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才能が欲しかった
私は才能がなく、全部が普通
それに比べ私とほぼ同時に生まれた双子の姉には
うらやましいくらいの才能があった
勉強の才能、運動の才能、そして音楽の才能
音楽の才能は私が欲しくてたまらないものだった
私が成績やコンクールの賞を見せるたびに
「姉より下じゃないか」「双子の姉と同じくらいの成績をとらなければお前の価値はない」
「失敗作」「お前みたいな子を産むんじゃなかった」
そういわれ続けた
最初は私もそれにあらがった
絶対、見返してやる、負けるもんかって
でも同じことを何回も言われ続けるたびに
あぁ、私は壊れたただの人形なんだと思うようになった
そして、初めてそれを思った時、
私の中の何かが音を立てて崩れた
私はお人形。壊れた人形だよ?
大人しくガラクタの人生を歩むよ
あれ、
今の私って…
ほントのワタしなノ?
私は、男装を始めた
家出もした
自分でもわかってた
私は壊れてるんだって
寧々
湊(男装時の名前)
寧々
湊(男装時の名前)
どうして皆"壊れた人形"の僕にかまうの?
時間の無駄だよ?
杏
湊(男装時の名前)
湊(男装時の名前)
違う
僕は…私は歌で自分の事を理解してもらいたいだけ
叶わない我儘
瑞希
瑞希
湊(男装時の名前)
湊(男装時の名前)
瑞希
瑞希
湊(男装時の名前)
心が少しもやもやするのはうらやましいだけ
そう、僕のどうでもいい感情
ミク
ミク
湊(男装時の名前)
湊(男装時の名前)
壊れたお人形はいつか捨てられる
だから、愛されたって意味ないし
捨てられた時の絶望が強くなるだけ
だから、僕は
今日も、噓まみれの自分になる
彼方
彼方
彼方
彼方
彼方
彼方
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