた人間の大切なものは違うかもしれない。

パフ

はあ……どうしたものかしらね………

カシア

……取り敢えず、適当に色々入れてみない？

秋霞ｰAkikaｰ

いーじゃーん！
賛成賛成ー！

ラミラ

数撃ちゃ当たる戦法だね…賛成。

フレア

ボクもソレが良いと思うナァ！入れてみようヨ！

消愿ｰSyogenｰ

まあ、
それが良さそうですね。試してみましょう！ハハ！

このまま考えていても何も変わらないと思ったのか、カシアさんが一つの提案を持ち掛ける。

僕らもそれを呑み、早速、色々な物を入れてみることにした。

揺籃ｰYurikagoｰ

まずは赤ちゃんグッズだな……。絶対にこれが一番大切な物だと思う

フレア

イヤナンデヤネン！

小山ｰOyamaｰ

あり得ないでしょ………

ツッコミどころは多々あるが、取り敢えず勢いに任せてベビー用品を空洞に突っ込む。

……だがしかし、教会の扉は開く気配を見せず、辺りを静まり返らせた。

揺籃ｰYurikagoｰ

な………何故だ！？
赤ちゃんグッズのどこが駄目なのだ！？

揺籃ｰYurikagoｰ

こ、これは赤ちゃんを安全に育ててくれて、育児をサポートしてくれる、ご両親の心強い味方なのに……！さらに、赤ちゃんの成長や発達を促す機能も備わっていて、何とも万能な物なのに……！！

揺籃ｰYurikagoｰ

そもそも、赤ちゃんグッズは見ているだけで心が安らぐ美しいグッズだろう！？この世で一番大切なものと言っても過言では無い……、と言うか事実なのに、何故………っ

雪ｰYukiｰ

はいはい、赤ちゃん語りはまた今度にしようね

　

夏希ｰNatukiｰ

じゃあ……次は私の薬品でも入れてみましょうか

花楓ｰKaedeｰ

（よりにもよって、絶対に一番では無いものを……）

次に入れるものは、夏希さんが何故か隠し持っていた謎の薬品（臭い）だった。

結果は目に見えていて、案の定、空洞に入れても何も起こらない。

それを見ていた彼女は残念そうにしていたが、まあ仕方のない事だったのだろう。

ツァイル

うーん……。大切なものって一体何なんだ……？

勧奈ｰKannaｰ

物体なのは間違いないと思うんですけど……。
………分からないなあ

揺籃さんと夏希さん以外に、重要そうな物を持っていなかった僕らは、また手詰まってしまった。

形のないものならいくつでも浮かんでくるのだが、空洞に入れるとなると、何か形があった方が良いと思うのだが………

……そう、僕らが悩んでいた、次の瞬間。

カチリ、と何処かから音が鳴って、教会の扉がゆっくりと開け放たれた。

カシア

………え？何？何で？

向葵ｰHimariｰ

今、
誰か何か入れた……？

慌てて辺りをキョロキョロと見渡すと、秋霞さんが自分の髪……ピンクメッシュを入れた部分を持って、固まっていた。

彼女の髪の一部分は、空洞の中に入っている。

秋霞ｰAkikaｰ

……いや……
ちょっと、出来心で……。

秋霞ｰAkikaｰ

開くかなあって……思ったんだけど………

小山ｰOyamaｰ

あ……開きました…ね

ピンククン

オミゴトです！

秋霞ｰAkikaｰ

へっへへ〜。どうも？
報酬はお酒でいーよ

どうやら、この世界で一番大切なものとは、ピンクメッシュを入れた髪……、いや、ピンクなら何でも良いのだろうか？

とにかく、桃色の何かだったようだ。

雪ｰYukiｰ

んなの分かるわけないじゃ〜ん………。

雪さんがそう不満をこぼすが、何はともあれ、扉は開かれた。

扉の先には、僕達が居た大広間が広がっていて取り敢えず、一つ目の扉はクリアしたということになるのだろう。

ツァイル

よく分からないが……まあ開いたのなら良かったよ

ツァイル

とにかく、此処から早く出よう……すぐに出よう。

ツァイル

此処にいると落ち着かないんだ

パフ

あらツァイル……、

海人ｰKaitoｰ

そうですね……行きましょうか。

フレア

……ハァ〜……。コレ、いつマデ続くノカナァ…

既に疲労感を覚えながら、僕らは桃色の教会を後にした。

続く