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私によく笑いかけてくれるの。
すごく素敵な笑顔でね。
私によく話しかけてくれるの。
優しい口調で、標準語に濁された関西弁で。
とっても素敵で好きなの。
でも少し、ほんの少しだけ
何故だか分からないけれど
すっきりしないんだよね。
修也
結衣
修也
修也
修也
修也
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
修也
修也
結衣
結衣
修也
修也
結衣
結衣
修也
修也
結衣
結衣
修也
修也
修也
ドライフラワー?
修也
修也
結衣
結衣
結衣
だめ、今は聞けない
修也
修也
だめ、その曲を聴いたら
結衣
修也
修也
修也
二人しかいない海岸。 波の音を背景に、 ゆっくりと流れ出す しっとりとしたイントロ。
これが止まっていた時間を動き出させた瞬間だった。
修也
修也
結衣
修也
修也
修也
修也
修也
懐かしい。
結衣
修也
修也
懐かしい、
隼人が。
修也
私に笑いかけるその素敵な笑顔が、
標準語に濁された優しい口調のその関西弁が、
好きなのにすっきりしなかった。
それは、
あまり笑わない君を、
少し口の悪い標準語を使う君を、
隼人を、
心の奥の方
深く深く奥の方で、
想っていたから。
結衣
結衣
修也
修也
結衣
ガッ
修也
修也
修也
修也
修也
修也
修也
結衣
声も顔も不器用なとこも
全部、全部、嫌いじゃないの
ドライフラワーみたい、君との日々も
きっと
きっと
きっと
きっと
色褪せる
波の音が混じりながらも流れる曲に
もう私の想いはとどまれないところまで来てしまっていた。
結衣
結衣
掴んでくれたその手を 苦しさと共に振り払い
バッ
波の音を背に、 ドライフラワーを背に、 彼のことを背に、
私は駆け出した。
修也
修也
修也
修也
修也
修也
修也
修也
咲いたまま色褪せた花が
咲ききらずに色付ききらない幸せの 邪魔をする
思い出の曲は
枯れずに色褪せたドライフラワーに 水をやる
波の音に沈み、潮風に撫でられ
またひとつ
新しいドライフラワーが彼の心に咲く
結衣
不在着信
結衣
不在着信
お願い隼人、電話に出て
結衣
不在着信
隼人、お願い
隼人
結衣
隼人
結衣
隼人
隼人
結衣
隼人
結衣
ブチッ
隼人
隼人
タイムリーすぎんだよな
さっき思い出したばっかだっつーの
5年連絡無しで
俺が思い出した日に連絡してくんなよ
まあ悪い思いはしねえけど
隼人
隼人
1人空を見上げる
輝く星を見つめて
深くため息を吐いた。
結衣
隼人
結衣
隼人
隼人
結衣
結衣
結衣
隼人
隼人
結衣
隼人
結衣
結衣
結衣
ああ
同じかよ
隼人
隼人
隼人
結衣
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
結衣
結衣
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
隼人
隼人
結衣
結衣
結衣
結衣
隼人
結衣
2人だけしかいない公園で 夜風に揺れる木々の声が 静かに響く。
隼人
結衣
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
スッ
ゆっくりと前に出した左手
薬指には輝きがあった。
隼人
隼人
隼人
隼人
頭が真っ白になった。
全てを話した後に うつむいて唇を噛むあなたを見て
もっとやりきれない気持ちになった
結衣
気づいた時にはもう
涙が溢れ出ていた。
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
隼人
ゆっくりと背中を向けて歩き出すあなたの姿を見て
溢れ出て止まらない 悲しさと切なさ達を
一生懸命手で拭った。
立ち去ったあなたの肩が 震えているのが私にはわかった。
夜空を見上げると
君との思い出が
浮かんでは消えた。
水をやっても
元の輝きは取り戻せない
美しく色づく花には戻れない
ドライフラワーは
枯れることもなく
また美しく咲くこともなく
心の奥底に眠り続ける
道端に枯れる花を 夜風がそっと吹き上げるのと同時に、細かく散らせてどこかへ消えた。
私の想いも ドライフラワーではなく
枯れてどこかへ散ってしまえば楽なのに。