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#たっつん
R。
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朝。窓から差し込む光で目を覚ました。
重い身体を何とか起き上がらせ、ふと横を見る。
すると布団が空だった。
真宮 ゆあん
部屋を出て探す。廊下も居ない。
ホテル内を探してもどこにも居なかった。
嫌な考えが頭を過ぎった。
『自首?』
出てくる手汗を握り締め、ホテルの裏口に出た。
すると、自動販売機の横で缶コーヒーを飲んでいるうりがいた。
真宮 ゆあん
乱れた息を整えながら近付く。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
うりは少し笑い、缶コーヒーの空をゴミ箱に捨てる。
瀬那 うり
瀬那 うり
そう揶揄いながら頭を撫でてくる。 急いでその手を退かす。
真宮 ゆあん
瀬那 うり
瀬那 うり
揶揄ってくるうりに腹が立ってそっぽを向く。
するとうりは、「ごめんじゃん」と笑いながら言ってくる。
そんな感じだからか、俺も自然と笑っていた。
荷物をまとめ、ホテルを後にする。
そして、昨日通った商店街を進んでいく。
朝だからか、人気が少なかった。
まぁ、朝に限らず人は少ないけど。
そんな事を思いながら歩いていると、何やら香ばしいいい香りがしてきた。
パン屋の焼きたての匂いだ。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
瀬那 うり
そう言ってうりは、パン屋のショーケースに張り付いた。 お腹が減っているのに買えないなんて残酷だ。
すると、あまりにも俺らがパン屋のショーケースの前で立ち尽くすので店員のおばさんに声をかけられた。
パン屋のおばさん
俺が返事に困って狼狽えていると、うりが笑って。
瀬那 うり
と答えた。その目元の笑顔が少しだけ昔に戻ったような気がした。
パン屋のおばさん
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
パン屋のおばさん
そう言うとおばさんは、袋に2つパンを入れた。 カレーパンだった。
パン屋のおばさん
パン屋のおばさん
パン屋のおばさん
真宮 ゆあん
パン屋のおばさん
ほら。と腕に押し付けられ受け取ってしまった。
俺たちは何度も頭を下げその場を後にした。
おばさんは最後まで笑顔で手を振ってくれた。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
ほら。とパンを半分に割り渡そうとすると、うりが笑う。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
瀬那 うり
瀬那 うり
真宮 ゆあん
瀬那 うり
そう言ってうりは、「ちょーだい」と言って来た。
結局俺たちは1つのカレーパンを半分こして食べた。
食べながら商店街を歩いていると、一際大きく目立つテレビがあった。
ニュース速報。
『〇〇市で殺害された男性は___』
俺たちのことだ。とすぐ視線を落とそうとした。 けど次の画面に映った写真に思わず足が止まる。
画面に映っていたのは殺害された男の顔写真。
真宮 ゆあん
見覚えがある。でも思い出せない。胸の奥がざわついて足が竦む。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
きっと気のせいだ。そう言い聞かせる。
この時うりもテレビの画面を一瞬だけ見て表情が消えたことをゆあんは知らない。
夜。古い民宿。
泊まる場所を探していた時偶然安価で泊めさせてくれた。
布団を敷いて、布団に入る。
眠いはずなのに、何故か眠れない。
ニュースで見た男の顔がどうしても頭から離れない。
どこで?いつ見た?誰なんだ?
考えれば考えるほど分からなくなる。
嫌になって布団を頭まで被ってそのまま寝てしまった。
少し肌寒くて起きる。
すると、うりが窓際に座り外を眺めていた。 今日は星が見えなかった。
眠れないのだろうか。と考えていると、うりがポケットから小さなキーホルダーみたいなものを取り出した。
よく見ると小さな星型のキーホルダーだった。 古くなって傷だらけなのにずっと眺めている。
気になって聞いてみようと思い布団から出ようとしたその時。
手が滑り、キーホルダーを床に落とし、俺の手元の所まで来た。
瀬那 うり
俺は急いでキーホルダーを拾う。
真宮 ゆあん
渡そうとした時、うりは慌てて立ち上がり少し強い口調で「返せ」と言ってきた。
大声に思わず驚いてしまった。
真宮 ゆあん
瀬那 うり
うりは分が悪そうに、受け取りポケットへとしまい、「ごめん」と声を絞り出し言った。
真宮 ゆあん
そう聞いてもうりは何も答えてはくれなかった。
ただ濁った窓の外の景色を見るだけだった。
真宮 ゆあん
俺はあれからも寝られずトイレに行っていた。
部屋に戻ろうとした時、うりの靴が無いことに気付いた。
急いで部屋に戻ったけど、部屋には人の気配はなかった。
真宮 ゆあん
探し回っていると、宿の外の公衆電話の前にうりがいた。
うりは公衆電話の前に立って受話器を持ったまま、ずっと立っているだけだった。
少し不安になり、羽織ってきたブランケットをかけ直しながらうりに近付く。
真宮 ゆあん
うりは振り向き、驚いたような顔をした。 けどすぐに首を横に振った。
瀬那 うり
この時うりがなんでこう言ったのか俺には分からなかった。
キーホルダーのこともこの電話のことも。
うりが俺になにか隠していることは分かってるのに。 聞き出す勇気が出なかった。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
うりにブランケットをかけ、民宿に戻った。
1つの街灯の灯りだけが、俺たちの影を長く伸ばしていた。
民宿のおばあさん
民宿の女将のおばあさんはお茶を出しながらそう言う。
真宮 ゆあん
民宿のおばあさん
実を言うと全く眠れなかった。 考えるべきことが多すぎて。
真宮 ゆあん
民宿のおばあさん
民宿のおばあさん
民宿のおばあさん
お茶を啜りながらしばらく談笑していた。
民宿のおばあさん
民宿のおばあさん
その瞬間、俺とうりはお茶を吹き出しそうになってしまった。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
俺は慌てて撤回した。 それを聞いておばあさんは目を丸くし、たちまち笑顔になった。
民宿のおばあさん
民宿のおばあさん
民宿のおばあさん
真宮 ゆあん
ふと、うりの方に目をやると少しだけ目を伏せ、湯呑みの柄を手でなぞっていた。
おばあさんは最後まで俺たちをもてなしてくれた。
俺たちの姿が見えなくなるまでずっと手を振ってくれていた。
『続いてのニュースです。 連日報道されている〇〇市殺人事件。逃亡中の瀬那うり容疑者と同行していると思われる男子高校生は_』
そのニュースの片隅には警察の人たちが捜査している所が映っており、その中に一人だけ見慣れた背中があった。
紛れもなくゆあんの父親だった。
𝐍𝐞𝐱𝐭♡···▸300
◾︎◽︎To be continued◽︎◾︎
コメント
2件
今回も楽しいお話ありがとうございました!!見るの遅れてごめんなさい!親に課題出されてそれやってたら見れませんでした。ゆあんくんとうりさんが半分こにしてるのがめっちゃ心暖まるなぁって想いながらいつも見てます笑 街の方々優しいですね。うりさんの隠し事、気になる…星のキーホルダー結構昔にもらったんだと思うけど誰からなんだろ…ゆあんくんのお父さんも実の息子を追うのって辛いだろうな…続き楽しみにしてます!
うわあ、第6話、重たい空気がずっと肺に詰まったまま読み終えた感じです……。 ゆあんが「見覚えがある」と言った殺害された男の顔と、うりが持っていた傷だらけの星のキーホルダー。あれが何なのか、すごく気になります。うりが公衆電話の前で「できないんだ」とつぶやいた声が、やけに冷たく響きました。それにラストの父親の背中——追われる側と追う側が、こんな形でつながってしまう伏線の張り方が巧いですね。 気付けば仲の良さと距離感が同居している二人の関係性にもどかしくなりつつ、次が待ち遠しいです。