TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

2011年 3月9日

お父さん!私の誕生日もうすぐだよ!

お父さん

そうだなぁ。誕生日何したい?

みんなでお祝いしたいなぁ!

お父さん

そうだな。みんなで楽しくお祝いするか笑

お母さん

「私」の好きなもの作ってあげる!

ほんと!?えー、何にしよう〜笑

「私」の誕生日は3月12日。 この家族はいつも仲が良いい。

3月11日

おはよ〜!明日誕生日だ〜!

お父さん

お!おはよう!今日も元気だね笑笑

いつもだよ笑笑

お母さん

ふふっ笑 さっご飯食べちゃって!

ふぁ〜い

お父さん

じゃあ仕事行って来るよ!

行ってらっしゃい〜

お母さん

行ってらっしゃい!気をつけてね!

私も行ってきます!

お母さん

行ってらっしゃい!気をつけてね!

3月11日2:32

ただいまー。今日早く帰って来るらしくて早く帰ってきた〜。

お母さん

おかえり!おやつ食べる?

うん!食べたい!

あ〜、後で宿題しなきゃなぁ〜。

お母さん

はい、おやつ!
これ食べて宿題しな〜笑

おっけ笑笑がんばる!

2011年3月11日 14:46

グラグラ…

えっ!?地震?

お母さん

ちょっと強くない!?

タンスが倒れる。

お母さん危ない!!!!!

お母さん

キャッ!?

いった!本落ちてきた!

アラームが鳴り響く。

緊急地震速報

地震です。地震です。緊急地震速報です。
強い揺れに警戒して下さい。緊急地震速報です。強い揺れに警戒して下さい。
ピロンピロン!ピロンピロン!

ねぇ…怖いよ…どうしよう…

お母さん

大丈夫。なんとかなるから。一回落ち着いて。

2回目のアラーム

緊急地震速報

地震です。地震です。緊急地震速報です。
強い揺れに警戒して下さい。緊急地震速報です。
強い揺れに警戒して下さい。
ピロンピロン!ピロンピロン!

もうやだ!!この音怖い!!

お母さん

待って…津波来るかもしれない。必要なもの
今落ち着いて準備して!

わかった。

緊急津波速報

津波警報が出ました。津波警報が出ました。今すぐに逃げて下さい。
命を守るため今すぐに逃げて下さい。

お母さん

逃げるよ。手繋いでついてきて。

うん…

高台に逃げた。

ねぇ…お父さん今どうなってるかな。

お母さん

絶対どこかで生きてるから!心配しないの!

津波が来る。

津波来た。あぁ、私の家が…

私のお父さんはどこ?友達は?先生は?
私のおばあちゃんも大丈夫かなぁ…。

ふと、お母さんの顔を見る。 すると、お母さんは泣いていた。 密かに泣いていた。

お母さん

…っ!

お母さん…

お母さん

っ!お母さんは…大丈夫だから。

お母さん…無理してまで隠さなくていいんだよ。

お母さんも心配だよね。私も同じ事思ってるから…

お母さん

うん…ありがとう(泣)

お母さんは私の小さな手を引っ張って避難所に来た。

お母さんはそこに行くと必死にキョロキョロしていた。 そのあと、お母さんは一件一件と違う避難所に行った。

1時間30分くらいして、お母さんは号泣した。

そう。どこへ行ってもお父さんは見つからなかったのだ。

お母さん

ウワアアアアアアアア(泣)

どうしたの?お父さんいた?

まだ理解力のない私はそう聞く事しか出来なかった。

お母さん

あのね。落ち着いて聞いてね。
いろんな避難所行ったけど

うん

お母さん

どこにもお父さんが見つからなかったの。

そんな、お父さんどこかで生きてるってお母さん言ってたじゃない!!

お母さん

ごめんね…ごめんね…

お母さんは泣きながら何度も謝っていた。 何度も何度も。

こんな事知ってればお父さんが仕事に行く時に
気をつけてねとか言っておけばよかった。

みんなで楽しくお祝いできなかった。
約束してたのに。お父さんがいない…から…。

ウワアアアアアアアア(泣)

一番最悪な事だったので、いっぱい泣いた。 今までと変わらない日常に戻りたかった。 そう思っても今更遅いのだ。

この経験から7年後。 当時私は9歳だった。現在は16歳。 お母さんもあれ以来から随分年をとった。

黙祷。

今、私はお母さんと一緒に黙祷をしています。 あのアラームは絶対鳴ってはいけないものです。

黙祷終了。

お母さん!明日私の誕生日だよ!

お母さん

あぁ、そうだね笑

お母さん

じゃあ明日はみんな
(天国にいるお父さんと、お母さんと私)で
誕生日しようね。

うん!

あぁ、やっと約束を守れる日が来た。 みんなで楽しくお祝いしなくっちゃ!

東日本大震災では多くの方々が亡くなられています。 あの日こうしておけばよかった。あの日こう言いたかったな など後悔しないように、日々を大切に過ごそう。 つまらない日常はそう簡単には取り戻せないのです。 読んでくれた読者様ありがとうございます!

この作品はいかがでしたか?

101

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚